【感謝!】★700記念SS ③
>もうすぐ千葉県に入ります、ゆっくりで申し訳ありません』
>大丈夫?危険な目になっていない?
>田舎道を走っているから大丈夫ですよ。そのぶん、時間がかかりますけど
海斗はSNSのメッセージでミキに連絡を取った。
ここは茨城県の西部。
もう少しで千葉県に入る手前。利根川の土手である。
”なかなか良い景色だな。いいアルバイトになりそうだ”
少し寄り道をして、カメラを構え写真撮りまくる。
海斗はこうして風景を撮影した画像を、有料の素材として販売しているのである。
――――
「お母さんのわからずや!」
「亜紀!待ちなさい!!」
荒々しく玄関の扉を開けて自宅から走り出して行った。
茨城県のはずれに住む、高校一年生の池上亜紀。
最近は、毎日母親と喧嘩ばかり。
瞳から涙が流れる。
なぜ、わかってくれないんだろう・・・。
こんな顔、誰にも見られたくない。
一人きりになれる場所に行きたかった。
走って行く先は、いつもの川の土手の方。
そこには、あまり人の来ない場所があるのである。
目を赤く腫らした亜紀が、やって来た利根川の土手の上。
そこには、珍しく人がいた。
大きなカメラを構えている男性がいた。
りっぱな、カメラ・・・カメラマン・・・?
その青年は、服装が垢抜けている。
都会の雰囲気をまとっている男性。
その男性は亜紀に気づいたのか、振り向いた。
”うわ・・・イケメン・・・”
振り向いたのは、まだ若い青年であった。
整ったその顔は、芸能人と言われてもおかしくはない。
思わず見とれていた亜紀に、その青年は声をかけてきた。
「あの・・・大丈夫ですか?」
「え・・・あ、ひゃい・・」
思わず、返事が噛んでしまった。
不思議そうに見つめてくる青年に、亜紀は・・・気になったことを聞いてみた。
「あの・・・カメラマンの方ですか?」
「え?・・・あ・・・・僕はまだ大学でカメラの勉強中なので・・・これからかな?」
ちょっと顔を赤らめるその青年。
「カメラの勉強中なんですか・・・」
その青年の言葉に・・・亜紀は藁にも縋る気持ちで話しかけた。
「あの・・・ちょっと相談に乗っていただけないでしょうか・・?」
◇◇◇◇
海斗は無自覚ですが、かなりのイケメンなんです。
ですので、ミキちゃんは気が休まる暇がありません。
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