第313話 邪魔な敵の排除
私とウサギの間にいる邪魔な敵の排除作戦を開始なのさー! スキルの使用中でもオンオフが出来るパッシブスキルの小技を使って、敵の位置を調整するのが狙いなのですよ!
「さーて、見切りに1撃でも反応があったらオンに切り替えましょうかねー!」
どんどん色んな敵が近付いてきてるし、マップにも見えない方向から来てるのは分かるから、それを目安にやっていこー! 獅子咆哮の溜めの間、ずっと耐えてる必要がないのも分かったしね!
ミツルギ : あー、これは気付いてないパターンか。
いなり寿司 : 他の事に集中して抜け落ちてるやつだな。
イガイガ : どうもそんな感じっぽい。
「え? 何がです? って、わっ!? 葉っぱが飛んできましたよ!?」
うぅ、目の前から近付いてきてた大根……二股に分かれて歩いてる大根だー!? その大根の葉っぱが前脚に命中しちゃった!? え、でも今のは見切りに反応が無かった……って、あー!?
「ぎゃー!? 見切りの効果が切れてるじゃないですか!? わわっ!? 『畏怖の気迫』オンで!」
前後左右のどの方向からも攻撃がき始めたから、大慌てでオンに切り替えて追い払い! 気付いてないって言われたの、見切りの効果が切れてた事なの!? うん、本当に気付いてませんでした!
「ふぅ……とりあえずこれで一安心ですね!」
耐えて耐えられない事もないのは分かってるけど、可能なら耐えずに済むようにやりたいもんね! うがー! なんで私は見切りの効果が切れてるのに気付いてなかったのー!
金金金 : 何かに憤慨するような狐っ娘アバター!
水無月 : 気付いてなかった自分に怒ってる感じ?
サツキ : 水無月さん、正解!
「そこでなんでサツキさんが正解って言ってるんですかねー!? まぁ間違ってないですけども!」
もう何度目になるのか分からないけど、姉さんは表情を読み過ぎなんだってば! むぅ、明日直接会ったら、そこは文句を言っておこう! うん、それで決定!
ミナト : サクラちゃん、今度は敵が縄張りから出る前にはオフにだからねー! 気が逸れて、見落とさないように!
「あ、はい! そこは注意しないとですね!」
脱線していて、その辺まで見落としたら最悪だー! しっかりとマップを見て、敵の動きは要チェック! えーと、逃げていく速度自体はそんなに早くないから……って、そうでもないのがいたー!?
「わわっ!? 猛烈な速度で逃げてるのがいます!? いますけど……ウサギとは全く関係ない真後ろなんで、どうでもいいですねー!」
うん、これは心配する必要は皆無! 気を付けるべき方向は、今のところ特に問題なし!
ミツルギ : とりあえずは、ウサギの方に素早く逃げるタイプはいなさそうだな。
咲夜 : 今のところは順調だなー。
G : でも油断はするなよー!
「はい、分かってます!」
もうそろそろ獅子咆哮の溜めも終わるけど、だんだんと縄張りの端に近付いていってる敵もいるもんね。どうも逃げ方にも個体差ががある感じがするけど、俊敏系統や知恵系統辺りは逃げやすい感じなのかな? うん、ここからじゃ分からないし、別にいいや!
「それじゃそろそろ溜まりそうなんで、もう一度『畏怖の気迫』はオンです! さぁ、仕留められに近付いて来てください!」
ヤツメウナギ : 内容自体は間違ってないけど、言い方がなー。
神楽 : まぁゲームってそういうものだし?
サツキ : 雑魚敵はサクラちゃんの糧になるといいのさー!
いなり寿司 : こういう所は、やっぱり姉妹か。
「あはは、そうかもしれませんねー!」
なんか姉さんが似たような感じの事を言ってるけど、まぁこの辺は冗談抜きで姉妹で似てる部分なのかも? あ、そうしてる間に獅子咆哮の溜めが完了だー! 敵もまた私の方に向かってきているし、狙い通り! うーん、でも気のせいかな? なんだか近付いてくるのがさっきよりも速いような……?
まぁいいや、敵の数を考えるのが面倒だから数えないけど、結構な数がいるもんね! これは結構な進化ポイントが貰えそうな予感! ともかく、沢山の敵を吹っ飛ばせー!
「溜めも終わったので、獅子咆哮、発射です!」
<未成体を撃破しました>
<進化ポイントを1獲得しました>
<未成体を撃破しました>
<進化ポイントを1獲得しました>
<未成体を撃破しました>
<進化ポイントを1獲得しました>
<未成体を撃破しました>
<進化ポイントを1獲得しました>
<未成体を撃破しました>
<進化ポイントを1獲得しました>
<未成体を撃破しました>
<進化ポイントを1獲得しました>
<未成体を撃破しました>
<進化ポイントを1獲得しました>
おぉ、一気に討伐出来た! でも経験値は少なめだから、Lv30には上がらなかったね。うん、まぁそこは仕方ない! それに、今はのんびりしてる訳にもいかないのですよ! だって、私に向かって全方位からどんどん敵が近付いて来てるもん! というか、やっぱり移動速度が速くなってなーい?
