新しく何かを始めるのは勇気がいることだ。
それは9年引き籠ってた小学校中退の青年も、コンビニ店員も、元AV女優も、やくざも、ローカルラジオDJも、元引き籠り青年の家族だって、同じ。
だけど彼らはその一歩を踏み出した。
そこには成長と決意があり、それが私たちの心に感動を生む。
この感動をたくさんの人と共有したいと思って、初めてレビューというものを書かせてもらっている。
ところで「愛のむきだし」を最近観たからだろうか。
園子温監督で映像化してほしいと思ってしまった。
いまとなっては難しいのかもしれないけれど。
もし映像化されたら、ラストシーンは朝がいいな。
すごく繊細な朝の光で撮ってほしい。
二月になった。頭の中を駆け抜ける10万文字。
読み終わった。まだ二月一日だ。
あれ、まだ「連載中」? どうか、続きをください。
この物語の大筋は、大筋どころか九割は、あらすじに書いてある。
どう考えても書き過ぎなんだけど、あらすじどころじゃないんだけど、
履歴書やプロフィールには書けない生臭い何かの方が、
僕らを形成しているしょうもないものの正体なんだよねって気付かせてくれる。
物語の中で、どこかで失くした拓の拓が目覚めた時、
エロスとか愛情だとかを超越した小宇宙<コスモ>に包まれた気がしました。
刹那的で破滅的な、あなたたちの狂騒の続きが知りたい。
そう思わせてくれる物語でした。とんでもないものを読まされた。
九年の長い間、引きこもってきた少年が、再び生き始める……といったら聞こえはいいけれど、突然のロードムービー、そして怪しげ(いやまんま怪しいけど)な商売を、という「青春映画」のテイストを詰めこんだ作品。
同時に作者の趣味嗜好(性癖)も垣間見える、非常に私的な作品にも思われます。青春小説っていうのはきっと、そういうものなんでしょう。
断絶から再び世界に「はじめまして」をした主人公・拓くんと一緒に、僕らももう一度、世界に挨拶をさせてくれる。そんな一作です(でもちょっとビターめに)。
★
さて、このレビューを書いている2021年2月1日現在、一応の青春映画的「終わりとも始まりともつかないラスト」まで公開されていますが、どうなるのか。いちおう「連載中」だし。
この作者が好きな作家同様、とつぜん「第三部」とか「BOOK3」が公開されるのでしょうか?
楽しみに待ちましょう。