118日目「ゲームみたいな小説って多いよね?」

「ゲームみたいな小説って多いよね?」


僕のベッドの上で、僕の枕を抱えながら寝転がって足をバタバタして、スマホで小説を読んでいたはずの紗奈さなは唐突にそう言った。


僕は椅子を回転させて答える。

「そうだね、最強系はかなりの大多数、、、というか転生系も、、、あれ?転生系と最強系ほとんど一緒のものが多いね。」


「そういえば、そうね。」


「きっとゲーム的な設定と両立しやすいからと、テンプレ化してるからだろうね。」


そこで紗奈が寝転びながら、バンバンと自分の隣を叩き、僕を召喚する。


はいはい。


隣に座り頭を撫でてあげると、紗奈は僕の腰にしがみ付いた。

「今ではすっかり飽きちゃったけど、最初はあのゲームのドキドキ感が良かったわ。

今度はどんな風にレベルアップするんだろうって、その全てが10レベルを超えた辺りで飽きるけど、、、。」


「うん、なかなか衝撃的なことを言うね。

でも、そうだね。

レベル10辺りで序盤の山場が終わって安定しだすから、ストーリーが、あえて物語というけど、物語が魅力的で引き込まれていないと、ゲームから現実に帰るよね?」


「恐らく、ゲームが2時間までという制約があるせいよ!」

きっと違うし、ゲームが2時間までの家もかなり少ないと思う。


「それでね、颯太。」

紗奈はこちらを何かを期待したかのように、自分の腕の隙間から覗き込むように横目で見てくる。


「何?」

「まったく関係ないけど、私、こうして颯太のベッドで転がってると、食べられちゃうと思うのよ。」

「そうだね、それでも毎日、転がってるよね。」

「そうね、食べられたいからよ。」

紗奈はクスクスと笑う。


その紗奈に顔を向けると向こうから、軽く唇を触れるように合わす。


ただれてるかな?」

「ふふふ、そうね、ただれてるわ。

だけど、そう、、、これがたまらなく幸せなんだもの。」


「そうだね。」


紗奈の身体を僕の上に、乗せるようにして腕の中へ抱き寄せ口を重ねる。

紗奈も僕にしがみ付くように抱き付く。


口を重ねて、その口の中でお互いの舌が重なり求め合う。


もきゅもきゅ、、、。

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