「『畏怖の気迫』オンです! ふぅ、敵の動きが止まってくれましたね!」
危ない、危ない! もう少し遅かったら、一斉攻撃を受けそうな勢いだったもん! 今のは地味に焦ったよー! でも、畏怖の気迫をオンにしても、さっきほど離れていかないよ?
「これってもしかして……何度もオンオフを繰り返してると、効果が薄くなったりしてません?」
ミツルギ : おっ、流石に気付いたか。
金金金 : なんか敵の動きが妙な気がしたが、そういう仕様なのか。
富岳 : 便利過ぎる小技だからこその制限みたいなとこだな。とはいえ、オンの間の効果自体が薄れる訳じゃない。
G : 同じ敵を相手に何度も繰り返すと、オフになった時に近付いてくる速度が上がるのと、オンになった時の離れる速度が遅くなるけどなー。
神奈月 : 要は、同じ相手に何度も怯えさせられたら、慣れてくるって感じだな。
咲夜 : そして、オフになった瞬間に一気に反撃に出て襲い掛かるのが早くなる!
「おー、そんな感じなんですね! 確かに何となくそうなる気持ちも分かる気がします!」
そっか、何度も繰り返されて振り回されるのは敵の方も嫌ってことなんだ! ずっと怯えたままならまだしも、その状況をコロコロと変えられたら……そりゃ嫌だよね! でも、そういう小技なんだから、遠慮はせずに使っていくのですよ!
むしろ、何度も繰り返しまくって、近場で可能な限り移動を遅くした状態にするのが良さそうな気がする! そこまでやったら、ほぼ一方的に倒せそうだよね!
神楽 : 今のって、使い方次第では一方的に仕留められるんじゃない? 行くとこまで行けば、ほぼ逃げなくなるんじゃ?
ミツルギ : あー、なるにはなるぞ? そこまで行く前に攻撃が苛烈になり過ぎるけどな。
富岳 : 『畏怖の気迫』の攻撃頻度の低下は、1撃目には適応されないからな。一度オフにしたら頻度はリセットになるから、あまり離れなくなった敵から一斉攻撃を受ける事になる。
神楽 : あらら、それじゃ流石に使いにくそうだね。
いなり寿司 : 2~3回程度で逃げるのが明確に遅くなったくらいを狙うのが丁度いいくらいだな。
「……あはは、そういう事もあるんですねー」
むぅ……神楽さんと同じ事を考えてたけど、それは駄目だったっぽい。そっか、その手段は駄目なんだ……。なんだか残念……。
金金金 : なんだかしょんぼりし始めた狐っ娘アバター。もしかしてサクラちゃんも同じ事を考えてたか?
「まぁそうなりますねー。でも、駄目なら駄目と分かって良かったです!」
実際に試してみて、それで格下に袋叩きにされるのも嫌だもんね! その状況が回避できたと思えば、問題はなーし! それに今の状況でも、倒すのには充分そうではあるもんね!
「さてと、無駄に落ち込んでても仕方ないので、そろそろエリアボスのウサギ討伐を始めましょう! 途中の邪魔な敵は排除出来ましたしね!」
マップを見る限り、私とウサギの間には邪魔な敵はいなーい! まぁ他の方向にはまだまだ敵はいるけど、そっちは放置でいいや!
という事で、ウサギを視認出来る位置まで移動していこうっと。あんまり進み過ぎてウサギとの交戦範囲に入ったら危ないから、疾走は無しで! って、あれ?
「……そういえば、ウサギとの交戦状態になる距離ってどうやって判断したらいいんです?」
凄い今更な気がするけど、どうやって確認すればいいの!? 今までその辺を気にした事がなかったから、分かんない!?
ミツルギ : 拓けた場所でのざっくり基準だけど、遠距離攻撃持ちなら視認出来る範囲が大体の交戦範囲。近接のみなら、その3分の2の距離ってとこだな。
富岳 : 敵が好戦的かどうかでも変わってくるが、目安としてはそんなもんだ。
名無しのカカシ : ここみたいな場所じゃなくて、森や湿原とかなら敵を確認した時点でこの距離の範囲内だから、大体は交戦になるなー。好戦的でない相手ならそうでもないけど。
「なるほど、そういう基準もあるにはあるんですね! その辺は了解です!」
真横に行っても攻撃されない敵にも今まで遭遇した事はあるし、襲ってこない敵がいるのにも納得! そういう基準なら、ウサギが私の元まで届く遠距離攻撃さえ持ってなければ、ギリギリ見える位置まで行くのは大丈夫そうだね!
ミナト : あ、獅哮衝波みたいな視界外からでも届く攻撃もあるからそこは注意ねー!
咲夜 : そのパターンは、昨日体験したあれだな!
「あー! 消火の巻き添えで殺されたやつですね! それも了解です!」
そっちの例外も体験済みだから、それは大丈夫! 問題は……ウサギがその手のスキルを持ってたりするかどうかだよね。あのウサギは……あれ?
そういえばあのウサギの進化の系統は知らないんだったー!? え、大丈夫だよね……? 蹴り殺されたんだし、巧みじゃないよね? なんか急に不安になってきたんだけど!?
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます