第242話 見つけたのは
ふぅ、色々と気を付けてたのに酷い目に合いかけたよー! でも、なんとか切り抜けたし、気を取り直して先に進んでいこー! ともかく足場をしっかりと確認! それ以外に余計な事はしない!
「それにしても、渓流エリアがこうも厄介だとは思いませんでした……」
どう考えても今までのどこよりも移動が大変なのさー! 割と湿原エリアも大変だった気もするけど、それ以上だよね、ここ。
ミツルギ : まぁ現実問題として、リアルで気軽に行ける場所じゃないからなー。
富岳 : ましてやライオンが通るような場所でもない。
いなり寿司 : ここって上流から入ったら、移動だけを考えるなら楽なエリアなんだけどな。
神奈月 : あー、それは確かに。
G : サクラちゃんの場合、折角のランダムリスポーンでのショートカットを川下りで台無しにした感が……。
「え、そうなるんです!? あ、今考えたらそうなりますよね!?」
ぎゃー! 確かにこの移動のしにくさを考えたら、あのランダムリスポーンってかなりのショートカットだったよ!? うぅ、川下りで遊ぶのはもっと後にすればよかった……。
「まぁ過ぎた事は悔やんでも仕方ないですね! とりあえず、次に足場が良くなる場所までひたすら進んでいくのみです!」
ちょっとずつ川の方からまた外れていってるけど、川から外れ始めるとそこそこ滑らない範囲って広くなってくるしねー! まぁそれでもどこでも通って安全って感じじゃないから、そこは要注意!
この辺、川から離れてる割にこの辺はなんか湿ってるんだもん。……あれ? よく考えたらなんで川から離れた場所が湿ってるの? んー、なんでだろ?
「あっ、なんか森の奥から細い水の流れがありますよ!?」
わわっ!? 川と言っていいのか分からないくらいの、ちょろちょろとした水の流れ! なんで湿ってるのかと思ったら、もしかしてこれが理由!?
「もしかしてこれ、森の中に湧き水か何かがあったりするんです!?」
森の方もただ森があるだけじゃないって話はそういう事なのかな? 水量は大したことないけど、細かな水源が森の中にいくつかあったりする感じ?
水無月 : 湧き水だー!
ミナト : それは見てのお楽しみと言いたいとこだけど、サクラちゃんが進む道次第だねー!
ミツルギ : サクラちゃんがどの方向に進みたいかによるな。
富岳 : このまま川の上流に進んでいって見に行かないけど、それでもどういう場所か知りたいのなら説明するか。
こんにゃく : ネタバレ厳禁ならそうなるなー。
「あ、確かにそれはそうですよね! それじゃこの細い水の流れを辿って、森の中に入って自分の目で確かめてみます!」
ふふーん、足場の悪い川を上っていくよりも、細い川とも言えないこの水の流れの方が足場は良さそうだもんね! というか、川とは言えなさそうなこの水の流れ、何か呼び方はなーい? 小川というにも微妙過ぎるんだけど、パッと思いつかないんだよね。
金金金 : ん? 何か微妙に悩んでる感じの狐っ娘アバターだな?
サツキ : これは……そこの川の呼び名に困ってるとみた! どう、サクラちゃん!
「なんで分かるんですかね、サツキさん!?」
確かに悩んではいたけども、姉さんはなんで本当になんで分かるの!? そして今のが分かるのに、時々反応に困るような内容があるのがますます謎だよ!
水無月 : その流れの感じなら、沢が適切?
石突 : 状況的には確かにこれは沢だな。
「あ、沢になるんですね。それじゃ沢の水源を見に行きましょう!」
勝手に水源って決めつけちゃってるけど、多分間違ってはいないはず! 逆に水源じゃなかったらびっくりだよ! 湧き水、湧き水ー! ちょっと移動に神経を使ってたし、この寄り道は大歓迎!
あ、場合によってはそのまま森を突っ切ってもいいのかな。今、私が歩いてるのが川の東側だから、東側に隣接してるマップに抜けてもいいんだよね。
「ふふーん、とりあえずこっちは歩きやすいのがいいですねー!」
この沢の水は渓流エリアのメインの川の方に流れ込んでいってるみたいだけど、岩が連なってる訳じゃないから歩きやすいよ! ふっふっふ、それじゃこのまま森の中へと突入だー!
「おぉ、なんか……森の中の方が歩きにくそうな気がするんですけど!?」
ちょっと待って、水が流れてきてる部分以外に通れる場所がほぼないよ!? いくらなんでも道なき道過ぎじゃないですかねー!?
ミツルギ : 渓流エリアで、ライオンが通りやすい場所などない!
