369日目「颯太ぁ〜? 今日カレーにするから帰りにスーパー寄って帰ろ?」
「颯太ぁ〜? 今日カレーにするから帰りにスーパー寄って帰ろ?」
珍しく私は颯太のクラスにやって来て、キョロキョロと一通り見回してから、颯太を探し出し近づき何気なくそう言った。
「あー、義母さんたち今日遅くなるんだったね、了解」
「じゃあまた放課後」
颯太の隣の席の美少女、
「あれ? 牧田君って倉科さんと知り合い……というか家一緒?」
今日の晩御飯の話をしに来ているのだから、知らないと不思議にも思ったのかもしれない。
「紗奈のお母さんと僕の父が再婚して兄妹になったんだ」
「そうなんだぁ〜」
今すぐ颯太の顔をこっちに振り向かせて、そのまま押し倒してしまいたい衝動を鋼の精神で耐えながら。
「じゃあ、颯太。
放課後」
高階さんに軽く会釈して、颯太にもう一度その言葉を繰り返す。
颯太はそれに苦笑い。
手を伸ばし頭を撫でて来た。
……む。
とりあえずこれでガマンしてやろう。
ほんとは今すぐにでもしがみ付いて、公開もきゅもきゅでもかましたいところだけれど、今はまだその時ではない!
それ以上は特に触れ合うこともなく颯太を無駄に睨みつけるようにしながら、そのまま颯太のクラスを出る。
2人でスーパーでの買い物デートを終えて、家に帰り手洗いうがいを終えた後、食材をキッチンの上に置き。
隣で一緒にカレーの準備をしてくれようと鍋を手に持った颯太にしがみ付き、口を奪う。
もっきゅもっきゅもっきゅもっきゅもっきゅもっきゅもっきゅもっきゅ。
しがみ付いたまま、口を離すというより隙間を空ける程度に接触を解く。
舌を伸ばせば互いの舌を絡められる程度の隙間だ。
「颯太が浮気した」
「浮気じゃないし、高階さんとほとんど話したことないよ?
どちらかと言えば、紗奈に話しかけたんじゃないのか?」
確かに高階さんは委員会で何度か話をしたことがある。
「颯太、舌」
「はいはい」
だが、それはそれ、これはこれだ。
舌を絡めつつ口も重ねる。
もきゅもきゅもきゅもきゅもきゅ。
颯太にしがみ付いたまま、あまりに私が颯太を貪るのを止めないから、口を重ねてもきゅもきゅしたまま、ソファーまで運ばれてしまい。
そのまま押し倒される。
もきゅもきゅもきゅもきゅ。
また唇が触れそうな程度に口を離しボヤく。
「カレー作れるかなぁ、んっぐっ」
もきゅもきゅ。
もきゅもきゅしながら少しずつ会話。
「その時はレトルトだね。
んっ」
颯太がそう言ったところで、また私から颯太の口を自分の口で塞ぐ。
もっきゅもっきゅもっきゅもっきゅもっきゅもっきゅもっきゅもっきゅ……。
結論で言えば、この日は赤いきつねと緑のたぬきの晩御飯となった。
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