第107話悪役令嬢
そしてわたくしは更に言葉を続ける。
「そして、他の攻略対象は我々『マル秘・旦那様と奥方様をくっ付ける会』には関係無い為後で纏めて資料を出しますので説明は省かせて頂きますが、このメインの攻略対象となる第一王子であるシューバルツ殿下なのですけれども似てないですか?」
「いや、確かに名前と顔は似てなくも無いけれどもそれだけで判断しろというのは些か無理があるのでは?」
「確かにこれだけじゃねぇ」
私の説明に対して聞いていた使用人達は皆懐疑的な表情をしていた。
当たり前である。
私だってこんな説明で終われば皆と同じような反応をするであろう。
「もちろん、それだけの事でわざわざ皆を読んだのだと思われては少しばかりこのルルゥ、心外ですね」
そしてわたくしは語り出す。
「この乙女ゲーム『ずっと君だけを見ている』で出てくるライバルである悪役令嬢、その名前はシャーリーンという名で公爵家の娘。ヒロインの攻略ルートがシューバルツ殿下で確定した場合、婚約者であるシャーバルツ殿下を奪われた後は辺境領主へと半ば無理矢理嫁がされるのです。それだけではありません。この乙女ゲーム『ずっと君だけを見ている』に出てくるキャラクター達の全設定と世界観、裏設定全てを纏めたものをコピーしてきましたので一度皆様こちらの資料に目を通して下さい」
一枚一枚使用人達へとプリントを配り終えると「そんな」「まさか」「いくらなんでも……」と言った声がちらほらと聞こえてくる。
それもその筈で全登場キャラクター、モブキャラに至ってまでその家系を含めて今現在の王国の貴族、そして王国立魔術学園の生徒と当てはまるのである。
多少名前が違っているもののそれでも一文字二文字くらいであり、それら以外
当然当てはまっているのは貴族や学生達にその親族だけではなく、過去起きた王国の出来事までその起きた年代までピッタリとあっているのだから、もはや私の話を眉唾物と笑う者は居なくなった。
そんな中、使用人の一人がおずおずと手を上げて発言する。
「あのー………流石にこのゲームと王国との類似点が多いと凄いを通り過ぎて些か気持ち悪いのですけれど、今このゲーム『ずっと君だけを見ている』でいう所のシューバルツ殿下編で進んでいると見て良いのでしょうけれども、悪役令嬢であるシャーリーンについては辺境の地へ嫁ぐとしか書いていないのですが………」
「良い質問ですね。実はこの乙女ゲーム『ずっと君だけを見ている』なんですけれども悪役令嬢であるシャーリーン人気があまりにも高く、アニメ化も果たして地上波が終わった後に劇場版で何とシャーリーンのその後が描かれたストーリーが上映されたのですよ」
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