第4話 17年越しのラブレター


 〜14年前〜

 俺は18歳の俺になっていた。

 目の前には18歳のなごみがいる。

 なごみに元彼とヨリを戻す相談を受けた、

あの時だ。



 「そっかぁ、そうだね(>ω<)!

  それがいいのかも(>∀<;)!!」

 なごみの表情が浮かない。

 「じゃあたもつも賛成してくれてるし、

  今日は行ってみることにするね(∀;)、、!」

 なごみは笑顔だけど、すこし涙を流した。

 「なごみ、どした??」

 今の俺にはなごみがなんで泣いているのかが

わかっている。

 「んーん!大丈夫( *`ω´)。!!

  じゃあ、今日は一緒に帰れないけど、、

  行ってくるね!」


 「待ってなごみ!!」

 あの時言いたくて言えなかったセリフだ。


 どう話始めようか。。

 「おれ、タイムマシンを作るって騒いでたの

  覚えてる??」

 さっきは少し泣いていたはずのなごみが

呆れ顔しながら笑っている。

 「どしたの急にw

  なんの話??」

 実はいつもの俺となごみの会話はこんな感じ

なんだ。

 ツッコミまないで流してほしい。

 「実は今から何年か後にできるんだ、

  タイムマシン。」

 なごみは立ち止まって俺の話に興味を示した。

 「え!すごいじゃん!!

  、、、ん?

  てかなんでそんな事わかるの??」

 ビックリするくらい素直ななごみは、こんな話も

まず信じる。そこがまた可愛いんだが。。

 「俺今中身だけ14年後の未来から来てるんだ。

  32歳の俺なんだ。」

 なごみは驚きながらもそのまま話を聞いて

くれている。

 「そうなんだ!

  で、32歳のたもつはなんで私のところに

  来たわけ^ ^?」

 ここまで素直に信じてくれると、不安になって

くるが、俺の話はいつも真剣に聞いてくれるのが

なごみだ。

 「なごみの気持ちに応えたくて、

  俺も自分の気持ちを伝えたくて、

  この瞬間に戻ってきた。」

 なごみの頬がまた緩んだ。

 「たもつの気持ち??」

 俺は最後に行ったカラオケまでの話をなごみに

話した。

 なごみの子供達や俺の子供達の名前、その他の

俺の妻になる人やなごみの夫になる人の名前は

伏せて。


 この先は少し2人の会話だけを書いていく。


な「 そっかぁ。。

  ...もう隠さないけど、私やっぱりその頃でも

  たもつが好きなんだね。」

俺「 カラオケでまた泣かせちゃうまで勇気が

  出なかった。」

な「 うん、たもつが何をしに未来から来たのか

  わかった。

   聞かせて^ ^?」

俺「...まずは今までごめん。

  お前とこの関係が終わるのが怖くて、

  言い出せなかった。

   今までって言っても、今のなごみからする

  と、、、」

な「 そこはイイよwww!!

  変なとこ気にするんだから。続き話して?」


to


俺「 そうだな^ ^;

