mc2020.11.25 騒動あり。聖騎士団の届出について
本日、ちょっとした問題というか騒動があった。
人間界の中心国家オールキングダムには、世界的に犯罪者を取り締まる集団『聖騎士団』という存在がある。
そこから"グリュッグさん"という騎士団員が、役所の依頼で派遣されてきたのだが、彼によれば、どうやら店舗に関する土地使用許可に支払った許諾金が少ないというのだ。
いやいや、俺はきちんと許諾金を収めたし、正式な許可証がありますよと見せても納得して頂けない様子で、結構長い時間あーだーこーだと、やり取りをした。
その結果、やはり俺の主張が正しかったことが判明。
役所が間違えた理由として、うちの店が魔界グリモワール領と人間界領の『丁度真ん中』に建っているためだった。
ウチの店はそんな立地条件に際して、魔界側と人間界側に土地利用申請を出しているため、許諾金の支払いはそれぞれ半々で行うよう通達されていたが、それを人間界側の役所で誤り『人間界側に建築物を建てた』と認識されていたようだ。
騎士団側が間違っていたことが分かると、グリュッグさんは丁寧に謝罪してくれたが、正直、俺が間違っていたらどうしようとドキドキだった。
もしも申請に違反していた場合、とんでもない罰金を取られる可能性もあったし……何でもなくて本当に良かった。
ひと悶着が終わると、グリュッグさんはせっかくなので買い物をしてくれると言って、魔界から取り寄せた『妖精の砂』を買ってくれた。
これは妖精が飛翔する際にきらめく光を模した砂で、幸せを呼ぶと言われる縁起物なのだけど、元々魔界と戦争をしていた人間界側の騎士が『魔界の縁起物』を買ってもいいのだろうか。
それほどに、平和が進んでいるという裏返しかな。
世界的には、まだまだ人間と魔族って仲違いしている部分や、差別的な扱いを受けているのが多いのだけど、うちの店に来る方々って人も魔族も営みは変わらないんだなって考えさせられるというか、話していて楽しい方々ばかりで嬉しい。
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