第305話 お試しの縄張り
うぅ、なんで完全に『自己修復』の事を忘れてたのー!? 攻撃を避けてダメージを受けない方が良いけど、回復の手段だって大事なのにー!
「……やらかしました」
金金金 : ガチ凹みの狐っ娘アバター。いやまぁ、気持ちは分かる。
ミツルギ : 俺らの方も完全に忘れてたしな……。
いなり寿司 : なんで揃って忘れてた?
サツキ : もうてっきり解放した後だと思ってた! そういえば話題に出しただけで、解放してなかったね!?
チャガ : 俺もそんな気がしてたな。
ミナト : あはは、前に話題に出してたのが逆に仇になってた感じかな?
「どうもそんな感じみたいですねー。まぁ私自身が忘れてましたし、この話は気にしない事にしましょう!」
次に取得出来そうな機会の時にやればいい話だよね! うん、今から更に進化ポイント15を使う訳にもいかないし、ここはスルーが正解! その時には忘れないようにしないとだけど!
「さて、それじゃ新スキルの実験をしていきましょうか! エリアボス相手にぶっつけ本番での使用は危険ですしねー!」
どう考えても縄張りは今までのスキルとは違うもん! どの程度の範囲に影響があるのかが分からない状態だし、これはまず使ってみないと!
「という事で、お試し開始です! 『縄張り』!」
ふふーん、これでどうなるのかな? おぉ、演出的に何か私を中心に風が吹いていったよ!
「わっ!? なんかあちこちに赤いカーソルと灰色のカーソルが出てきましたよ!?」
え、なにこれ!? これが縄張りの効果……? あ、どれも一気に逃げ出したー!?
「なんでいきなり逃げ出すんですかねー!? あ、これが『畏怖の気迫』の効果ですか!?」
ぎゃー! いきなり敵が全部逃げてたら、意味がないような気がする! わわっ!? これ、どうすればいいの!?
ミツルギ : サクラちゃん、とりあえず落ち着けー。『畏怖の気迫』をオフにすれば、そこで効果は切れるからな。
富岳 : これまで『威嚇』を使った時よりも逃げる速度は遅いから、慌てずにいけ。
「あ、はい! 分かりました!」
えっと、えっと、慌てずに落ち着いて行動! ともかく『畏怖の気迫』をオフにする! って、どうやったらオフに出来るの!? うぅ、『畏怖の気迫』は止まれー!
「あ、オフになりました! おぉ、逃げ方が一気に鈍りましたね!」
ふぅ、いきなり新スキル2つ分の効果は焦るよね。でも、落ち着けって言われた理由がよく分かった! 一斉に逃げ始めたからびっくりしたけど、未成体って考えたらそんなに移動速度は早くない!
「この赤いカーソルが普通の敵ですよねー! そして、こっちの灰色のカーソルは一般生物! 普段はあんまり気にしてなかったですけど、縄張りを使うと範囲内にいるのが強調されるんですね!」
これが縄張り内にいる敵の位置を把握する事が出来るって『縄張り』の効果なんだね! それで、さっき一斉に敵が逃げてたのが、威嚇が常時発動する『畏怖の気迫』の効果!
ミナト : サクラちゃん、効果が切れてる『看破』を使っていこう! それ、同時に使えるから!
「あ、はい! 順番にやっていきますね! 『看破』! おぉ、これは良いですね!」
さっきの赤いカーソルと灰色のカーソルの所に、看破の情報が追加されたよ! あ、しかもこれって、地味に嬉しいかも!
「岩に隠れてるトカゲの位置まで確認出来るじゃないですか! これ、もの凄く良いですね!」
うふふ、まさかの姿が見えてない敵の位置まで分かるのですよ! しかも、看破の情報まで出てくるようになってる!
金金金 : ほほう、そういう効果まであるのか!
ミナト : あ、そういえばそういう性能もあったんだった。
ミツルギ : ……ミナトさんには必要なさそうな効果だしなー。それが『縄張り』の利点だな。縄張りの範囲内で位置を把握した敵にも、見えてなくても『看破』の効果は出るようになる。
富岳 : 『看破』は、要は敵として認識出来ているかどうかが基準になってくるからな。まぁ基本的には視覚以外で認識する事は少ないが、こういう相乗効果が出る事もある。
サツキ : サクラちゃん、便利でしょ!? その辺もおススメした理由なんだよ!
「なるほど、そういう感じなんですね! これは確かに便利そうです!」
これまで自力じゃ見つけられてなかった敵が、縄張りの効果のおかげで見つかるようになるよ! いぇーい! これだけでもかなり重要な効果なのさー!
それに『畏怖の気迫』をオフにしたら、思ったほど逃げないね! ……正直、『畏怖の気迫』っていらなくない? どこで使うの、これ?
