他者は毒だ。幼いうちに出会えなかったら、どんなに好きでも報われない。
三歳までに出会わなければ、わたしはあなたにとって毒になる。
十二歳までに出会わなければ、あなたはわたしにとって毒になる。
突如現れた毒によって、世界には見えない線が引かれた。他人と身内はあきらかだけど、人の心はそんなに簡単ではない。
自由に他者と交わる社会から、限られた身内にしか素顔をさらせない世界へ。長い過渡期に生きる八人の群像。
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[朝読小説賞用記載]
主人公:(連作短編のため複数。一章より順に) 12歳、32歳、15歳、16歳、28歳、28歳、18歳、26歳
朝読小説賞キャッチ: 他者が毒になる世界。それでも人は繋がりを求め、想いあう。