妹はリモート探偵 ~謎解きはZoomの中で~

作者 六畳のえる

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★★★ Excellent!!!

Zoomでリモートなんて、2020~2021年の今、みんなが知った新たな環境ですよね。これを早速、物語に活かすってのがまずすごい。
そして、みんな大好き「可愛くて、ちょっと変わり者の妹」という存在。
この子が不登校なわけですけれど、不登校の娘を持つ身としては、かなりリアルな「不登校児童のいる家庭」を描けてると思います。
特にお父さんがリアルで。
不登校の子に対して大人ってこうなりがち!っていうお父さんだったなって(笑)
ある程度は理解はしてるし、できれば完全に理解したいんですよお父さんも!でも一歩足りない。立場が違いますし、子供の心と子供の身体は、真に解るのは本人だけですし。そんなときの主人公である兄ぽんが、最高です!
そう!探偵の妹だけじゃない、周囲もしっかり素敵なキャラクターで固められてるんです!
ヒューマンドラマとしても、日常の謎としても最高の仕上がりと言えると思います!

るうさんイチオシです!是非ご一読ください!

★★★ Excellent!!!

ミステリなのに人が死なない。
そして、ミステリなのに探偵がZoom参加。

暗い気持ちになることなく謎解きのスッキリを味わえる、新鮮な読後感です。
特に良いなと思ったのはレビュータイトルにも書いたような「優しいミステリ」としての側面で、
犯人が誰かを傷つけようとしていない、でもちょっとしたすれ違いで生まれてしまった日常の「謎」を解いていくという作品のスタンスが素敵です。

作品の構成としてもよく練られていて、章ごとに「日常」「事件・捜査」「謎解き」とテンポよく進むので心地よく読み進められます。
四章で完結となっていますが、まだまだ唯鳥と兄ぽん(イントネーションは味ぽん)の謎解きを読みたい気持ちになる作品です。

★★★ Excellent!!!

実は読書が嫌いな私。
小中学では朝読書の時間が苦痛でした。(漫画本読ませてくれよ)
そんな私の学校の図書館に、六畳のえるさんのコーナーがあったなら、きっと毎朝心楽しい5分間を過ごせていたでしょう。

この作品は、単に「編集さんが必ず読んでくれるから」という姑息な理由からではなく、ちゃんと読者層である小学校高学年〜高校2年生のニーズを考えて言葉と事件を選んでくれているところが有難いと思いました。

その一方で、単なるライトな読み物に終わらない深みや苦味も作品の魅力のひとつ。
深刻な展開を避けてさらりと書いているけれど、不登校の悩みやステップファミリーの難しさなど、読者の年齢や置かれた状況によって、さまざまに物語の階層を味わうことができるようになっています。
いつか私自身がこの作品を読み返した時、また違った読み方が出来て、そしてその時、自分自身の成長を実感できるような。そんな楽しい予感に満ちているところも、この作品の素晴らしさだと思います。

『朝読賞』を狙う全てのカクヨム作家に読んで頂きたい。
自信をもってお勧めします!

★★★ Excellent!!!

安楽椅子探偵。日常の謎。本格推理。
ミステリー好きなら一度は目にするこれらの単語。
全部やったらすごくないですか? 
しかも、本作は安楽椅子どころか、最近流行りのZoomを使った探偵で……? 

兄の果偉。義理の妹の唯鳥。
このコンビ、ワトソン&ホームズよりもバッチリ来る二人組です。
だって、兄妹なんですもん。だって、お互い大好きなんですもん。

引きこもりになってしまった唯鳥は義兄の果偉に、「探偵にならせてほしい」と頼みます。けれど義妹の言う探偵、とは、家から一歩も外に出ない、Zoomを使った「遠隔探偵」。
優しい兄、果偉は、義妹のためにスマホを抱えてあっちにこっちに。

本作、ミステリー好きの私が断言しますが、本格モノです。
私が言う「本格モノ」とは、「読者も推理できる」「手掛かりを作中にフェアに開示する」という意味です。
これらの縛り、カク側からしたらかなり厳しいんですよ? 伏線の張り方と情報の開示は相反する概念です。これらを同時にバランスよくこなすのには筆力以外にも頭脳や、相手の……読者の……立場になってモノを考える能力も必要になります。

