大瀑布って何だろう

コブリンを狩ったりしながら大瀑布に到達したラビー達一行。


「一つ質問して良いかしら?」

「何だ?」

「大瀑布って変じゃないの?」

「何で?」

「確かに人間圏では大瀑布、 つまり滝になっている

でも亜人圏では滝に落ちる前の川の筈、 なのに大瀑布って言うのは変じゃない?」


ラビーの問いにそう言えばそうだと思う騎士達。


「あぁ、 お前達は大瀑布に行った事が無いんだな」


勲章の騎士が得心した様に語った。


「えぇ、 そうですが」

「見てみると分かる、 アレは川では無い、 平面の滝だ」

「どういう事です?」

「流れが物凄い早いんだ」


ラビーは知らない事だが明治時代に川の工事のために来日したオランダ人技師デレーケは

世界でも特異の勾配がきつく、流れの速い日本の川を見て

「これは川ではない、滝だ」と言及したという。


「ボケーとしていると流されて人間圏に行ってしまう

その為、 大瀑布の近くの魚も亜人も並じゃない筈なんだがその並じゃない

亜人すら救援を出すと言うと事態は深刻だな」


勲章騎士が説明する。


「漁師も大変な職業だなぁ・・・」

「その分、 連中の生活は凄まじいぞ、 カジノ王も吃驚な富豪が多いらしい

命を張っているから納得だが」

「俺達も命を張っている職業ですが・・・」

「密度が違うよ、 密度が」


どごおおおおおおおおおおおおおおおおん!! と轟音が遠くで鳴り響く。


「な、 何!?」

「雷か!?」

「落ち着け、 アレは爆薬を大瀑布に投げ入れている爆薬漁だ」

「爆薬漁!?」


爆薬漁は、水中で爆発物を爆発させて

その衝撃波で死んだり気絶して水面に浮き上がってきた魚を回収する漁法である。

ラビーの前世ではダイナマイト漁と言う名の方が有名だろうか。


「そんな事して生態系は壊れないの?」

「亜人が如何足掻こうと自然には勝てんよ、 この程度何の事は・・・盾!!」

「はい!!」


勲章騎士は皆の前に立ち、 盾の騎士だその前に立った。


「如何した!?」

「何か来る!!」


わあああああああああと大勢の亜人達がやって来た。


「な、 何だ!?」

「あ、 アンタ等援軍か!? 街に外来種の大群が街にやって来やがった!!」

「何だって!?」


如何やら亜人達の市民達の様だった。

騎士達は走って亜人達の街に向かった。


「外来種ってどんなの?」


ラビーが市民に尋ねた。


「人間!? あ、 何だか手足が生えている人みたいな奴だよ!!」

「・・・・・・・・なるほど」

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