クッキングバトル!!結末や如何に!!

料理を始めるラビーと万年筆女。

ラビーが作るのは麻婆豆腐、 とは言え豆板醤等の調味料が無い現在では

麻婆豆腐擬きが関の山である、 しかしながらラビーは前世で

豆板醤等の調味料が無くても美味しい麻婆豆腐を作り上げていたのだ。

それに人生最後の料理になるのかもしれないのならば

最後に自分が食べたい物を全力で作るのがベストだろう!!


「ふむ・・・噂通り刺激臭が凄いね」


マクスウェルがラビーの料理工程を見ている。


「ちょっとこの厨房の火力低い!! もう!!」


炎を魔法で調整するラビー。


「炎が強過ぎない?」

「中華料理ならば火力が強いのは当然ですよ」


紙袋のADが提言する。


「ほう、 そうなのか?」

「えぇ、 中華料理は火力が肝心ですから」

「ほぉー・・・」

「・・・・・何でADが解説するんだ?」


辺境伯のツッコミが冴える。

一方で万年筆女が作る料理は・・・


「ふん、 派手な炎なんか無くても料理は出来るのよ」


豚肉とニガナを切り、 鍋にニガナを敷いて

その上に豚肉を重ね、 秘伝のだし汁を注ぎ火にかける。


「何と言うか・・・地味だな・・・」

「料理には派手さは要らないですよ」

「そうだな」


沸騰したら火を弱めて灰汁を丁寧に取り除きながら30分煮る。


「こっちは出来ました!!」


麻婆豆腐が完成する。


「ひき肉と・・・この白いのは何だ?」

「これは豆腐ですね、 自家製ですか?」

「自家製です」

「へぇ・・・凄いなぁ・・・」


ADが感心しながら食べる。


「・・・・・うん、 悪くない」

「・・・うん? 美味しいな」

「美味だな・・・」


三者三様旨いと表現する。


「・・・あ? 待てこれが辛さか!!」

「水!! 水ぅ!!」

「旨いけど水ぅ!!」


後から辛さが来るのだ!!


「ふん、 そんな食べる人を苦しめる料理で私に勝てる訳が無いわ!!」

「いや、 でも辛くても旨いんだよ」


万年筆女の声に返す盾の騎士。


「こっちも隠し味と塩を入れて一煮立ちさせて完成!!」


マクスウェル達の前に料理を出す万年筆女。


「・・・・・何だこれ?」

「黒い?」

「イカ墨? ですかね?」

「私の能力は美味しいインクを出す能力!!

その能力で作った黒いスープです!! どうぞ!!」

「ふむ、 ならば頂こうか」


マクスウェルが一口すする。


「ふむ・・・まぁまぁ旨いぞ?」

「しっかりと煮込まれてていい味です」

「・・・・・」

「御飯にかけてリゾットにしたい」

「ちょっと!! 貴女まで何で食べているのよ!!」


ちゃっかりラビーも食べている事に怒る万年筆女。


「だがしかし今回の勝負は女将さんの勝ちだな」

「そうだな」

「割と拮抗していると思いますよ?」


審査の結果はマクスウェルと辺境伯がラビー

ADはドローと言う事でラビーの勝利だった。


「ちょっと待って納得いかないわ!! 何で辛い料理が私の料理の上を行くの!?」

「辛いだけじゃない、 旨味がちゃんと有った」

「それに今回貴女の料理の食材はメディア王が揃えた物が半分以上

それは如何かなって思う」

「ぐぬぬ・・・」


悔しがる万年筆女。


「あのお嬢さん」

「何よ!!」


ラビーに睨む万年筆女。


「このインク、 本当に美味しいです、 個人的に欲しい位です」

「浮気相手に渡す馬鹿が居るか!!」

「私はあの人を恋愛対象には見ていませんし

仮に浮気相手だとしても貴女が彼を想っているのは良く分かりますし

最終的に貴女とくっ付くと思います」

「何でそんな事分かるのよ!!」

「だって好きな人の為じゃなきゃあ

素人さんがこんなに丁寧に料理なんか作れませんよ

灰汁を30分も抜くとか本当に手間をかけられていると思います」

「む・・・わ、 分かっているじゃない」


褒められて上機嫌になる万年筆女。


「なぁ・・・お前もこの人の料理食べれば分かるって」


盾の騎士も説得する。


「・・・・・」


ひょい、 と麻婆豆腐を一口食べる万年筆女。


「確かに美味しい・・・・・・・・・

って辛アアアアアアアアアアアアアアアアアア!!」

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