28日目「んー、幼馴染寝取られパターンって。」

「んー、幼馴染寝取られパターンって。」


僕のベッドの上で、寝転がりながら、僕の布団に入りスマホで小説を読んでいた紗奈さなは唐突にそう言った。


紗奈が気になる話を途中で止めたので、僕は思わず椅子を回転させた。


「パターンって?」

「なんか切ないよね。」

「そうだね、、、って切ない?」


紗奈は布団から出て、ベッドに座り直し、バフバフと隣を叩く。


はいはい、と僕は隣に座るとガシッと腰にしがみ付く。

寂しくなったらしい。


「間男に女はどうして惑わされてしまうのかしら?」

「間男に騙されるパターンね。

口が上手かったり、魅力的に見えたりするんだろうね。

あと間男は奪うことが目的だから、心にも無いことでも相手の望む言葉をいくらでも言えるからね。

義母さんが言ってた話だね。小説でも破局パターンで多いよね。」

「怖い!間男怖い!」

「はいはい、近寄っちゃダメだよ?」


そこで、紗奈は僕に向き直る。

「まさにそこなのよね。

私は正直、颯太以外の男って怖いから、近寄ったりしないけれど、仕事とか人間関係とかうま〜い口実探して、接近するわけでしょ?


私も引っかからないように日々注意してるけど、ちょっと油断するタイプの子って、やっぱり居るから。

ほら、それって詐欺みたいなもんでしょ?」


あー。


「その発想はなかった。

言われてみれば、詐欺の手口と一緒だ。

うま〜い話で楽しませて、美味しく頂いちゃおうと。

あー、なるほど〜。」


「ほら、詐欺って私は騙されない!という人が引っかかるとも聞くし、じゃあ、どうしろと!とは思うのよね。

間男詐欺怖い。幼馴染が奪われる、ヤダ。

間男近づいてきたら始末しちゃいそう、存在が憎い。」


これは新手のヤンデレと言って良いのだろうか?


「とにかく、信用できる人にまず相談だね。怪しい人を信用してしまう環境にあることが問題だから。

あれ?ほんとだ、やっぱり詐欺と同じ流れだ、、、。」


僕は衝撃を受けてしまった。


「毎日、夜報告するから聞いて!」


はいはい、聞くよ〜と紗奈の頭を撫でておいた。

詐欺には気をつけよう。


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