   ...俺、初めてお前にあった16の時からお前が

  好きだった。

   一目惚れだったんだ。

   仲良くなっていつも一緒にいても、お前に

  見つめられるたびに最初と変わらないくらい

  ドキドキしてた。

   そのあとも、微妙な関係が続くんだけど、

  余計に本当の気持ちが伝えられない状況に

  なって、我慢し続けて、めちゃくちゃ

  辛かった。

   なごみの全部が今でも好きだよ。

  出会ってから17年間変わらず。

  なんならだんだん想いが強くなってる

  くらいだ。」

な「 うん」

俺「 なごみが俺を見つめる眼が好きだ。

   なごみが俺と話す時の優しい声が好きだ。

   いつも元気に笑ってるなごみが好きだ。

   怒ってる時も泣いてる時も、可愛くて

  ニヤケそうになるのを我慢してるくらい

  好きだよ。

   なごみのどんな事でも真剣にぶつかって

  いくところも好きだし、そういう考え方が

  できるところも尊敬してる。

   みんなに優しいところはちょっと嫉妬する

  けど、俺にはもっと優しくいてくれる所が

  好きだ。

   他にもなごみの全部が好きだけど、それは

  もしなごみさえ良ければこれから話させて。

   ただ1番好きなところはね、

  俺の事をいつも考えてくれていて、俺が

  やりたい事や言いたい事、全部口にする

  前にわかってくれる所なんだ。

   なごみがそうしてくれるから、

  俺もなごみが考えていること、全部わかる

  ようになった。」


from


な「 うん。ありがとう。

   本当はたもつの気持ち、わかってた。

   でも、たもつから言ってほしくって。

   私もおんなじだよ。初めてあった時から

  あなたのことがずっと好き。

   たもつの全部が好き。大好きだよ。」


 なごみは泣きながら喜んでくれた。

 最高に幸せな瞬間だった。

 「良かった。俺もちょっと泣きそう。。

  初めて言えたよ。この17年間想い続けて。

  ようやくスッキリした^ ^!!」

 涙を拭って俺になごみが問いかける。

 告白の前の涙とは別の涙だ。

 「それで^ - ^?私はどうしたらいい??」

 俺はタイムスリップの残り時間が少ないことを

説明し、なごみにこう頼んだ。

 「今話してる俺が未来に戻ったら、俺の中身は

  また、18歳の俺に戻る。

  そしたら教えてやってくれないか。なごみが

  俺を好きでいてくれてる事を。

  18の俺はさ、なごみをとの関係を失いたく

  ないって、そればっかり考えてて臆病だから、

  なごみが後押しして欲しいんだ。」

 なごみがクスっと笑った。

 「やっぱりたもつは大人になってもたもつだね。

  もうそうするつもりだったから心配しなくても

  いいってば^ ^!

  本当は今のたもつにも自分から言って欲しい所

  だけど、わかったよ。

  さっき大人のたもつから言ってもらえたから

  満足した(*^ω^*)!

  ねぇでもさ、私が今のたもつに好きなんだよ

  って伝えたらなんて言ってくれるのかな??」

 その答えなら知っている。

 俺はなごみからこの相談を受けた時、引き止めて

想いを伝えるか迷っていたんだ。

 「多分お前から好きって聞いたら、今俺が

  言った事とほとんど同じ事を言うと思うよ。

  よっぽど言うの我慢してるから^ ^;」

 なごみが今までで1番嬉しそうな笑顔で

こう言う。

 「へぇ〜?じゃあもう一回今のたもつから同じ

  告白が聞けるんだ(〃ω〃)

  また泣いちゃうかもだけど、嬉しい(≧∀≦)」

 そろそろ元の時代に戻される時間だ。

 「じゃあそろそろ俺は元の時代に戻るから頼む。

  これから先はもう寂しくさせないから!」

 なごみが笑いかける。

 「うん!任された!!

  じゃあ多分今話してるたもつが戻ったときは

  そばに私がいるって事だね。

  来てくれてありがとう。

  向こうで私待ってるよ!また14年後ね!!」




 〜現在〜

 ふと目が覚めるといつもの朝だった。

 隣ではなごみがまだ寝息をたてている。


 ...ん?


 「やばいやばい!

  なごみがまだ一緒に寝てるってことは寝坊だ!

  急いでなごみも起こしてやんなきゃ汗」

 慌てている間になごみが目を覚ます。

 「もう!朝からうるさいなぁ。。

  今日は土曜日だよ、お仕事は休みでしょ??」

 寝ぼけてたみたいだ。

 すっかり勘違いしていた。

 「そうか、、びっくりしたぁ〜」

 なごみが優しく俺の頬に触れる。

 「慌てん坊^ ^

  今日も愛してるよ。おはよ(*^ω^*)」

 見慣れた笑顔。

 俺はこの笑顔に毎日癒されている。

 「おはよ。

  俺も愛してる〜(≧∀≦)」

 抱きつく俺を抑えてなごみが言った。

 「今日は友達来るって言ってたでしょ!

  休日だからって言っても

  もう準備始めなきゃ!!」

 少ししょんぼりしてる俺になごみが続けて

問いかける。


な「ねぇ、昨日の夜昔の夢見てたんじゃない?」

俺「なんでわかった??寝言言ってた!?」

な「違うの、なんとなくそろそろかなって」

俺「なんだそれw

  そうだ、昔お前に告白された時の

  夢見たよ^ ^?」

な「違うよ!あれはたもつが先に告ってきた

  もん!」

俺「えぇ〜そうだっけぇ??」

な「しかも、私も好きって言った後、もう一回

  告られた(〃ω〃)!」


 なんだかなごみのニヤニヤが止まらない。

それもまた可愛い。


 そうこうしているうちに、友達夫婦が遊びに

来た。

 元は札幌にいた人で友達の友達として知り

合った。

 こっちで仕事をするため最近引っ越して

きたんだ。

 彼らには2人の子供がいて、俺達夫婦の子供とも仲が良い。


 俺  「今日もいっぱい遊ぶぞ〜!」

 子供達「イェーい(*≧∀≦*)!!」


 家族ぐるみで付き合いができる友人がいる

というのはすごく幸せなことだ。

 これから先の人生も、こんな仲間にかこまれて

そして、なごみのそばにいられたらそれでいい。


 俺にとって1番幸せなことは、

なごみのそばにいられることなんだ。



あとがきへ続く

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