第213話 エリアボスの蝶
逃げてたトカゲを探してたら、エリアボスのLv7の機敏な蝶を発見! トカゲにはまた逃げられたけども……! ここのエリアって最大Lvは7なんだね。
それはそうとして、完全に蝶を見失ってるよ! 放電でカウンターを出来るように用意はしてるけど、びっくりするほど何もしてこない!?
「……どうなってるんですか、この状況?」
エリアボスが全然攻撃してこないとか、全然想定してなかったよ!? どういう特徴なの、このエリアボス!
ミツルギ : 機敏でもいくつか行動パターンはあるが、ここまで何もしてこないとなると隠れるのに特化したタイプのエリアボスっぽいな。
G : そうみたいだな。隠れて奇襲のパターンもあるが、それならもう仕掛けてきてるはず。
咲夜 : エリアボスで出てくるのでは珍しいやつ!
ミナト : 倒すのが一番楽なやつだねー!
名無しのカカシ : え、ある意味で一番厄介なやつなんじゃ……? 時間かかるやつだよな、これ?
イガイガ : ミナトさんって普通じゃないから……。サファリ系プレイヤーの実力派だから……。
名無しのカカシ : あー、なるほど、素でこれを見分けられる人……。それなら楽勝になるか。
富岳 : 見つけられさえすれば、この手のエリアボスは弱いからな。
ミナト : そうなるねー!
サツキ : サクラちゃん、見つけるの頑張ってー!
「むぅ……そういうタイプの厄介さですか……」
うーん、エリアボスは進化の系統の特徴が普通の敵より色濃く出るって話だけど、この蝶の場合は隠れる事に特化しまくってるって事なんだね。ミナトさんがあっさりと見つけてるのは今更な事だから良いとして、私としては苦手な部分!
「これ、さっきみたいに放電であぶり出した方が良いんですかねー?」
もう放電の溜めも最大まで終わってるし、変に探すのを頑張るよりも無差別攻撃が早い気がする!
いなり寿司 : 今のサクラちゃんの場合は、それが最善手だと思うぞ。
チャガ : マニュアル操作での広範囲攻撃は、この手のボスへ有効な手段だしな。
真実とは何か : それが真実である!
水無月 : おー、そうなんだ!
金金金 : これって『看破』で擬態を無効化……って、オンライン版とは性能が違ってる部分か。擬態状態を破る手段って何かあるのか?
ミツルギ : オンライン版だと『看破』がこの手の敵を見破る性能に変わってるけど、オフライン版じゃ攻撃を当てるのが一番早い。他に手段がない訳でもないけど。
富岳 : この手の敵は種族によっては見つけにくいって不満が大きかった部分だからな。
金金金 : あー、なるほど。
へー、オンライン版の『看破』って性能が違うんだね。確かに見つけるのは一苦労だよね、この蝶! トカゲの近くに偶然いたから存在を見つけられたけど、そうでなければそもそもこの蝶自体を見つける事が不可能だったかも?
「とりあえず、私の放電が有効だって事は分かりました! それじゃ全方位に放電です!」
という事で、最大まで溜めた状態から放電開始! 看破で見えてる範囲では周囲には他の敵はいないから、当たるのは蝶だけになるはず! これで他に見えてない敵がいるとかやめてね。ちょっと扱いが難しい感じだけど……いっけー!
「はっ! 正面にいたんですか!?」
うぅ、全方位に放電して何かに当たって電気が流れていった先が真っ正面だとは思わなかったよ! でも、蝶は見つけた! 今のでHPが1割しか削れてないって、エリアボスなだけあって丈夫だね!
「姿が見えれば動きを封じてしまえば……って、動きが速いです!?」
わっ!? 待って、待って!? 咆哮で動きを封じようと思ったら、蝶の動きが速すぎるよ!? 見失わないように目で追うだけで精一杯で、狙いがつけられない!?
「あっ、見失いました……。あの蝶、どこに行きましたかねー!?」
周りを見回してもどこにいるのかが分からないんだけど! うがー! 何も出来ないまま、また逃げられた! マップを見てみれば近くにはいるっぽいけど、これは厄介過ぎるよ!?
ミツルギ : この手の敵、そういう部分が厄介なんだよなぁ。
イガイガ : 種族によっては探すのは楽だったりするけど……。
富岳 : まぁそこまではっきりと分かる種族は限られるが……。
隠れた蝶を探すのが楽な手段ってなんだろう? うーん、純粋に気になるから、探しながら聞いてみよっと。蝶を見つける為に何か参考になるかもしれないし、そうでなくても放電を最大まで溜めて使っちゃったから、再使用したくても待たないと駄目だし……。
「この状況で探しやすい種族って何になるんですかねー? ネタバレでもいいので教えてもらっても良いですか?」
イガイガ : ヘビが『夜目』の代わりに『ピット器官』って特殊なスキルになるんだよな。
G : 『ピット器官』を使えば、サーモグラフィーみたいに見えるようになるぞ。
いなり寿司 : まぁ独特な操作感になるから、普段はオフにした方が良いやつだけどな。
チャガ : 熱で判断するから、視覚的な偽装には意味がない。
「おぉ、そうなんですか!? 随分とクセがありそうなスキルですねー!」
『ピット器官』ってなんか聞いたことがある気がする! 確かヘビが熱で感知してるとかそういうヤツで、サーモグラフィーは温度の高さで色分けしてるヤツ!
