第二一節:悪魔襲来と西方の悪魔
そして部屋の前まで行きアスカ嬢に鍵で開けてもらう。
特に何物も感知していなかったため、安心してはいたのだが違和感だけあった。
「アスカ何か居る」といって「俺から入る」といって部屋に入る順を変わってもらうポケットから魔導剣を取り出して刀くらいのサイズまで伸ばした、ヒジリには殿を務めてもらうことにして間はアスカ嬢、サヨリ嬢の順で入って来てもらうことにした。
そっとドアを開ける、音はさせて無いが何かが飛んできたので咄嗟にドアから離れたその
とりあえず状況確認が済むまで入らないほうがいいというとアスカ嬢が精霊を召喚した、
もう一度半開きの扉から中を確認する、何かが居るようだった黒い
“グルアァァァァァァ”
という叫びが出た応接間にしか入れていない様だった、「シールド」といって深奥奥義を発動させそのシールドで靄を掻き混ぜる、シールドを変形させ剣に変えると二刀流として千手剣斬をその靄に対して放つついでに「エリアオブゴッド!」叫ぶその瞬間
“グギャァァァァッァァー”
と叫びが響き渡ってそいつは消滅した。
一応各部屋を確認する、特に残っているモノは無かった。
「OKクリアだ」というとアスカ嬢が精霊視であろう状態で入って来た「OKです居ませんね」といったので全員入れるようになったが、「今のは?」とヒジリがいった。
「多分低級な悪魔だろうが、あの程度を感知できないとは式を組み直さないとダメみたいだな。壁抜けができたようだがMLLIのおかげで部屋に入れていないが。あれは一種の護符なんだ。ともいっておいた。護符部分は俺の仕込みだがね」ともいった、するとヒジリから質問がやって来た「てことは、誰を狙っていたのかはわからないのか?」アスカ嬢が唸った、「んー確かに現時点では、誰が狙われたのかはわかりませんね」といった。
アスカ嬢は精霊語で『ありがとうバルキリー』というと精霊を精霊界に返したようだった。
「と、先にシャワーだけ浴びさせてもらうぜ」と私がいった。
するとシャワーを浴び汗と雨水だけ落とし、着替え終わった私が部屋のスリッパで出て来たところだった。
皆さっきのは何だったんだろう? ということに拘り過ぎており、一度リセットかけるかということにして、ルームサービスでバトラーに濃ゆいコーヒーとして名高いブラックマウンテンを四人分と甘めの菓子をボックスで持って来てもらうことにした。
三分後インターホンが鳴った、「俺が取りに行くよ」と私が取りに行くバトラーが来ていたワゴンだけ受け取る「ありがとう」というと「卿におかれましてはお風邪をひかれませんでしたか?」といったので、「ああ大丈夫だった」と答えておいた。
バトラーを見送りワゴンを部屋の中に入れると扉を閉め念のため扉というか部屋の横面全てと天井とフロア面に新しく組み直した術式『結界弐式』を張り付けてから。
ワゴンを部屋の中に入れた流石にこの匂いはいい香りではあるのだが強烈に匂うので「まさかブラックマウンテンか?」とヒジリには一撃目でバレてしまった。
「あと、甘い菓子もボックスで持って来てもらったから考えるのははかどると思うぞ」と私がいった、西方ではブラックマウンテンが比較的有名ではあるのだ。
「昔を思い出すな」と私がいうと「今でも変わらないぜ」とヒジリがブラックマウンテンを飲みながらいった。
「今日の晩は何なんだ?」とヒジリがいうので「扶桑食にしてあるが?」と私がいった。
一応昨日頂いたばかりだがアレは持って行ったほうが良さそうだなと思っていると、「昨日渡したものを早速、今晩の夕食時に付けて見せてくれないか?」とヒジリにいわれたので「OK!」と私が力強く答えたのであった。
「西方では見たことが無いタイプでしたね」とサヨリ嬢がいったので、「こっちというかグランシスディア・ゼロではあの手の正体が掴みにくい奴の出現例が多いと思うんだが?」と私がいうと、アスカ嬢も同意したように頷いた。
「中原と西方では出現タイプが違うのか。西方ではどんなタイプが多いんだ?」と私が聞いた興味深そうに。
「西方では主にヒト型でレースタイプが多い、死人をそっくり模したタイプも居てとてもでは無いが被害が半端ない。しかも質の悪いことに戦場で死んだ奴がある日ひょっこり帰って来て親族から友人から何から何まで知っている人族を襲うんだ。然もドッペルゲンガーの出現率が半端なく多いんだ。あいつ等は死体喰らいだから最もそっくりになることが出来るんだ。何かがオカシイと気付いた時にはすでに一族郎党皆殺し、ていうのが多くてな。気の滅入る話で済まないんだが」とヒジリがいった深刻そうに。
「一度成功すると悪魔も調子に乗るのかもしれないな」と私が呟いた。
「こっちでも似たような事件が一回だけあったんだがな、その時は未然に防いだ奴が居てドッペルゲンガーも倒されたんだ。それ以降ドッペルゲンガーの出現は見られていないと聞くんだが」と私がいった。そして続ける「確か発表儀礼の前くらいじゃなかったかなその噂を聞いたのは六月くらいだったと思うが」と私がいった。
「止められないのが原因か、確かにありそうな話だ。然し高位のドッペルゲンガーをどうやって倒したんだ?」とヒジリが興味津々に聞いて来た。
「剣聖でも居たんじゃないか?」と敢えてかわす私がいた。
「剣聖の持ってる深奥奥義や真奥義には強力なモノが多いと聞く」といって見る。
「その手の情報はギルドのチェックが固くてな、中々つかめないんだ」とも私がいっておいた、ヒジリからはそれ以上の追及は無かったということを挙げておく。
第十一章 第二二節へ
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます