第35話 ☆平穏の終焉
決意してからの変化は明らかだった。
私の見た目は少しずつ変貌していく。
髪の毛は綺麗な黒髪から茶色に染まり。
あまり貴金属は身に着けていなかったのに指輪やネックレス、イヤリングをつけるようになった。
真秋に何かを言われた時には、以前買っておいたけどつける機会もなかたけど、勿体ないしつけるようにしたと言う心算だった。
実際ちょっとしたイメチェンをしてみたという私の言葉を鵜呑みにしてくれている。
私は見た目を変える事で生まれ変わった安堂ともえとなり、計画を遂行する。
少しだけ出てきたお腹を誤魔化すために、真秋とハッスルする時は多めに食事を取る事にした。
でも、あぁ。なぜだろう。
真秋とハッスルしても満たされる。
これで真秋と関係を続けていて満たされなければ、きっちり別れられるのに。
気が付けば私は少しギャルみたいな見た目になっていた。
それとなく真秋は前の方が良かったみたいな意見を言ってくる。
黒髪が良いだなんていつの時代の人間だよ。
私は段々態度や物腰も変わっていった。
気が付けば真秋と会う回数が減っていた。
12月はデート2回、泊まりは4回にまで減っていた。
クリスマスには動物公園でデート。
24日は真秋との日だった。アトラクションを楽しんだ余興に、観覧車では身体を寄せてぱっくんちょした。
性なる夜にイルミネーションを見ながら真秋が告白してくる。
神秘的な光が後押ししてくれていたのかもしれない。
「俺達そろそろ結婚を視野に考えても良いんじゃないかなって思うんだ。」
ついに真秋からその言葉が発せられる。
私がそれで?と聞き返すと、真秋はきちんと言い直した。
「俺と、結婚してください。」
色々な意味でも待ち望んでいた言葉を、ついにというかようやく口にしてくれる。
もちろん私は満面の笑みでこう答える。
「よろこんで!」
嬉しさと切なさと、貴志の計画通りの言葉に私は涙し、微笑んだ。
それが真秋には泣き笑いにとれたようで、感動して喜んで嬉し泣きしていた。
帰りにステーキを頬張り、ケーキを食べた後真秋に美味しく召し上がられた。
ちょっとお腹の膨らみに違和感を感じた真秋に指摘されたけど、肉を食べ過ぎたと誤魔化したけれど。
飲み物を取りに行ったときに思わず「やっべ」と口に出してしまった。
年越しハッスルを経て、指輪を買いに行く。
日本ぽいのが良いとなって、ダイヤの中心に桜の花びらが見える、さくらダイヤモンドで指輪を作る事に。
私の体調を気にしてくれた真秋に勧められ病院に行く事になった。
こんなところでバレるわけにも行かないので一人で行く事にした。
そして貴志の立てた計画通り、このタイミングで妊娠3ヶ月と伝える事にする。
そうすれば大体温泉旅行時期のハッスルの時に出来ちゃったという計算でやり過ごすことが出来る。
安堂家に来た真秋は悠子の案内で私の部屋で妊娠3ヶ月の報告をすると、とても喜んでいた。
本当は貴志との子供なんだけどね、それを知ったら真秋はどうするだろう。
悠子はどうするだろう。両親は……
真秋は喜びのあまり、そのままの勢いで私の両親に結婚させて欲しいと頭を下げにいった。
その日一日は家族全員で祝福してもらった。
ちくり……としたのは最初だけだった。
急いで貰った婚約指輪を嵌めて、真志と産婦人科へ定期診察を受けに行った。
順調な事を確かめると、下手なモノを見せないために早々に診察室を出ようと思った。
ちょっとトイレへ行くといって私は先に出て行った。
真秋が診察室に残っている事に気付かずに。
―――――――――――――――――――――――――――
後書きです。
次から真秋視点に戻ります。
17話の続きとなり、犯人捜しが始まります。
探偵はXYZよろしく有能です。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます