第149話神々が住まう国なのでしょうか
そしてわたしがそう言うとモーリーは「そうなんですよっ!!」と身を乗り出して来る。
「絶対私のお父様は何か知っているにも関わらずこの愛しい愛しい娘である筈の私がそれについて教えて欲しいと何回聞いても「箝口令が命じられているから例え可愛い我が愛しの娘であろうとも話す事は出来ないんだ」としか言わないんですよっ!!それがシャーリーの事に関する事なのか、我が男爵家の事なのかくらい教えてくれても良いと思いませんかっ!!」
「そうですね。モーリーがシャーリー宛の手紙をシノミヤ家へと送る事を止められなかった事と、モーリーのお父様の落ち着きようからもしかすればシャーリーの身はある程度安全であると思っても良いのかもしれませんね、しかしながら、例えシャーリーが生きており、そのままシノミヤ家へと嫁いだ場合、あの噂のシノミヤ家です。悪い噂の絶えない変態で有名な当主へと嫁いだらどうなるのか………。もしかしたらシュバルツ殿下の本来の目的はこっちなのかもしれませんね」
「殺されるよりマシとはいえ、あんまりにも酷過ぎる仕打ちですね………」
例えシュバルツ殿下と公爵家がシャーリーの命を狙って暗殺部隊を送っていなかった場合であっても、どの道シャーリーの未来が不遇である事には変わりないではないか。
そう思うとシャーリーの無実を証明する事もせず、シャーリーの言い分は聞かず、ぽっと出の女に骨抜きにされて、その女のいう事を鵜呑みにして、皆が見ている前で一方的に婚約破棄をした上に、新たに決まった嫁ぎ先が変態として有名かつ王国でも僻地にあるシノミヤ家という扱いに、シュバルツ殿下及び公爵家に対する怒りと憎しみが膨れ上がる。
そして私たちは無実の罪を被せられ婚約破棄された親友について、私達には一体何をしてあげられるのだろうかと夜が更けるまで話し合うのであった。
◆
「こ、ここ『にほん』は賢者様や神々が住まう国なのでしょうか………」
わたくしは今天高くそびえたつ『びる』という建物、そして『すかいつりー』や『とうきょうたわー』といった塔を見て頭の中が情報過多によりどうにかなってしまいそうである。
むしろ本当にここ『にほん』が神々の済む世界であると言ってくれた方がまだ納得できるというものだ。
あのような建物など王国では作れよう筈もないことくらい、建築の世界に疎いわたくしであったとしてもそれくらいの事は理解できる。
そもそも作れたのならばとっくに王族用などに作っている筈であり、無いという事は作れないという事の証明でもある。
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