45.
「おーう。今日は三人よくきたー。ここくるん、アノちんは初めでそー?」
「はい、初めてです……。トライアドさん……?はお二人と面識があるんですか?」
緑の幼女はサユリに視線を向ける。それに応答する形で彼女は話始めた。
「トライアドさんは私達がこの世界に落ちてきた時からずっとサポートしてくれてる人なの。謎が多くて不思議な方なんだけど、この世界について色々知っていてね。いわば凄腕道案内人って所かな」
「そんなかじー」
幼女は適当な相槌をうつ。
「……おい。アノ」
何か気に障ったのか、ユウトが怖い目で僕を見てくる。そうだ、ここに来た理由……とりあえずトライアドさんが悪い人ではないと分かった。この世界に戻る決心がついたのは"姉さん"に何か関係があると言われたからだ。それを聞き出さなければいけない。
「あの……!姉さん。僕の姉について何か知っているんですか!?」
僕は前のめりになり、やや感情的に聞いた。
幼女の目の色は変わらない。しかしどこか遠い場所を見ているような、そんな表情をした。
「アノちんの……あねえ。あー"ノア"んことねー」
今ノアと言ったのか……?早乙女乃亜。それが僕の姉さんの名前だ。まさか本当に──
見やればサユリさんの表情も震えていた。
「アノちゃんのお姉さん……!ノアさんは無事なんですか!?」
サユリは緑の幼女に駆け寄る。ユウトは静観しつつも前を向いている辺り、興味を示しているようだ。
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