イガイガ : ここって水の中を通るしかないんだよなー。
富岳 : まぁ滑りやすくはあるが、それでも渓流みたいに落ちて流される事はないぞ。
神奈月 : ここは、転んでもたかが知れてるしなー。
いなり寿司 : 沢は転んでなんぼのもんだ。リアルじゃないんだから、そこはあんまり気にしないでいい。
「あ、そうなんです? そういう事なら進んでみましょうか!」
転ぶのが大前提みたいだけど、まぁ転んでも痛みはないし、盛大に流される訳じゃないなら大丈夫かな。よし、転んだ瞬間に身構えを使うつもりで――
「ぐふっ! いきなり滑って転びましたよ!」
うがー! まさか1歩目から転ぶとは思わなかった! でも、転んだ事自体は大した事ないかも? ノーダメージとはいかないけど、転倒ダメージはほぼ無いようなものだったもん! これなら身構えもいらないかも?
名無しのカカシ : まさか1歩目から転ぶとは……。
咲夜 : 別に驚くようなことではないよなー。
G : まぁ転ぶのは今に始まった事じゃないしな。
イガイガ : 今まで何度転んできた事か。元々転びやすい場所で、1歩目から転ぶなんて想定内だぞ!
チャガ : まぁ今までの事を考えたらな……。
「ここぞとばかりに言いたい放題ですね!? 否定できないのがあれですけども!」
何度も転んだ覚えがあるから、否定できないのが悔しい! でも大真面目に、ここは転びやすいみたいだから仕方ないよね!
でも、1歩目からこの調子じゃ滑りまくって中々進めなさそう。さっきまでと違って、明確に滑りにくい場所って無いみたいだし……どうしよ? 滑りながらでも頑張って進んでみる? それか皆さんに進みやすい手段がないか聞いてみる? うん、この先は見てみたいし、今回は皆さんに――
サツキ : サクラちゃん、ちょっと動きは不格好にはなるけど四つん這いになって進むと滑りにくいよー!
金金金 : ライオンで四つん這い……?
咲夜 : 元々そうなのでは?
G : あー、ライオンだから適切な言葉になってないだけだな!
サツキ : あ、そうかも! えっと、どういえば正確? ほら、あれ! 這って動くやつ!
「もしかして、ほふく前進ですかねー?」
這って動くって一瞬虫を想像したけど、それはほぼ間違いなく今言ってる事じゃないのは分かる! 姉さんが言ってるので思い至るのはこれくらいだよね。
サツキ : サクラちゃん、それ! ほふく前進!
金金金 : なるほど、盛大に転び落ちる可能性がないのなら、そういう手段もありか。
ミツルギ : というか、それはここの踏破用の小技の1つなんだけど、ネタバレ厳禁としてはセーフなのか? ついでにほふく前進とは呼ばないな。
サツキ : ……え? あっ、そうなるの!?
神奈月 : さぁ、サクラちゃん! ネタバレの裁定は如何に!?
「あ、今回は普通に聞こうかと思ってたんでセーフ……でもないですね。聞く前だったので、サツキさんはアウトで!」
普通にセーフと言いかけたけど、聞く前に言われてるから全然セーフじゃなかったよ。聞いてからならセーフだったんだけどねー!
サツキ : そ、そんな!?
いなり寿司 : 良かったな、咲夜さん。ネタバレ仲間が増えたぞ!
咲夜 : その仲間は嬉しくないんだけど!?
「まぁだからといって特に何もないですけどねー! さてと、とりあえずそれで進んでいきましょう!」
でも、ライオンでほふく前進ってどうやるんだろ? とりあえず這って動くイメージでやってみよー! おぉ、地面に爪をひっかけて強引に引き上げる感じでかなり無理矢理だけど進んでる!
「この進み方、爪をひっかけてる感じですけど、大丈夫なんですかねー!?」
ミツルギ : まぁライオンの場合はそれがやりやすいんだよなー。
ミナト : ちょっと無理がある動かし方にはなってるっぽいけどね。
富岳 : あぁ、スパイクシューズみたいに爪を滑り止め代わりにするやつか。
金金金 : これって違うのか?
いなり寿司 : サクラちゃんのはまだ不安定だけど、基本的なやり方は合ってる。
水無月 : 何か問題あるのー?
ミナト : えっと、サクラちゃんは前脚の爪だけでやってるのが問題かなー。踏ん張れないの、これじゃ。
チャガ : だな。ほふく前進でちょっと変なイメージになったか。
サツキ : えぇ!? そうなの!?
ミツルギ : サクラちゃん、後ろ脚は普通に踏ん張るようにしつつ、爪を地面に突き刺すイメージで進めば安定するぞ。
富岳 : まぁ後ろ脚が完全に上がるから、ほふく前進とは言いにくいんだよな。
「確かに後ろ脚は全然使ってなかったです! ちょっとやってみますねー!」
えーと、後ろ脚の爪も使って……あ、確かに一気に安定した気がする! なんとなくだけど、なんか崖上りをしてるようなイメージ! うん、この調子で進んでいこー!
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