また、日常の謎というジャンルも難しい。
「何が謎なのか?」「そもそも犯人を捜すことが善なのか?」「動機は?」など、心配すべき項目がたくさんある。ミステリーの肝である「謎」が成立しないリスクを抱えて、ミステリーたらしめるにはかなりの努力が必要です。

作者の六畳のえるさんは本作が人生二本目のミステリーだとのこと。
二作目でこれって天才過ぎるでしょ……。私の立場のなさよ……。

ミステリー初心者の方! 
本作は、人も死なないし、謎も身近なものだし、入門にはぴったりです! ぜひどうぞ。

ミステリー玄人の方! 
安楽椅子探偵、日常の謎、本格推理でこんなにクオリティの高い作品があったのかと驚くこと間違いなし! ぜひどうぞ。

そんな感… 続きを読む

★★★ Excellent!!!

安楽椅子探偵というものがある。
現場に行かずして推理を披露する探偵である。
しかし、時代は進んでいる。
ここについに、遠隔通信(リモート)探偵が誕生したのだ……!

そんな可愛らしい探偵さんが抱える悩みと真剣に向き合い、そして穏やかな解決がおこなわれるのがこの物語である。
殺伐とした殺事件などは起こらないから、怖いものが苦手な人にもお勧めできるだろう。
なにより、ひととひととの距離が心地よい。

あなたもぜひ、そのぬくもりに満ちた解決編をご覧あれ!

★★★ Excellent!!!

このコロナ禍で、一気に浸透したコミュニケーションツール『Zoom』。
これさえあれば、離れた場所にいる人とも会議や飲み会が開けます。
そう、もちろん、探偵の謎解きも!

義兄・果偉(通称『兄ぽん』)を助手に据え、リモートで推理をするのは、ひょんなことから不登校となってしまった中学生・唯鳥。
兄ぽんの高校で起きる日常のちょっとした謎を、見事な洞察力で解決していきます。

ミステリの醍醐味である謎解きシーンがZoomで行われるという、時流に乗った斬新さもさることながら。
この作品で最も大事なポイントは、「探偵が不登校児」であることだと思います。

わざわざ苦しい思いをして教室に行かなくても、みんなと繋がれるということ。
一度挫けてしまった社会へ戻る第一歩が、そういうやり方でも良いのだということ。

ソーシャルディスタンスが意識される世になって、社会へアプローチする方法はいろいろあるんだと気付いた方も多いと思います。
自分なりのペースで前へ進もうとする唯鳥ちゃん。それを受け入れて背中を押した兄ぽん。
二人とも本当に偉いし、心から応援したくなりました。

もちろんミステリとしてのストーリーも小ネタや蘊蓄が効いて面白く、誰も傷付かない、中高生らしい爽やかな事件の後味も素敵でした。
心が温まる読後感で、大好きなお話です。

★★★ Excellent!!!

 古来よりミステリ界には様々な探偵がおりました。
 ホームズ、ポアロ、マープル、明智、金田一……
 また、それと関連してミステリのトリックを紹介する本も現れ、知的好奇心に飢える者達を主として、その界隈は賑わっておりました。

 その中に一つ、ぽつりと確かに存在するミステリジャンル。それが――安楽椅子探偵。
 現場に行くことなし。そこに集ってきた情報だけで事件を解決する探偵です。

 ――そんなの出来るの?
 ――ええ、出来ます!!

 それも、「zoom」で!!

 一話一話の文字数が少なく、軽妙でテンポの良い会話がミステリ初心者にも受け容れやすい
 更には誰かさんとの青春……も!?
 zoomが普及してきた昨今、注目すべき新しいミステリの形がここに生まれる!

 ――、――。

 星、探偵の謎解きの姿勢に、つと憧れている探偵「夢水清志郎」の名台詞を思い出しました。

「名探偵は皆を幸せにするために謎解きする」

 人と人との繋がりが曖昧になってきた「今」、誰かと繋がるとはどういう事かを教えてくれる、そんな一作です。

 紅茶でも飲みながら、家からは出ずに。
 貴方も「名探偵」の推理を覗いてみては。

★★★ Excellent!!!

読んでいてすごく楽しかった。
まさにライトノベルといった感じの物語なのだけれど、それは100%良い意味で、文体もしっかりしていて、自然とその世界に夢中になれる完成度があった。

軽い気持ちで読めるけれど、中身はしっかり濃厚な物語。

日常のなにげない謎を解くスタイルもよかった。
青春要素も詰まっており、読んでいて満足度の高かったオススメな作品です。