127日目「今日は特に何もないのよ。」
「今日は特に何もないのよ。」
僕のベッドの上で、寝転がってコロンコロンと転がりながら、スマホで小説を読んでいた
僕は思わず振り返る。
「え?何がないの?」
紗奈はコロンとこちらを向き、一言。
「ネタよ。」
「、、、そうなんだ。」
だから?
それが僕の感想。
「ネタがないとラブコメは書けないでしょー!」
ジタバタと紗奈は手足を動かす。
「あー、まあ、そうかも知れないね。
この間の話の通り、喜劇としてのネタがないとラブコメではないかもね?」
そう言いながら、何か新しいラブコメでも書いてるのかな?
「そうなのよ!とりあえず颯太、こっちに来なさい!」
バンバンと紗奈は隣を叩く。
「はいはい。」
「むー、颯太が適当だ。」
僕は紗奈の隣にコロンと転がり、紗奈の頭を撫でると紗奈が擦り寄ってきた。
あったかくて安心すると同時に、その柔らかさにモヤモヤしてくるのは仕方ないことだ。
「私、今更だけど普通のラブコメ受け付けないかも知れない。」
「本当に今更だよね?」
突然何故?
「書籍化されて大人気って書いてあるラブコメを読んだんだけど、、、。」
「だけど?」
「なんか、、、こう、ね。
やっぱり現実的じゃないというか、イチャイチャしてる方が現実的な気がしてきて、、、。」
「あー、突然、ナンパされてるタイミングで居合わせたりとか、突然、相手が熱とかで倒れて、それを助けたりとか?」
紗奈は目を見開く。
「その通りよ、よく分かったわね?」
「この間、買ってたよね?それで見せてくれたよね。」
「そうだったわね、、、。
私が言えたことじゃないけど、やはりラブなものにはキュンキュン出来る共感が必要なのよ。」
まあ、僕ら幼馴染の義理の兄妹で、夜に部屋で2人で居られる恋人同士だしね。
なかなか無い関係だ。
「それはファンタジーにも言えるかもね?
非現実でも現実的な物の考え方ってあるから、そこから離れた考え方をされると冷めるというか。」
「そうね。とりあえず、今日は颯太にもきゃもきゅして寝ることにするわ。」
「うん、僕らおやすみのキスがもきゅもきゅなあたり、かなり、んっ。」
紗奈から口を重ねてきて。
もきゅもきゅもきゅもきゅもきゅもきゅもきゅもきゅ、、、。
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