いなり寿司 : その状態でマップを見てみるといいぞ。それで『縄張り』の大体の効果範囲が分かるからな。
こんにゃく : 効果範囲の端まで行けば目印の白いラインも走ってるけど、手っ取り早いのはマップか。
「えっと、マップで分かるんですね! 確認してみます!」
ちょっとずつ敵が離れていってる気はするけど、あれくらいならすぐに追いつけるから問題なし! 今は『縄張り』そのものの性能把握が大事だよね! なんか皆さんが解説してくれてるし、今回は頼りにさせてもらうのさー!
という事で、マップを最大表示にして確認! えーと、どうなってるんだろ?
「あ、マップに白い円が表示されてますね。その円の中に、灰色と赤の印があちこちにありますねー! 思ったよりは広めです?」
この白い円でマップの10分の1くらいの広さはあるような気がする! うん、これだけの広さがあれば、かなり便利な気がするよ!
ヤツメウナギ : 広そうに思えるけど、実際に使ってみるとなんとも言えない広さなんだよなー。
神奈月 : まぁ使い方次第ではあるし、エリア次第でもあるんだけど……。
G : その辺、ケースバイケースだからな。
咲夜 : 使いやすかったり、使いにくかったり、効果範囲は何とも言えないやつ。
「え、そうなんです? これだけの広さがあれば十分な気もしますけど?」
確認出来てる範囲でも、結構な数の敵がいるんだけどなー? 何が問題なんだろ、これ?
富岳 : あー、サクラちゃん。気付いてないようだから言っておくが、格上ばかりの場所で使うとか、飛んでる敵ばっかの所で使うとか、そういうパターンを想像してみるといいぞ。
水無月 : わっ!? それってゾッとするね!?
金金金 : それは危険だな。なるほど、利点ばかりじゃない訳か。
「……何とも言えない理由が分かりました。それは確かに微妙な気分になりますね」
縄張りの中では交戦状態に入るんだもんね。今、マップで確認出来ている敵が全て格上で襲ってくる可能性……うん、軽く死ねる!
「これって使い方を間違ったら、あっさりと死にませんかねー!?」
咲夜 : それは今更なんじゃ?
イガイガ : 威嚇で何度も死んでいるサクラちゃんがそれを言う?
チャガ : まぁサクラちゃんの言う通りではあるんだが……。
いなり寿司 : 今までの事を考えると、その主張に説得力はないよなぁ。
「なんだかもの凄い失礼な反応な気がするのは気のせいですかねー!?」
まぁ全然否定出来る気もしないけども! うん、確かに威嚇で何度も死んでる私が気にする事でもなかったよ。でも、格上ばかりじゃないのであれば、有用なのは間違いないのです!
「……というか、これは雷雲の中にいた時に欲しかった気がします!」
こんにゃく : それは確かに!
富岳 : あの時にこれがあったら、もっと進化ポイントを稼げただろうな。
ミナト : サクラちゃん、気持ちは分かるけど、その仮定はするだけ無意味だよ?
「それもそうですよねー! もし、また雷雲に遭遇した時に出来ればいいですけど……」
まぁその確率って、皆さんの反応的に低そうなんだよね。そもそも雷の適応進化をしてる状態で雷雲に遭遇する事そのものが珍しいみたいだし。それを更にもう一回は、流石に我儘過ぎるかも。
「あ、そういえば効果時間と再使用時間はどんな感じですかねー?」
かなり長めだとは聞いたけど、再使用時間は……えっ!? 8分近くあるんだけど、かなり長くない!? これってもしかして……少し経ってると考えて、今までで最長の雷纏いと同じ10分間だったりするの?
ミツルギ : 『縄張り』自体に効果時間はないぞ! 死ぬか、マップの移動をするか、モンエボを終了するか、どれかになるまでは解除にならない感じだ。
ミナト : 10分間は設置した縄張りの中にいなきゃ意味がないから、どんどん移動する場合は面倒なんだよねー。
名無しのカカシ : いつでも自由に設置や解除が出来る訳じゃないのが、地味に面倒なところ。
富岳 : まぁその辺も結局は使い方次第なんだがな。状況によって向き不向きがあるのが『縄張り』だ。
真実とは何か : それが真実なのである!
「そういう感じになるんですねー! でも、使い方次第では便利そうでもあります!」
何気に解析略化で表示されている状態異常で、上向きの矢印マークが出てるもんね! これは私のライオンのステータスが上がっている証拠!
それに今の周囲には格下ばっかりだから、状況としては向いている状況な気がするよ!
「さてと、それじゃ実際に戦ってみましょう! 進化ポイント稼ぎもやっていきましょうかねー!」
ふふーん、今の状況はそれに最適! どっちにしても10分は待たなければ、エリアボスのウサギのとこには行けそうにないもんね。……試しに使ってみてよかったー!
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