集結する亜人達

棘坊主はあれから暴れ回ったが流石に5対1で勝てる筈も無く倒れた。


「くそ・・・仲間達の仇・・・」


そう言い残して動かなくなった棘坊主。


「・・・・・ズタズタで食べられそうに無いわね、 埋葬しましょう」

「そうだな・・・向こうも方が付いた様だ」


そう言って倒れている鯨野郎を見る盾の騎士。


「終わったようだな」


勲章の騎士がやって来る。


「団長、 敵を一体逃しました」

「そうか」

「それから如何やらここに来ているのは一部だけの様です」

「うん? どういう事だ?」


盾の騎士は勲章の騎士に事情を説明した。

タコ娘が語った古代兵器の事、 本隊に戻ると言う発言から大勢で来ている事。

全てを聞き終わった後に勲章の騎士は狼狽した。


「一大事では無いか!! 今すぐに辺境伯に報告に!!」

「その必要は無いですよ~」


顔がコンセントタップになっている亜人がひょっこりと現れた。


「貴方は?」

「私は~クイズ王の配下です~」


警戒する騎士達。


「あぁ~警戒しなくても良いですよ~

ちょっと野暮用でしたから~、 まぁそんな事より~

さっきの戦いを見させて能力を発動して~

情報は全てクイズ王に送りました~」

「つまり、 クイズ王が何とかすると?」

「いえいえ~、 この大陸の一部分が無くなるんだったら~

流石に大事です~、 失敗した時のリスクを考えて~

クイズ王は八王全員に通達して~、 事態の収拾を図るでしょうね~」


騎士達は戦慄した。


「八王がここに集まる、 と?」

「まぁ来ても部下でしょうね~

今回貴方達の御仕事はここで終了ですので御疲れ様でした~

ごゆっくりお休みください~」


クイズ王の部下は去ろうとしていた。


「待てよ」


勲章の騎士が呼び止める。


「我々の仕事の事、 何処で知った?」

「私の能力は~、 盗聴ですからね~」


にひひ、 と笑い、 シュンと消えた。


「釈然としない・・・全く持って釈然としない」

「今からでも追いかけましょう」


ラビーが勲章の騎士に提案する。


「・・・如何やら八王に提案したというのは本当らしいな」

「え?」


ラビー達の上を大勢の亜人達が飛び回っている。


「八王達に任せて我々は大人しくしていようか」

「釈然としません・・・」

「今回はヤバそうだし・・・納得はしておこう、 な?」


盾の騎士がラビーを宥めるのだった。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る