ご縁があり、この物語に出会いました。読み終えましたので、レビューさせていただきます。
「死」というテーマを扱ったこの短編。短い物語の中に登場人物達の葛藤、思い、そして激しい感情。
そんなものが、誰の心の中にもありそうなそんなものが、シニガタリを呼びます。
起承転結がお見事で、特に物語の「転」となる部分では、本当に驚きました。まさかそんなことであるとは……。
そして小さいですが、登場キャラクター達が、少しだけ前に進めそうな、希望となり得そうな最後。そんな余韻の残し方もお見事でした。
短い物語の中に濃密に詰まった、生きることと死ぬことの物語。
他の皆さまも是非読んでみてください。
「死にたい」なんて誰でも一度は思ったことがあるのではないでしょうか?
この作品はその「死」について描かれたお話です。
学校という狭い世界を舞台にして少年少女のリアルな「死」に対する思いと「生きる」ということがとても素晴らしい表現力で書かれています。
この「生きる」というスパイスを入れることによって、より「死」を感じさせてくれる又は考えさせてくれる作品と言ってもいいでしょう。
たった一話の中でこれ程まで「生と死」、「愛情と憎悪」を見事に描かれている作品はなかなかないのではないでしょうか。
そして明かされる人間が持つ狂気の恐ろしさ。
もう一度書きます。
これだけの要素が「たった一話の中」にすべて書かれているんです!
正直なところ、ラストでは背筋がゾクッとしました。
この作品はけっしてホラーじゃありません。
しかし人の心を震え上がらせる何かがあるのです。
貴方の心の中に「シニタガリ」はいませんか?
油断しないで下さい。
「シニタガリ」はいつか貴方を狙ってくるかもしれませんよ?