第十一章 休暇と友とサプライズ大作戦と邪魔者たち
第一節:休暇取得と連絡とサプライズ計画壱
「懐かしいといえば、友にも長らく連絡を取っていないな」といった。
「クララ、私の有給休暇はどれくらいある?」と聞くと。
「総長は一ヵ月は有りますね、働き詰めでおられましたから」という答えが返って来た。
部隊が動かせるようになるのが、一ヵ月先だとしても。
しなければいけないことは、山の様にある訳で。
「有休をお取りになるんですか?」とはクララ嬢。
「まぁ友の様子が、国を離れられそうだったらな」と、答えておいた。
するとクララ嬢から、提案というか決定事項という形でいわれたのである。
「では、アスカ大尉と一緒に休暇はお取りください。忘れたわけでは無いと思うのですが、高位の魔族から狙われている方を放置して休暇を取るのは。どうかと存じますので」と。
「それもそうだな、アスカ大尉それでもかまわないかな?」というと。
「総隊長のお友達という方には、ぜひお会いして見たいところです。ご迷惑でないなら、ぜひ一緒に」という答えが出た。
「分かった、会わせたい所でもあるし。休暇がてらにこちらへ呼んでみようチケットも送りながらな。まぁ昔の武勇伝が、ごろごろ出てくると思うけどな」といった。
「それとは別ですが、四番隊副長の『アインセリオ・ストライク中尉』とご縁があったのですか」と、アスカ嬢のほうから突っ込みが入った。
「クララは覚えていると思うが。ナイツギルドに入る、きっかけをくれた人でもあるんだが」というと。
「名前は存じていましたが、同一人物なのですか? まさか」というクララ嬢。
「魔導剣士アインセリオ・ストライク中尉は間違いなく、あのカウンターにいた人だよ」と私が答える。面影があったからね。
「少し前に、四番隊から六番隊の部隊を整列をさせた時に、私が部隊への訓示として挨拶をやったろう。その時に、見られていたことは覚えているんだ。私の感覚が特別性なのは、クララも知っているだろう?」という。
「まぁ優秀な、人材が増えるのは良いことなんだが。んともう九時か、向こうは朝だな休日の……」というとクララ嬢が言った。
「ヒジリ様を、お呼びになるのですか?」とクララ嬢がいった。
「あぁ、そのつもりだが何か情報は入っているかい?」と聞き返す。
「特には、ワイトラウドから離れてはいないと思われますし、白い閃光が国から出たという情報は無いと思いましたが」というと、アスカ嬢が反応した。
「白い閃光と青い閃光」といいながら
“ぎぎぃっ”という、音を出せそうな感じでこちらを振り向いた。
「まさか、総長って青い閃光なのですか?」といった。
「昔はね、そう呼ばれて居た時があるんだが……」といいながら。
「イメージ変わってしまったかい?」と、アスカ嬢に追加で聞く。
「いいぇ、むしろ親しみがわきました。この部隊はいい部隊ですね」と改めていう。
「ワイトラウドから、グランシスディア・ゼロまでヒトっとびのHST弐型の航空券を手配しよう。いつでも自由なときに乗れる、エグゼクティブ仕様のものを二枚」といいながら。
「航空会社はワイトラウド聖王国の航空会社でいいな、失礼の無い様にまぁ航空会社には私用であることを言っておこう」といってエグゼクティブシート二枚を確保する。
そして変わって無い筈の、友の電話にコールする。
それと同時にデータパッドのアドレスを探しアスカ・ジークレフの名前で、そのチケットを送る用意をする。
そしてコールラインにデータラインを絡ませた。
これで準備は整った、
「仕事が、忙しくなきゃいいんだが」と苦笑交じりにいう。
五コール目でヒジリが電話口に出た。
「アスカだ元気でやっているか?」と聞いて見る。
「アスカか心配させやがって! 新聞の一面に載りやがって、ビビったじゃねぇか」と
「と、電話が来たってことは落ち着けたのか」と聞かれる。
「まぁな休暇もそれなりに取れるようになった、それでヒジリさぇ良ければパートナーと一緒に休暇を取れないか? 久しぶりに会って話したいことが山ほどあるんだ」というと。
「イイゼ、今は休暇は取り放題だしな。で、今どこに居るんだ」とヒジリがいう、それに私が答える。
「今はグランシスディア・ゼロに居る。古都だがイイ都市だぜ、ここに居を構えている訳ではないが、落ち着き先には違いない」というと、
「で、このチケットはもらっていいのか、ワリイな」とヒジリがいう。
「僕と君の仲だろうに」というと。
「よし分った、善は急げだ明日の便に乗ってそっちに行くことにする。それならば二日もあれば着くだろう」といって電話は切れた。
「クララ、グランシスディア・ゼロで一番いいホテルにスイートダブルツインを五日間取ってくれ、明後日インの週末アウトで頼む」といった。
「了承しました」とクララ嬢が答えた。
「例のワイトラウドのマネークレップを使おう」といって取り出しリーダーで読ます。
「サインを求められていますが」とクララ嬢。
「そっかまあいいか」といってアスカ・ジークレフと書くとアスカ嬢にもサインを求めた。
するとアスカ・アラ・ニスと少し
それを見たクララ嬢が突っ込んできた。
「爵位はなくて宜しいので?」といわれたので名前の後ろにDのサインを付ける。
「変則的だが、これで分かっていただけるだろう」
「護衛部隊は無しでいいだろう、私用だからな」ともいったのでクララ嬢から。
「では例の太刀か魔導光剣は証明書に持って行ってください」という言葉が出て来た。
「アレか久しく手入れをして無かったからな」と私がしまったなーといった感じにいうと。
アスカ嬢のほうから、「太刀のほうが威風堂々していて凛々しくて良いと思いますが」といわれる。
「久しく抜いて無かったからな、といって自分のロッカーを開けてその中から例の太刀を出して来た」
思わず、アスカ嬢が精霊視するほどのものであったらしい。
「太刀に精霊が付いていますね、
「太刀に銘が有りませんがとても綺麗に見えます」
「状態はとても良いようですね」と抜かずともわかるらしい。
「その太刀はエルフの刀匠とどちらか他の方の合作であるように感じられます」ともいった。
アスカ嬢がいった。
「魔導光剣と小太刀は、私のほうでも持っていきますので」と。
「ドレスが数着要りますな」と、アスカ嬢も同じように休暇届を作ったあとであった。
即座に送って、二人の休暇届が同時認証される。
「久しぶりに合うし、何かサプライズをしたいな、驚くようなモノを」と私が少し悪戯っぽくいうと。
「でしたら迎えの車は総長の私物を使ってください」とクララ嬢がいう。
「いっそのことギルド関係から離れた職にしておいて、帰り際に実はというのはどうだろう?」と私がいうと。
「サプライズを考えるなら、それ位はしないと行けませんねぇ」とクララ嬢。
「会社関係で、商社のそうだな。専務あたりで、役職を創って四日間だけ、会社役員をやって見る。とかでは、どうだろう。それで関係各所に、根回しだけしておいてくれないか?」と私がいうと。
「それだけですと、アレですからホームページ位は創っておきませんと。裏から、抜ける可能性が、ありますからね。ホームページの制作と会社の四日成立の話はペーパープランで行けるんですが、名刺や、小ものも、揃えないといけないでしょう? そちらはどうするんですか?」とクララ嬢がいった。
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