第六節:蘇り3:リハビリからの転院と情報の共有

 そしてエリー嬢のリハビリが次の日から開始されることになり、黒騎士様に直接電話を直ぐにかけられるように、エリー嬢の枕元まくらもとにベース直通で黒騎士様の部屋にしかかからない設定の専用魔導電話が設置された。


 それを行ったのは、アスカ嬢でありそれを行っている最中にエリー嬢に聞かれたこともあった。


 それには素直に答えるアスカ嬢の姿を見られたのであった。


「それと、クララさんは分かるのですが、こちらの方は?」とワルキューレ嬢に話を振ったところ、ワルキューレ嬢が礼節れいせつのっとった答えを返した。


「私はアスカ・アラ・ニス様のパートナーでEvNRエボリューションニューレースのワルキューレ・レネスハートと申します。以後お見知りおきを」と綺麗きれいに返したのであった。


 そして来るときと同じように、帰る時も同様の順でディシマイカル侯爵の居城から出て帰ったのであった。


 その頃、基地側では問題にならない問題が少しあったが、警備部門だけで対処ができたため報告は行われたが、その対応で問題ないということになったのであった。


 また数多くの幽霊リザードナイツが侵入を試みたのではあるが、攻守防壁ゲートレーザーでカッティングされ肉の塊となったのは言うまでもないことであった。


 侵入できたものはおらず、逃げられたものも居なかったため大きな問題にもならなかったのであった。


 侵入しようとしたゲートは三ヵ所全てであり、一斉攻略いっせいこうりゃく仕掛しかければ何とかなるものと思っていたらしいことが分かった。


 全ゲートが全てに置いてレーザーゲートに代わっているとは、思わなかったらしい。


 私の勘のさえずりの原因はどうやらそれだけであったようである。



 新型レーダーにも、影すら出ない日が二週間たった。


 師匠はウキウキ気分で、エリー嬢から毎日電話がかかってくるのを待っていたらしい、今日もかかって来ており「明日にはそちらに転院しますから受け入れ準備をお願いします」と言うものであることが、私のほうに知らされ、当然ヨナ様直通でオーロラビジョン・カードを一枚手配する話になった。


 エリー嬢はずっと生きていて仮死状態にあったことなどを話し、死亡していなかったという旨の話をしたのであった。


 それにより戦死判定が不明瞭であったモノがはっきりと生きていることに代わりオーロラビジョンのカード発行へ手続きができたのであった。


 またギルド基地病院の転院先の病室も、師匠と並びで二一〇号室ということになりよりよい環境でリハビリができるようになったとのことであった。


 迎えに行くのは仰々しくしてもいかんので、ガーディアンズ二名とクララ中将に任せることにした。


 なのでリムジン一台護衛二名という状態ではあったが、次の日にサックリと迎えに行き必要な全ての物を一緒に持って行ったのであり、クララ中将のほうでディシマイカル侯爵に私からの礼の一文が手渡され走る車中においてオーロラビジョン・カードがエリー嬢に手渡されたのであった。


 師匠の分とエリー嬢のオーロラビジョン・カードの年会費は、基本的に私の財布から出てはいるが問題の無い範囲でのものであった。



 余談ではあるがクララ中将のカードは侯爵位が、決定した段階でブラックオニキス・カードに格上げされており特に問題が無かったということは告げておかねばなるまい。



 転院後も師匠とエリー嬢が二人して、リハビリに専念する姿が見られ順調に回復はして行っていたのはいうまでもない。


 そしてエリー嬢とも相談の上、師匠とエリー嬢がギルドに仮加盟していたところから本加盟に格上げになったのであった、期間は気が済むまでで最低二十五年となっていたのであった。


 それに伴いお二方ともにギルドに口座を作りシュペリオル銀行(超有名な国際銀行であり本店は斑鳩国内にある)、から資金の一部をギルド銀行に移したのであった。


 それにより私が支払っていた分はお二方の口座から、引き落とされるようになったのである。


 これに伴い、弟子を取ることがすでに決まっていたので所属はギルド国家ギルディアス国グランシスディア連邦共和国駐屯部隊グランシスディア・ゼロ支部隊、指令中隊に配属となったのであった。


 また、階級はミハエル大佐とエリー中佐となっており周囲にも指示ができるくらいの階級が与えられたのであった。


 本気で復活された場合は、まさに鬼に金棒と言えるくらいのMM部隊になったのである。


 そこで私がまだ師匠に隠していたことが、バレてしまうわけではあるがそれは致し方なかったのである。


 その情報とは、青い閃光の話であった。

 手と肘と二の腕は治ったが、まだ両肩が完全に治りきっていなかった。


 ある日のことであった。


 師匠が唐突にエリー嬢と、白い閃光とそのパートナー用のカリキュラムを一緒に考えられていた時のことであった。


 不意にエリー嬢がいったのである。


「白い閃光はアスカ様のお友達と言うことでしたが、青い閃光はまだどこかを旅しているのでしょうか?」とポロリとつぶやかれたのであった。


 それに師匠が答える。


「そーいやぁ、聞かないなまだ若くしてその名の重圧に耐えかねたか、それとも――二人で考えていてもらちが明かん。いっそのことアスカに聞いてみるか? エリー?」という話の流れになったのであるらしかった。


「聞いても何が、出て来るわけではないと思うのですけれども」とエリー嬢がいった。


 それで電話が、かかってきたのである。


「はいアスカです、師匠どうされましたか? 何か異変でもありましたか?」とこちらは特に何も囀らなかったのでそれ以外の要因かと思い逆に聞いてみたのであった。


 すると「白い閃光はお前のダチだよなぁー、青い閃光がどこにいるか知らないか? と思ってな白い閃光のダチなら、噂くらいは知ってんじぇねえかと思って聞いてみたんだが? エリーが気にかけているようだったんでな」と師匠に言われてしまったのであった。


 流石に隠すわけにもいかず、腰を据えて答えることにしたのである。


 逃れられん……という状態であり、エリー嬢から聞かれたという話であれば致し方ないと思うしかないのであった。


 少し考えてしまったらしい。


「どうした? 何かチビッとでも良いんだ、エリーが気にかけているものでな、忙しいなら後にするが……」と言われてしまったので答える気になったのである。



「師匠、それは今も昔も俺の通り名ですよ――」と答えたわけである。



「……」一瞬答えが、返ってこなかった。



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