第12話 想いは唐突に
予定時間を過ぎてもなお、なぜか進行をやめないおせっかいな司会のせいで、観客からの彼女への質問は終わらない。彼女は真摯に、そして平等に答え続けた。
その空気に後押しされた僕も、つい質問してしまった。僕の顔が画面に大写しになり、初めて彼女が僕を見た。僕だけを見つめた。そしてやはり、彼女は僕の質問に真摯に答えようとした。それはあまりにも平等だった。
彼女が僕の質問に答え終わった後、僕は謝意を述べた。そして唐突に、想いを告げた。
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