第128話 回復の手段
ふぅ、今のフクロウとの戦闘はちょっと危なかったー! 雷纏いの効果時間が勿体ないからって無理に使おうとしたらダメだねー。変に焦っちゃった! それにしても……。
「周りに飛んできてる蛾が鬱陶しいですね!? どっか行ってくださいよー!」
金金金 : それだけ蛾が集まってて、よく放電が発動にならなかったな。
ミツルギ : それなら、本人が動いて無ければ接触しないようになってるぞ。
咲夜 : そうじゃなきゃ、溜めを妨害させまくられるだけのただの嫌がらせだからな!
金金金 : あ、そりゃそうか。
チャガ : だが、マニュアル操作だと発動の際に当てないようにするのが難しいぞ。照準を使うなら勝手に避けてはくれるんだが。
「あ、そうなんです? それにしても本当に鬱陶しいですね! どっか行けー!」
もう放電はしてないんだから、どっか消えろー! 爪を振りかぶって追い払うのみ! ……よし、何体かには爪が当たって仕留めたけど、他は逃げていった!
「よーし、それじゃ次の敵を探しに出発です! 『看破』!」
移動をしながら看破で戦いやすそうな敵を探すのさー! おぉ、一般生物のトカゲを発見! ガブっと食べて少しだけどHP回復! ふむふむ、こういう使い方も便利だね!
サツキ : サクラちゃん、平然とトカゲを食べてる……。それは私は無理ー!?
ミナト : あら、意外な反応?
咲夜 : なるほど、姉妹だからってどっちも平気な訳じゃないのか。
イガイガ : どちらかというと、サクラちゃんの方が躊躇なさ過ぎるだけな気もする。
G : サクラちゃん、サツキさん、イナゴの佃煮とか蜂の子とか昆虫食はいかが?
サツキ : サクラちゃんと違って、私は無理ー!
「あのー、私だってリアルではトカゲとか昆虫とか食べませんからね? サツキさん、何をシレっと私は平然に食べるみたいに言ってるんです!?」
なんだかリアルでも平然と食べてるみたいに言われてる気がするけど、流石にそれはないからね!? イナゴの佃煮とか蜂の子とか、食べた事ないからね! ……多分、食べる機会があればチャレンジはしてみるけども。
サツキ : だって、サクラちゃんは機会があったら普通に食べそうなんだもん! よーし、今度買って送っちゃおう!
「別に良いですけど……私もサツキさんに送り返しますね? みんなと相談して、たっぷりと!」
多分、姉さんがそういうのを送ってきたらお母さんや兄さんはお礼をしっかりと用意してくれるはず! 何も私だけが食べなきゃいけないなんて理由はどこにもないから、巻き込むよ!
サツキ : それは止めてー!? え、送られてきたら私だけで食べるの!? 送らない! 送らないからー!
真実とは何か : サクラちゃんの反撃がクリーンヒットしたらしい。
ミナト : サツキさんの旦那さんからも拒否されたみたいだねー。
G : なんで避けられるかなぁ……?
イガイガ : 絶対分かってて言ってるよなー!?
というか、なんで昆虫食の話題になってるの!? とりあえず姉さんの変な思い付きは潰せたけど、これは脱線し過ぎー!
看破の効果中なのに、全然そっちに集中出来てなーい! 効果時間が勿体ないよ!?
「あ、看破の効果が切れました……。話が脱線してて、全然確認出来てないんですけど!?」
うがー! 今のは確実に姉さんのせいだー! うぅ、もう一度看破を使うには再使用時間を待たないと……。
サツキ : よーし! 話を脱線させちゃったお詫びに、私が見つけた敵を教えましょう! サクラちゃん、感謝してもいいのよ?
いなり寿司 : 元凶が言ったら、ただのマッチポンプだな。
咲夜 : それは確かに。
サツキ : えぇ!? そんなつもりはないのに!?
富岳 : またフクロウで良ければ、左上の木の枝に止まってるぞ。俊敏のやつだ。
サツキ : あー!? 言われちゃった!?
「うーん、フクロウですか」
さっき戦ったばっかだし、またフクロウかー。うーん、別にフクロウを避ける理由もないけど、同じ敵を連続でっていうのも……。
もう19時を過ぎて配信時間は半分以上経ってるし、そろそろエリアボスくらいは見つけたいなー。進化ポイントやLv上げは実況外のプレイでやればいいし、ここは探索を優先しようかな?
「流石にそろそろエリアボスを見つけたいので、今回は申し訳ないですけど、そのフクロウはスルーでいきますね」
富岳 : 了解だ。
ミツルギ : サクラちゃん、ここからは探索優先か?
神奈月 : エリアボスを見つけたいって事はそうなるか。
「はい、そうしていこうかと! 今度はお試しも兼ねて疾走と看破を一緒に使ってみます!」
なんだかんだで森で走ってても転ばなくなってきてるし、今の私なら大丈夫なはず! 理由さえ分かったら、ちゃんと改善は出来るのですよ!
