350日目ぐらい「もう、我慢出来ない! 颯太イチャイチャするわよ!」

「もう、我慢出来ない! 颯太イチャイチャするわよ!」


今日のノルマを終えて、僕らのベッドで先に寝転がってスマホでネット小説を読んでいた紗奈は、またしても唐突にそう言った。


ついでに僕に隣に来るように、ベッドをバシバシと叩く。


「今更だけど、毎日イチャイチャしてるけど?」

僕は机の上を片付け、紗奈の隣に座ろうとしてそのまま押し倒されて、口を奪われる。


「むっぐむぐ」

もきゅもきゅもきゅもっきゅもっきゅ。


「ぷぅ〜、颯太エネルギー補充〜」

満足そうに紗奈がワイルドに口元を腕で拭う。

補充されたようだ。


僕は満足げな紗奈の頭に触れ、もう一度顔を近付けるように誘導する。

紗奈は抵抗せずに顔を近づける。


唇が軽く触れるキス。


「……颯太。

それ、スイッチ入るから」


そう言って、顔にかかりそうな髪を手で横に流しながら、再度、紗奈は僕と口を重ねる。


もきゅもきゅもきゅもきゅもきゅ。


「……紗奈。イチャイチャ幼馴染完結したんじゃなかったの?

連続で公開しているの見たけど」


「いやもう最新話を見る人も減ったことだし、この際好き勝手やりたいなぁ〜、なんて……」


最初から好き放題しているような……、あ、いや、50日目ぐらいまでそうでもなかったかな?


でもイチャイチャしているカップルなんてそんなもんだし。


「大体ね、颯太。

私たちは幼馴染なのよ!

そして義兄妹で一つ屋根の下なの!

これはもうイチャイチャするしかないわよ!」


「うん、世の中の幼馴染と義兄妹の人たちに謝ろうね?

幼馴染と義兄妹はカップルの隠語とかじゃないから」


ズガーンと雷を受けたように驚きの表情をする紗奈。


「うそ!?

じゃあ、私と颯太もイチャイチャしてはいけないの!?

禁断の関係!?」


「いや、僕ら既にカップルだし、ついでに来年には結婚するし」

「そうね」


紗奈は納得して僕にしがみ付くようにしながら擦り寄ってきた。

相変わらず温かくて柔らかくて、実は今でも緊張はする。


ドキドキし続けている訳ではなくて、胸の中に温かいもので溢れる感じ。


そして、愛しい人が自分の腕の中にいる幸せでたまらなくなる。


自然と僕らはまた口を重ねる。


もきゅもきゅもきゅもきゅもきゅ。


「……ところで紗奈。

ここまで連続投稿してると流石に完結してるとか言うの、無理じゃない?」


「……ま、まだよ。

まだその時ではない、はず」


「まあ、そうだよね、試験前だしね」

「現実を口にする颯太の口なんてこうよ!」


もっきゅもっきゅもっきゅもっきゅもっきゅもっきゅもっきゅもっきゅもっきゅもっきゅもっきゅもっきゅもっきゅもっきゅもっきゅもっきゅもっきゅもっきゅもっきゅもっきゅもっきゅもっきゅもっきゅもっきゅもっきゅ……。


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