バッドエンドになる要素をいくつも持ちながらも、最終的にはじんわりと温かなハッピーエンドに落ち着く。ホラーテイストを持ちつつも、後味の良い作品でした。物語の設定、構成はとてもシンプルですが、それ故に無駄がなく主題がしっかりと伝わってきます。兄妹間の恋慕を、悲しい部分もありつつも前向きな方向性に着地させ、とても未来を感じさせる作品でした。
絶対にバッドエンドにしかならない要素がてんこ盛りなのに、最後の結末が良い意味でどんでん返しです!無理やりこじつけハッピーエンドではなく、納得のある理由でのハッピーエンドなのも素晴らしいですね(*^^*)ホラーのドキドキも、幸せな読了感もいっぺんに味わえます!素敵な物語をありがとうございました。
良い意味で裏切られました!手のひらの中でほっこりと温まるような結末に、忘れられない、心の隅で息づくような掌編となるでしょう。
面白い。ああ、この作品は面白い。 なにが面白いと言えば、まず設定が巧みだ。ブラコンや治療法がない病に侵されたヒロインが登場する作品は沢山ある。しかし『兄の罪と妹の命の蝋燭』は冒頭から設定を細かに活かし、複雑かつ切ない人間関係を作り上げている。 巧みさはまだ続く。本当の面白みはそれからの展開だ。ネタバレは控えるが、五分で読める作品にこれだけの想いを描けるのかと驚いてしまう。最後も上手く全ての糸をまとめ上げている。 だから才能を感じ、次作も読みたくなる。