こっそり連載再開
353日目?「もきゅもきゅを検証するわよ!」
もきゅもきゅ。
僕らは口を離す。
「もきゅもきゅを検証するわよ!」
いつものごとく僕らのベッドで僕と一緒に寝転がっていたけど、紗奈はぴょこんと起き上がると唐突にそう言った。
……ちなみに先程まで、僕らはもきゅもきゅしていた。
「検証って?」
「ふっふっふ、颯太。
かねてよりの疑問についにメスを入れることにしたわ。
ズバリ! もきゅもきゅは性表現か否か!」
僕も身体を起こし、思わず拍手する。
「おー、踏み込んだねー」
「でしょー?
最新話のPVも100を切るようになったし、もう少し好きなようにしようかなぁなんて思って」
「一昨日も言った気がするけど、最初から好き勝手してたよね?」
紗奈はフッと目を逸らす。
「気のせいよ。
50日ぐらいは一般ラブコメのイチャイチャレベルで収まっていたと思うわ」
まあ、良いんだけど。
僕は自分の顎に手をやり思案する。
「んー、でも現実的なイチャイチャのレベルって僕らの方が正しいと思うよ?
もきゅもきゅは別にして、一つの部屋に居るイチャイチャカップルなんてずっとキスし続けていてもおかしくないと思う」
イチャイチャ関係が終わって、落ち着いてきたらまた別だろうけど。
それでも仲が良いカップルなら落ち着いても時々はこんな感じのイチャイチャをするんじゃないかな?
「え? でもカクヨムに載ってるラブコメだと……」
紗奈がスマホでカクヨムのラブコメを見ていく。
「……エチエチな作品も多いから、なんとも言えないわね。
後、寝取りザマァ」
「前から言ってる通り、僕らラブコメ後の関係だから。
それでもきゅもきゅが性表現かどうかって?」
「そう! だってもきゅもきゅってぶっちゃけディープキスでしょ?
激しすぎよねぇ〜」
今更だよ……、紗奈。
「んー、行動は間違いなく大っぴらにする物じゃ無いけど、文章的に言えば表現次第じゃない?
もきゅもきゅだけだとそこまで過激なイメージにはならないし。
ほら、書籍化されてる公式のアレでも直接的なのに、言葉を変えてるだけでまったくエッチぽくなかったし」
紗奈もふーむとあごに手をやり考え出す。
「……そうねぇ、もきゅもきゅも舌を絡めてぴちゃぴちゃ音をさせているのをオブラートに包めば、確かに」
「あのね? 紗奈。
そういう風に言われると何というかムズムズしてくる訳で」
「あ、ごめん。
とにかくもきゅもきゅか、激しい時はもっきゅもっきゅで表現すれば大丈夫かなぁ?」
「結局は読む人の印象次第だから、言葉の使い方一つだと思うよ?
そもそも小説はその言葉を工夫して表現するものでしょ?」
「それもそうね……。
分かったところで颯太!
今日のもきゅもきゅ!」
冒頭で僕らがしていたもきゅもきゅは今日のもきゅもきゅとは違うのだろうか、と疑問に思わなくはなかったけれど、もきゅもきゅを断る選択肢は僕にはない。
紗奈の背に手を回して、優しく紗奈をベッドに押し倒し口を重ねる。
もきゅもきゅもきゅもきゅもきゅもきゅもっきゅもっきゅもきゅもきゅ……。
まあ、そんな感じで。
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