かけがえのない、美し過ぎる『才能』の物語

『女性』に興味を持てず、かといって『男性』そのものにも行為を抱かない、傍から見れば倒錯するかのような心を持つ主人公。
そんな彼は、ふとした事から『男』を『女』にする仕事、それも『表に言えない仕事』を受ける事になります。
それが、彼自身を変える未来を作るきっかけであるなど、知る由もなく。

自らの欲望を満たすために動き出した彼を取り巻くのは、より大きな『欲望』を操り、それに溺れる者たち。
一度回り始めた美しき歯車は、複雑な機構の中に取り込まれ、やがてかけがえのない部品になり果てていく。
おぞましくも美しい物語の果てに、彼が待つものは……。

生々しさの中に耽美さを湛えながら、1人の男の運命を辿る作品です。

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