ミナト : 森での走り方も分かってきたみたいだし、良いんじゃない?
咲夜 : 方針はサクラちゃんが自由に決めればいい!
真実とは何か : それぞまさしく真実!
チャガ : それなら看破の再使用時間が過ぎるのを待つんだな。
「そうするつもりですけど……ちょっと時間は勿体ないですね。近くに採集場所でもありませんかねー?」
HPは3割くらい減ってる状態だから、どこかで全快にしておきたいよね。まぁ持ってる果物を食べればいいんだけど、あるからって使い過ぎても駄目だもん。出し惜しんで死ぬのも駄目だけど!
ミナト : んー、流石にここから見えるとこにはなさそうだね。
神奈月 : ミナトさんで見つけられないなら、無いんだろうなー。
ミツルギ : ま、生命……HPは減ってるし、止まって自然回復でも良いか。
あ、そっか。放っておいてもHPは回復するんだから、ただこうして待っている事も全く無意味な訳じゃない! ただ休むだけだと配信的には微妙だから、ちょっと雑談でもしてようかな?
「そういえば、さっきのフクロウってLv15でしたけど、(上限)って表示は無かったですよね? 看破では表示されないとかあったりします?」
今ふと思ったことだけど、これは確認しておこう! 多分Lv15が成長体の上限ではない気がしてるけど、これで実は看破ではLv上限が分かりませんだったらそこは気を付けないといけないしね!
サツキ : それなら成長体の上限Lvを……もがっ!? え、何!? え、ネタバレ厳禁? あ、そうだった!
ミツルギ : ……なんだか危うく盛大なネタバレが放り込まれそうだったけど、セーフだな。
「……サツキさん、私の配信を邪魔しに来てるんですかねー?」
姉さんとしてはマイペースで動いてるだけだと思うけど、実態としては思いっきり邪魔してきてるよねー!? これは配信が終わってから、やっぱり兄さんに相談すべき案件かなー。
でも姉さん対策ってどうやればいいんだろ? 流石にブロックに入れるのは悪いと思うし、こういう時に悪気が無いのも良く知ってるもんね……。うーん、だからこそ厄介。
サツキ : そんなつもりはないよ!?
神奈月 : あぁ、本人には一切悪気がないやつか。
イガイガ : 厄介なパターンだなー。
サツキ : え、私って厄介なの!? 思いっきり頷かれたー!?
ミナト : えっと、看破でもLvの上限表示は出るよー! だから、サクラちゃんが成長体の上限Lvがいくつなのかを知るのはそのLvの敵を見つけた時か、その前に自分で到達した場合だねー!
富岳 : まぁ自分のLvの到達より先に、敵で見つける可能性の方が高いだろう。
「なるほど、そういう形になるんですね! ありがとうございます!」
これでとりあえず成長体のLv上限は15よりも上なのは確定だね! 流石にLv17とかLv19とか中途半端なところが上限になってるとは思えないから、可能性があるとしたらLv20かな?
うん、それくらいであれば頑張ればなんとか進化に必要な進化ポイント45は溜められる……溜められるかなー?
えっと、最低でもLv5は上がるから、Lvアップの時の進化ポイントは10手に入るよね? 今の進化ポイントは8になってるし、Lv20までに結構な数の敵は倒すし、余裕はあんまりなさそうだけど大丈夫そうではあるよね!
「さてと、そうしてる間に看破の再使用時間も過ぎたのでエリアボスを探しに出発ですねー!」
サツキ : サクラちゃん、私って厄介なの!?
えぇ、あえてスルーしてたのに、姉さんはわざわざそこを聞いちゃうの!? むぅ、その質問自体が既に結構厄介なんだけど……よし、容赦なく言っちゃえ! 旦那さんもいるし、大丈夫!
「少なくとも、今は相当厄介です! 黙ってるって言ってたのにいつの間にか復活して、さっきもネタバレしようとしてましたしねー!」
サツキ : ガーン!? は、反論が出来ない!?
ミツルギ : サクラちゃん、容赦なく言った!?
金金金 : でもまぁ事実だしな。
イガイガ : ぶっちゃけ、配信者によってはブロックされてるよな?
咲夜 : 確かに……。
いなり寿司 : ネタバレ厳禁の配信で、口を滑らせたのならともかく思いっきりネタバレを言おうとするのはなぁ……。
サツキ : サクラちゃん、これからは気を付けるから、ブロックは止めてー!? それは心が折れるー!?
「今のところ、流石にブロックまでする気はないですよー。でも、ネタバレ厳禁以上にリアル情報は禁止で!」
サツキ : はい……。
地味に私のリアル情報と姉さんのリアル情報には繋がりがあるんだから、その辺は注意して欲しいとこだよね!
よし、後で姉さんにも兄さんお手製のネット上でのリアル情報の取り扱いの注意点のマニュアルを送っちゃおう! ……もう持ってそうな気もするけど。
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