第十三節:フォウ

 魔導転移門を使いご挨拶に行くことも増えたため、基地施設内に魔導転移門を置くことになった。


 これによりいままで掛かっていたギルドシティーに戻って資格を受験しなければならないときや、斑鳩いかるが国ニス家に行って子の成長報告等や皇位継承の順の発表式に行かなくなければならなくなったりした。


 それらを簡易にできるようになっていったのである。


 部隊員の出張にも使えるようになって行ったのである。


 グランシスディア連邦共和国の各シティーに展開する支部隊の長を集めてグランシスディア・ゼロで会議なども行われたりした。


 


 会議の場で、グランシスディア・フォウに程近い山間部の国境地帯にもう一つ軍団規模の所属不明戦闘勢力が存在することなども分かった。


 グランシスディア・フォウに展開するのは一個大隊クラス四十八機の支部隊であった。


 指揮官はセイジロウ・ワタヌキで、統率がかなりとれている部隊であった。


 ただ機種がバラバラでグランシスディア・ゼロ程、統一が取れてなかったのであった。


 ほとんどをナイツの腕で、持たせているといった情報も得られた。


 こういう関係から、ある程度大きい支部隊の基地には基本的に人用の魔導転移門が必須で物体移動用の大型転移門まで必要ということになって行ったのであった。


 近くにいる勢力がどこのものかはっきりと分かっていない、というところも含めて最低でもギルデュースの展開が必要だという情報も挙がって行った。


 グランシスディア・ゼロは基本現状維持で、グランシスディア・フォウにはギルドナイツから一個大隊のギルデュースが出ることとなった。


 そしてグランシスディア・フォウにも機動歩兵と艦船の展開が必要だと思われた。


 最低でもL(ラージ)-FPT(フライングパワートランスポーター)-AGC(強襲揚陸艦)型を二艦ほど配備する必要が出て来たのであった。


 その話も込みで、開発局はそれなりに忙しくなったのであった。


 機動歩兵はグランシスディア・ゼロに展開中の部隊と同様なものが、一個中隊程度配備されることが決まったのであった。


 そしてグランシスディア・フォウでも、階級制度の配備も徹底されることになった。


 大隊指揮官は中佐なのでセイジロウは中佐ということになったのであった。


 後はそのまま階級が決まっていき、ギルデュースの展開と同時に艦艇を出すということが決まって行った。


 機動歩兵部隊は艦艇と一緒で二個中隊と決まったのであった。



 会議が終わって解散すると、「部隊運用のコツを聞かせてもらえないか?」とセイジロウからいわれたのであった。


「必要なときに必要な部隊を動かせること」と答えたのであった。


 実はこれがかなり重要であったりするのである。


 無駄打ちや、必要十分すぎてもいけないわけだ。


 程よく適度に、部隊を展開するそれが指揮官には求められる。


 ということを伝えたのであった。


 そして会議が終わって戻ると、赤子が泣いているのだ。


 どうやら泣き止まないらしい。


 これを持って、基地施設内に何か居るのかと思ったのだがそうではなかった。


 私の勘はさえずらなかったし、何よりもアスカがいないからではないかと思われた。


 私が抱き上げることによって泣き止んだが、泣いているのは志乃だけでは無かったのだ。


 華那子も正彦も泣いているのである。


 オシメかとも思ったがそうではなかった。


 クララにこの場は任せ、アスカを基地内通信で呼び出した。


 アスカを見かけたものは直ぐに私に報告してくれということにした。


 直ぐに発見報告が上がって来た西側ゲートにて数分前に通過したらしい。


 シティー内部にロイヤルガード三名と向かったとのことであった。


 今度はロイヤルガードの位置確認をした。


 ロイヤルガード六名はまだ基地施設内にいるということが分かった。


 今度こそ勘が、いやな方向を指したのであった。


 さえずっていない。


 しかし放置はできない、ナイツで外回り警護が可能な部隊を呼び出した。


 すると、外回りの検問にアスカが引っかかっていることが分かったのだ。


 直ぐに行く旨の指示をして引き続き留めるようにいっておいた。


 そして私は可能な限り急いで検問所に行った。



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