第十五章 リングと婚約発表と虹騎士団(中)
第一節:婚約指輪と結婚指輪を創り上げる
その夜二十一時ころからFPTの自室で、フィッティングエンゲージリングを創る私の姿があった。
宝石はダイヤモンドでは無いが、ダイヤより硬度の高いハリコニウムを厳選しておいた。
ハリコニウムは精神感応宝石の一種で、オリハルコンと同程度の強度と耐久性のある魔法石の一種であり、モノにも寄るがかなり貴重な品ではある。
だが一定までは創れる素材であるのだ、またリング部分はフィッティングミスリル鋼を二種金色のモノと白銀のモノを使い、大胆なデザインに仕上げた。
又、マリッジリングとも一緒に装着できるように、セットリングとしても作成した。
精神感応石である事を利用した、特定人物と世界を超えても通話ができるようにしておく魔法をかけてある。
それに精神攻撃に対抗する手段、としての魔法も掛けた。この前の二の舞をする気は、無かったからである。
あと誘導魔法を効かなくする、魔法も組み込んで有り、それぞれが精神感応魔法石の中心で、トライアングルを三つ囲うように仕組んだ。
かなり細かい魔法式ではあるが、それだけの事が出来たのである。
フィッテイングエンゲージリングにも、魔導加工を施し綺麗に融合させた。
全ての術式強度は、三百三十三に仕上げてある。それそのモノが芸術品の様にも、見えるくらいに綺麗に仕込んである。
魔術強度は三百三十三だが、融合の強度は三百八十八まで上げてある。
またマリッジリングの方にも、二つ魔法を組み込んで有り、異界抵抗の強力版と魔導による補助術式と、精神抵抗力増加の術式である。
全ての術式を三百三十三という達成値で仕上げ、魔導強化術式の自己流ではあるが、組み上げる術式を使って綺麗に融合させた。
こちらの融合強度も三百八十八まで上げた。
もう一つのリングも創り出す、自身のマリッジリングである。
こちらはハリコニウムの断片を使用してはある。
フィッティングエンゲージリングと共通項を持たせてあり。
特定の人物と、世界を超えても通話ができる魔法を仕込み、精神抵抗力を上げられるようなブースト術式を組み込んである。
こちらも金と白銀のミスルリリングで、デザインこそ違う物の、術式強度は三百三十三にしてあった。
自身の作成加工強度も、三百八十八までに仕上げて終わりである。
自分でものを創れるようになるまではかなり時間がかかったが、それは全てこれのためでもあったのだ。
そして二つのリングが完成した。
共に色合いは同じ、渡す方だけハリコニウムの大きさが、際立つようになっているモノである。
因みにイニシャルも全て結婚した時に変わる様に、魔法がかって居るモノである。
そこまで仕組んだのであった。
それを専用の箱二個に入れて、おしまいである。
後は明日指にはめる儀式をする、だけであった。
小箱二つの方にも細工が施してあり、減った耐久値を戻すという術式が組み込んであるのであった。
箱自体は強度をそれぞれ三百八十八まで引き上げてはあるが、あくまでも予備であった。
フィッティングエンゲージリングは、濃い紫基調の落ち着かせる効果のある魔法もかけておいた。
マリッジリングは、純白の小箱にした。
全てを創ると夜の二時になっていた、今日は勘はさえずっていない。
明日は守護騎士の目の前で、このダイナミックな作戦をしなければならない。
なるべく自然に、振る舞わなくてはならなかった。
アスカの左手の薬指にはめる動作まで、一連の動作としなくてはならない。
幸いながら二階の応接セットは、十人掛けである。
全員が座れる筈であった。
クララとノインに窓側に座ってもらい、ガーディアンに両サイドに座ってもらう。
そして私とアスカ秘書官で、奥の二席を使用する構想である。
これは朝一に、仕組んでおかねばならない事である。
自身のマリッジリングは自身で創った、専用の五十センチメートルのチェーンにとおしてすでに自身で下げてある。
渡す箱はフィッティングエンゲージリングを、入れる箱は深紫ではあるが、豪奢でそれ自体が魔法の小箱を示す、金縁で縁取られているモノにしておいた。
あとは一緒に渡す、薔薇の作成である。
九十九本を一気に創り上げる。
これも魔法の薔薇ではあるのだが、こちらはイメージに深紅の薔薇を選んだ。
魔化強度もそれなりに高い九十九である、枯れない薔薇としては充分な意味合いを持つのである。
永遠の愛を意味するのだから、その代わり触れても大丈夫なように柔らか目を意識して創り上げる。
包みも一緒に創り上げた。
それをぱっと見分からないように異界に格納する。
指輪の箱二つも同じように、一緒に入れて置いた。
時間を見るとそれから三十分はたっていた、流石に眠気が来る。
全て異界に入れて持ち歩く技法も、自身の術技である。
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