わー、ヘビってそんな見え方になるんだ! 熱で見分けるんから、そりゃ見た目とか関係ないよね!
ミツルギ : あと、コウモリだな。『超音波』ってスキルで見つける事が出来る。こっちは白黒の視界にはなるけど、敵が少しでも動くと『看破』に反映される。
富岳 : その2つが比較的簡単に見つける事が出来る手段だ。
咲夜 : 一応、他の種族でも汎用的な敵を探すスキルもあるけど、あれって使いどころが限られるからなー。
G : 今みたいな時には欲しいけど、それ以外だとほぼ死蔵になるやつか。
水無月 : おー、そんなのもあるんだね。
「おぉ、コウモリにもそういうスキルがあるんですか!? というか、ライオンでも使えるのがあるんです?」
今みたいな状況には使えそうだけど死蔵になるスキル……って、もしかして今の私でも取れたりするスキル? あっ、そういえばそれっぽいのに心当たりがあるかも!
「もしかして、そのスキルって『索敵』ですかねー?」
未成体になってから解放出来るスキルツリーの中に、そういうのがあったはず! 看破何が違うのか分からなかったけど、この状況ならそういう性能はありそうな気がする!
神奈月 : サクラちゃん、正解!
真実とは何か : それぞ、真実である!
ミツルギ : ただ、『索敵』は知恵のスキルツリーの第7段階だからな……。
こんにゃく : 確か『看破』とは別ルートだったっけ?
富岳 : そうなるな。だから、知恵を鍛えたい場合以外は未成体では取得を避ける事も多い。どこに敵がいるかの印しか出ないからな。
チャガ : 視界内じゃないと、その印自体が見えないしな。
そっかー、印が出たとしても見えなきゃ意味ないよね。看破と併用すれば便利そうではあるけど、使い所は本当に限られそう。
「というか、単純にそれって進化ポイントが足りないですよねー!? 少なくとも、今の私が取るのは無理そうです!」
第7段階の解放には進化ポイント20も必要な上に、看破とは別ルートなら前提の部分も解放しなきゃいけないもん! まだ第7段階のスキルは何も解放出来てないのに、使い所が限られるって言われたスキルに回す余裕はなーい! どっちにしても今すぐ使えなきゃ意味ないし!
「エリアボスの蝶ですけど、放電で少しずつ削っていくしか……」
あれ、ちょっと待って? エリアボスって、時間を飛ばし過ぎてなければこのエリアでの最高Lvのはず。エリアボスのLvはエリアで固定って話だったとは思うけど、初進出の今回は最高Lvと考えてもいいよね?
金金金 : ん? 狐っ娘アバターがしたり顔?
サツキ : おっ! サクラちゃんが何か思いついたね!
ミツルギ : この状況で何を思いついた?
「これを使ったら、どうなるんですかねー? 『威嚇』! そして『放電』です!」
ふっふっふ、話している間に再使用時間の過ぎた放電を使って溜めつつ、威嚇を発動! 今の私のライオンはLv6で、エリアボスの蝶はLv7! 格上に使えばが襲ってくる『威嚇』を使えば、隠れているのをやめて襲ってこないかな?
金金金 : この場合、どうなるんだ?
ミツルギ : あー、普通の敵で隠れるやつなら格上でも逃げるか隠れたままだけど……エリアボスの場合はどうなんだ?
いなり寿司 : 隠れるエリアボス相手に、『威嚇』を使った事はないから分からん。
神奈月 : 同じく!
富岳 : ……言われてみると、確かに試した事がないな。適正Lvで『威嚇』持ちの種族でプレイ中で、この手のエリアボスと戦った事がない。
G : その組み合わせで遭遇するかどうかって、ほぼ運みたいなもんだしな。
ミナト : 私もやった事ないかも?
咲夜 : 誰か、この状態を試した事がある人っていないのか!? ちなみに俺はない!
こんにゃく : 俺もない。
イガイガ : 同じく。
名無しのカカシ : 同上。
チャガ : やった事はないな。
え、あれ? この状況って、そんなに珍しい事なの? まぁ何がエリアボスになるかはランダムらしいし、そもそもこの蝶なら気付かずにスルーもあり得そうだもんね。
でも、今のところは反応なし。うーん、これは失敗だったのかな? まぁそれならそれで最大まで放電を溜めて、もう一度放つまで! それが有効なのは分かってるからね!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます