巨魚人現る!!

ラビーが着替えて宿屋の外に出るとそこには巨大な魚人が居た。

家を軽く超える巨体、 外見的特徴から鯨の魚人と見受けた。


「今までに見た事が無い魚人ね」


パリ―ンとガラスの割れる音と共に窓から飛び降りる盾の騎士。

ブーメランパンツ一丁である。


「ちょ、 服は!?」

「来ている暇は無いと判断した!! それよりも来るぞ!!」


鯨の魚人が何かを物凄い勢いで投げて来た。


「っ!!」


ラビーは火柱を上げてそれを防ぐ。


「それで止め切れるか!! 退いてろ!!」


盾の騎士がラビーの前に立って障壁を張る。

障壁に激突する焼け爛れた魚人。


「魚人を投げて来ている!?」

「デカブツだが頭は回る様だ、 走るよりも投げられる方が速く着く」

「その様だな」


窓を開いて勲章の騎士が飛び降りる。

彼は盾の騎士とは違い服をちゃんと着ている。


「お前服を着ろよ」

「いや、 だって寝起きだったし・・・」

「逐一パンイチになるな・・・私なんか着替えずに寝たぞ」

「えぇ~・・・」

「大丈夫ですか店長!!」


花瓶の騎士と言った他の騎士達も次々と出て来た。

網元もやって来た。


「騎士様方!! あんなデカブツとは戦えないので我々は逃げます!!」

「それが良いだろう」

「と言うか騎士様方大丈夫ですか!? あんな奴に勝てるんですか!?」

「心配するな、 我々はプロだ、 心配要らない」

「そ、 そうですか、 じゃあ失礼します!!」


逃げる網元と漁師達。


「とりあえず私が凍らせるか燃やせばあのデカブツは行けるかな・・・」

「いや、 店長、 アレは私が仕留めよう」


勲章の騎士が腕を鳴らす。


「大丈夫ですか?」

「あぁ、 お前達、 店長を死なせるなよ

女性を死なせるのは騎士の名折れと知れ」

「了解しました」

「そういう訳だから、 屋根の上の連中は任せた」


そう言って勲章の騎士は走り出した。


「屋根の・・・上?」


ラビーが見上げると屋根の上から二人の魚人が降りて来た。

一人は体中から棘の生えた魚人、 もう一人はまるで人間の様な意匠に

タコの足の様な物が生えている。


「赤い魔女、 多くの同胞達の仇、 ここで取らせて貰う!!」


棘の生えた魚人がレイピアの様な剣を取り出す。

小柄な女性位の大きさは有った。


「きちんと話せる魚人は初めてね、 そして人間の様な魚人も」

「うっさいわ、 殺すぞ」


タコ娘がキレながら言った。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る