第七節:二番隊の受講とその疲れと形の見えない魔物と帰還

「まあ再受講や何かで合格しても魔法の指輪は全員分あるしなサイズはフィットする性質の魔法の発動体だから誰でも着けられる訳なんだが。その為に全部魔導機にした訳だからな。まあ皆百九十シルズは儲かる様になっている訳だから大人しく講座を聞いて実践するだけで行けるはずだ」と私が閉め括ると丁度開始のブザーが鳴った処であった、そして精霊魔法の講義が始まった。



 二番隊も一番隊同様であったことは告げておかねばなるまい。


 特にこれといってできないという奴はおらず、ジーンもいう程難しくないし感覚で、できるからかなり容易じゃといっていたくらいであった。


 因みに魔導の方も箒に違和感は抱いていた様であったが的当てなら任しとけといって一番後ろから撃って的に当たるのが確認できるくらいであったことを告げて置く。


 自分の精神力で射的をやっているような感覚だったらしい。


 そして講座が終わって見ると。


「以外と疲れましたね」というアスカ嬢が居たわけではあるがこれは致し方ない。

「二中隊に留めおきしておいて良かったろう? 四時間密にやるだけで我々は結構な疲れがあるんだ。三中隊にしていたら倒れるのが目に見えていたからな。多分俺は、平気だろうけど。アスカ、君が持たないのではどうにもならん。皆に心配かけてもいけないしな」というに留めて。


「今日ミスったことは次の時間には引き継がないようにな。そしたら我々の理解力も上がる筈だから。より良く時間を使えるようになるはずだ。呪文は上に、発音記号を書いてやるだけであれだけ違う。使えることは互いに吸収しながら進めていこう」といってなだめるに至った。


「本当は一日四時間半は結構きついから一日一中隊でも良かったんだがそれだとかなりかかるからね、いつ攻勢に出られても対応できるようにするのが我々のすることだしね」といいながら軽く頭を撫でた誰も見て居ないからできることではあったが。


「さて組み付けどう成っているかな?見に行くかい」といって魔導の実践用具に白いカバーをかけるとこれで埃は入ってこない筈だと思い。特別講義室から出ようとした時だったアスカを抱きしめて特別講義室の中に戻った「出るな外は異界だ」すでに窓は閉めたあとではあったが異界特有の匂いがしたのである。


「アスカ箒を一本持っててくれ何かあったらそれで対象をぶん殴っても構わないそいつの魔化強度は不揃いだが全て百五十をオーバーさせてある。箒を四本くれないか簡易式で結界を張る」といってまずアスカ嬢を抱き寄せるとホテルで使った術技を強化した物を試した結界参式といって異界魔法を展開する異界魔法には異界魔法で対応するしかできないのである。


 結界参式は無事発動し部屋の形まで行って止まった。


「ここまでか」と呟く。


「ここのカラーから先は異界だ踏み込むなよ。というと箒四本を並列密度高く並べると浮遊をかけて空間座標に固定した座標系はローカル座標系である。アスカ少しこの上に座っていてくれないか。脚は床から離してくれて構わない」というと隔離されただけか?


 それとも攻撃手段があるのか?


 異界視を発動させる確かに結界の外はどこか分からない異界であったこちらからはその様にしか見えない。


 内線電話も通信機もアウトで外線電話もつながらなかった、


「通信系は全てアウトだな」といって懐にしまい込む。


 今頃外では大騒ぎのような気がするなという感じがした勘がさえずるのである。


「アスカの持ってる通信機でも同じ状態か?」と少し考えてみた私を隔離したかったのか?


 それともアスカを隔離したかったのか?


 それとも二人とも隔離したかったのか?


 が悩んでも結果が出るわけでは無い、異界魔法をかけた奴を叩き潰さないと話に成らない。


「こちらも通信系は全てダメですね」とアスカ嬢がいった。


「仕方ないここに居てもどうしようもないかもしれんが少し手駒を増やそう」というとアスカ嬢の近くまで行く“アナザーワールドブレイク”とキーワードで発動させるとそれは無事かかった様であった。


 アスカ嬢を抱きしめてみるアスカ嬢は耳まで真っ赤になったが、それ以外の反応は感じられない、術者はいないのかよっぽど慣れているのかどっちか分からなかった、抱きしめたままお姫様抱っこに変更し術で指定したさっきの範囲に入る。


「気配が違いますね。ここは普通の空間に近いように思うのですが?」とアスカ嬢がいった。

「結界の中に四時間だけ休憩が出来る場所を創ったんだ。降ろすよアスカ」といってアスカ嬢をそっと下ろす。


「ここなら今のどれくらいの速度で時間が過ぎているか分からないが今の内なら大丈夫だと思う。どう思う? アスカ、我々だけが厄介で結界に封印されるかしたかと思ったんだが。どうやらそうではないらしい。この範囲には異世界のモノは入って来れないから。少しの時間は安心して貰って良い。ここから元の世界へ強制的に帰る方法はある。ただし二人同時に同じ場所に帰還しないといけないんだ。ここからなら多分安全に帰れる筈だ」という。


「異界魔法ですか?」とアスカ嬢がいった。


「普通の異界魔法は俺には通用しない。抵抗できるからね。だが異界にまれたとなると話は違う。異界を操れる相手は悪魔か魔物かどちらにしてもろくなヤツでは無いんだ。相手の話をしても仕方が無いから。ここはとっとと執務室に戻る方が良いとは思うけどね」と私がいった。


「執務室の応接セットの処で構わないかなアスカ?」と私が聞くと、

「ハイそれでお願いします」とアスカ嬢がいった、それに答える。

「二人で戻るとはいっても途中で邪魔されたくは無いから。もう一度抱き上げても構わないかな?」と私がいった。



「はい、お願いします」とアスカ嬢が答えたのでお姫様抱っこで抱きかかえる。


「行くよ、“アナザーワールドリターン”」といったその瞬間異界が壊れる音が聞こえた私とアスカ嬢は応接セットのちょっと手前の仕切りと机の間に現れた。


「普通の空間の感覚は有るかい?」といいながら“エグジスタンス”を唱えた魂魄界以外の異界は近くには存在しないと出た。


「アスカ嬢も周囲を見回しながらいった。多分普通の空間かと」少し遅れて周囲の音が戻ってくる。


「アスカさんとアスカ公爵が行方不明!?」とサヨリ嬢の声が聞こえた。


「ジーンさん詳しく教えてください、特別講義室が何かに包まれて入れなくなって、少ししたら何かが大きく割れる音がして包み物は無くなったけど、中に居た二人が居ないと……、魔法の箒が4本空間に固定してあって動かないとあら?」、「アスカ降ろすよ」という。


「降ろしていただいても大丈夫です。腰は抜けてませんから」と答えた、そっと降ろす。


 ヒジリがこっちに反応した。


「サヨリこっちにアスカ閣下が居るアスカ嬢も居るぞ」とヒジリがサヨリ嬢と換わった。


「ジーンさんこっちにアスカ閣下が居るアスカ嬢も居る、何があったのか分からないが聞いてみよう」とヒジリがいった。



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