第162話ゴリラ並みの握力
◆
「明日は一日自由時間とする」
「「「「やったぁーーーーっ!!」」」」
夕食も終わり魚料理も美味しかったのだがマカロニサラダもあれはあれで美味しかった。
できる事ならばお腹いっぱいマカロニサラダを食べてみたい物だ。
特にマヨネーズという白いソース、あれだけを舐めてみたいと思うほどにはわたくしはハマってしまいそうですわね。
等と食後の余韻に浸っていると旦那様が、明日の日程は各々自由時間だと言うと、それを聞いた使用人達から歓喜の声が聞こえてくるではないか。
特にルルゥに至っては「これでようやっと秋葉原に行けるっ!!」と言いながら泣いている姿が目に入って来るし、「シャイニーズ・ジュニアのグッズを漁る戦に赴く準備を早急にしなければ」という声が耳に入ってきたりする。
『あきはばら』や『しゃいにーず・じゅにあ』が何なのかは分からないのだがあそこまで喜べるものとなるとやはり気になるというものであろう。
「ダメですよー、奥方様。彼らはもうこちら側に戻ってこれない向こう側に行ってしまわれている人達ですので。あ、申し遅れました。私は日本でシノミヤ家に仕えている使用人の一人、高城詩織子と申します。気軽に『しおりん』と申してくださいな。因みに山田杏奈とは幼いころから腐れ縁で小学校から大学まで学年こそ私が二つ上ですが同じ所に通ってました。なので山田杏奈に嫌な事をされた時は遠慮なく私まで言って頂きますよう何卒宜しくお願い致します」
「こ、こちらこそよろしくお願いいたしますわ。えっと────」
「────しおりんです」
「────し、しおりん」
そして、彼女達と違い行きたい場所すら分からないわたくしは、明日一日どのように過ごそうかと悩み始めたその時、高城詩織子ことしおりんさんが話しかけてくる。
どうやらしおりんは山田杏奈とは小さい頃より知り合いらしい。
親しい(とわたくしは思っている)友人二人を失ってしまったからだろうか?お互い二十歳を超えても切れない友人関係が、なんだか無性に憧れてしまう。
「騙されちゃいけないからねっ!!奥方様っ!!この高城詩織子という女は一見物腰柔らかそうでお人よしそうな見た目ですが、その中身は蛇の様は女ですからららららららららっ!!?痛い痛い痛い痛い痛いっ!!頭をゴリラ並みの握力で締め上げるの辞めてっ!!頭の骨が冗談抜きでがミシミシ言ってるのが聞こえてるからっ!!」
「おほほほほほほほほっ。やだわぁー杏奈ちゃん。この私に向かって蛇だなんて」
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