閑話 牡蠣とチーズ

レストランスコヴィルにて何時もの様に盾の騎士が食事をしている。


「この牡蠣の燻製うまっ」


そう言ってパクパクと牡蠣の薫製を食べていた。


「冷燻はまだまだですが牡蠣の薫製ならば手慣れてますよ」

「相変わらず凄いなぁ、 少し辛みが有るが、 押さえて有るのが良い」

「燻液に唐辛子を入れているんですよ」

「仕事が丁寧だなぁ・・・燻製を付けるオリーブオイルにも唐辛子を入れているだろ」


牡蠣の薫製は直ぐに食べるのでは無くオリーブオイルに付ける事で

旨味と保存性を高める事が出来る。


「ありがとうございます、 所で牡蠣の薫製って美味しいけども手間がかかりますので

お代は結構高いですがそんなに食べて大丈夫ですか?」

「それなら問題無い、 よっこいしょっと」


盾の騎士は一塊の包みを出した。


「それは?」

「この間牧場でゴブリン狩りをした時に売れ残りを貰って来たんだ」

「売れ残り、 ですか? 一体・・・」

「あれだよあれ、 ほら」


包みを開けるとそこには大きな塊のチーズが。


「大きなチーズですね」

「あぁ、 なんか、 ほら、 チーズを溶かしてやる・・・」

「あぁ!! ラクレット!!」

「そうそれ!! それ用のチーズ!! まぁラクレットの機械が面倒だからって

あんまり売れてないから殆どタダの様だったがな」

「いやぁ、 でも牡蠣の薫製でこれ一塊は余りにも釣り合わない

折角ですしラクレットも食べて行って下さいよ」

「良いのか? じゃあ遠慮無く」


そう言ってラビーは地下からチーズカッターとチーズを置く台座を持って来ると

ラクレットチーズを半分にして、 魔法で熱し

溶けたチーズをほっくほくのジャガイモの上にかける。


「さぁ、 どうぞ」

「頂きます・・・うん、 旨い、 旨いが

やはりカリカリしたのも喰いたいな」

「勿論用意してありますよ」


そう言ってガレットを炙った物の上にもトローリとチーズをたっぷりかける。


「絶対旨いわ、 いただきまーす

あー幸せ―」

「喜んで貰えて何よりです、 ちょっとアレンジしてこういうのは如何でしょうか」


ハラペーニョにチーズをかけた物を出すラビー。


「ふむ・・・おぉ辛みがチーズで抑えられて良い感じじゃないか

ぶっちゃけ好みだ」

「ありがとうございます」


こうしてチーズを手に入れたラビーは新しい料理を造り出す事に成功したのだった。

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