第27話 ボウリングの後は……

「こんにちは。えっと、加賀さんでしたか?」

「みんなも来てたんだー?」

「ああ、そっちは3人か」

「そー、3人で来たのー!」

「せっかく休日に会ったんだし、合流するか?」

「私達もう出るところだからー!」

「俺たちもたまたまここに来ただけだから」


 こちらに合流してこようとしてくる。


「ごめんなさい、いまから二人と行くところがあるので。それでは」

「おい、ちょっと」


 すぐに初華さんに手を引かれて、外へ出た。


「ちょっと、どうしたのー?」

「面倒でしょ。ああいうのは無視するのが一番よ」

「えーでも、クラスメイトだよー?」

「クラスメイトとか関係ないでしょ。あれはただのナンパ。話に付き合うだけ時間の無駄」

「そうかなー?」

「星那が合流したいなら一人でいけば?」

「二人がいないなら意味ないじゃん! 私だってあの人とそんなに仲良くないしー」

「その割に乗り気じゃなかった?」

「だってー、こっち男はカイト一人だしー、そっちの方がいいかなって」

「そうなんですか?」

「いえ、そんなことないです」


 ただの苦痛です。


「そっかー。ごめんねー?」

「いえ、大丈夫です」

「じゃあ、行きましょうか」

「あの、もう手は離してもいいんじゃ?」

「……さ、行きましょうか」


 そのまま引っ張られていった。



\\\



「おいしい!」


 パフェを食べた初華さんの第一声。


「私も食べるー!」

「……いただきます」


 俺と星那さんもスプーンでパフェをすくう。

 全然減った気がしない。


「こんなの初めて見ました……」

「そうなのー?」


 何人前なんだろうか?


「1か月に1回くらい食べるよねー? ここは初めて来たけど」

「ここのパフェも美味しいですね。結構果物が多いので下の方に水分がたまらないか心配ですけど……」

「評論家みたいですね……」

「カイトもそのうち慣れるよー」

「そうですかね……」


 慣れるころには丸くなってそう……


「二人とも、食べないとクリームがとけちゃいますよ?」

「ほら、カイト」

「はい」



\\\



「美味しかったねー! カイトはどうだった?」

「美味しかったです」


 甘いだけかと思っていたけど、中にコーヒー豆が合ったり、酸っぱい果物が合ったりして、思っていたよりも飽きずに食べることができた。


「結構食べてましたもんね」

「初華さんが言うんですか?」


 俺の3倍は食べてたのに……


「また食べによーねー」

「そうですね」

「今日はそろそろ解散しますか?」

「えー、もうちょっとあそぼーよー」

「私はいいけど、どこに行く気?」

「カイトはー? まだ大丈夫ー?」

「えっと……大丈夫です」


 今は6時少し前なので急いで帰る必要はない。


「じゃー、私の家行こー!」

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