第38話  後始末その3

海属性の魔法を手に入れたショウマ。

ステータスチェックはまだ続く。


次はケロ子だ。



名前:ケロ子

種族:亜人/従魔


冒険者LV15


攻撃力:205

魔法攻撃力:45

防御力:228

魔法防御力:143

行動速度:135


体力:522

魔力:342


職業

 闘士 ランク3


スキル

 特殊攻撃

  体当たり ランク2

  空中蹴り ランク1

   

 種族特性

  毒抵抗   

  水中移動


装備

 『手甲 速度上昇(小)』






「ケロコはLVが10を越えました」


「職業Ⅱを習得できます」


声が言い出した。

そうなのだ。

気になってはいたのだ。

なんでショウマだけ魔術師、従魔師 職業が二つあるのか。

謎が解けた。

LV10が条件なんだ。


選べる職業はやたら有った。


剣戦士、槍戦士、盾戦士、弓戦士、重戦士、軽戦士、剣士、騎士、衛兵、斥候、拳闘家、武闘家、探検家、狩人、忍者……

まだまだ有る。

なんだこれ

どうしよう

何がお得なの

職業のメリットも良く分からない。


「みみっくちゃん」


「うーん。俗説ですよ。良く言われるのが、ステータスが上がるですよ。戦士系の職業なら攻撃力上がるし、斥候なら素早さ上がると言われます。その後の成長にも影響してくると言います」


「後はスキルですね。職業特有のスキル取得。スキルは確実に取得できます。

 職業によってスキルは固定みたいですが、多少の個人差はあるみたいですよ。その効果だったり、取得する順番だったり」


スキル。

忍者のスキルって何だ?

忍術。

分身の術?

お色気の術?

N〇RUTO的な

 

忍者はやっぱり気になるトコロだ。

上級職、レア系のイメージなのだ。

後は拳闘家、武闘家。

これは闘士の上級職風。

騎士も上級職?

馬に乗らないとダメだったりするかな


「ケロ子。

 忍者か、武闘家だったらどっちがいい?」


「アタシ、忍者ってよくわからないですっ。

 そうすると武闘家かなっ」


そういわれると良く分からないな

設定にもよる

リアル寄りなら武闘家に近くて、暗器を身体に隠し持ってる暗殺者かな

ファンタジー寄りだと、火遁の術とか分身使える魔法戦士だよね


「もしくは剣士とかにしてみる?」


剣を使う少女がチームに居ないのだ。

素手で叩くより、攻撃力は上がりそうだ。


「ショウマさまが言うならっ」

「いや

 ケロ子の希望だと何かな?」


ケロ子の場合、踊り子でも遊び人でもショウマが言ったら受け入れそうだ。


「アタシ、剣や槍を使うよりもキックパンチの方が合ってると思いますっ」


確かにケロ子のキックは捨てられない要素だ。

チアガール衣装でハイキックしてたのを思い出すショウマ。

いつの間にかスキル『空中蹴り』覚えてる。

スピニングバードキック覚えないかな


「分かった。

 じゃあ武闘家」


素手の格闘方向をより強化で行こう


職業欄に武闘家 ランク1が加わる。

おっスキルも増えた


『身体強化』


おおっ

これはパワーアップ技?

スーパー〇イヤ人的な?

さらにステータスも上昇してる

当たりかも




名前:ケロ子

種族:亜人/従魔


冒険者LV15


攻撃力:215

魔法攻撃力:45

防御力:228

魔法防御力:143

行動速度:135


体力:548

魔力:342


職業

 闘士 ランク3

 武闘家 ランク1


スキル

 特殊攻撃

  体当たり ランク2

  空中蹴り ランク1

  身体強化 ランク1

   

 種族特性

  毒抵抗   

  水中移動


装備

 『手甲 速度上昇(小)』



少しだけど、体力、攻撃力が増してる

よーし


「ケロ子 強くなりましたっ」


ケロ子は安定の実力。

従魔少女の中で間違いなく抜きんでている。

頼もしい前衛なのだ。


さて次は。




名前:みみっくちゃん

種族:亜人モドキ/従魔モドキ


冒険者LV:13


体力:314

魔力:390


攻撃力:78

魔法攻撃力:169

防御力:150

魔法防御力:195

行動速度:52


職業

 運び人モドキ ランク2


スキル

 特殊攻撃

  丸呑み ランク2


 種族特性

  体内収納(小)  

  変形

 


「ミミックチャンはLVが10を越えました」


「職業Ⅱを習得できます」


ミミックチャンて

中華な人か!

それはともかく選択肢は。


闘士、魔術師、軽戦士、軍師、衛兵、斥候、罠師、盗人、闘士、治療師、暗器使い、野伏、吟遊詩人………


ケロ子とかぶるのも有れば、かぶらないのも有る。

かぶらないのは特殊な雰囲気。

ショウマが海属性魔法を覚える前なら、治療師一択だ。

今なら?

斥候は…ハチ美の超感覚が有る。

軍師、罠師も気になる。

暗器使い…みみっくちゃんの収納力と合わせれば実は使える?



「みみっくちゃんの希望は?」

「魔術師です」


「?」

「ご主人様とかぶるのは分かってますが、みみっくちゃん、魔力も魔法攻撃力も有ります。これを活かさない手は無いですよ。他の職は武器を使えそうな気がしません」


確かに攻撃力より魔法攻撃力の方が圧倒的に高い。

魔術師向きだ。

ショウマがケタ違いなだけで、割と優秀な魔術師になるのかも。

LV10で職業Ⅱが解放。

ならLV20でもう一つ解放とかありそう

魔術師の上級職、司教とかそーゆーの狙えるかも

本人の希望が大事だしね


「じゃあ、みみっくちゃんは魔術師」


職業欄に魔術師が加わる。



 

名前:みみっくちゃん

種族:亜人モドキ/従魔モドキ


冒険者LV:13


体力:314

魔力:398


攻撃力:78

魔法攻撃力:172

防御力:150

魔法防御力:195

行動速度:52


職業

 運び人モドキ ランク2

 魔術師モドキ ランク1


スキル

 特殊攻撃

  丸呑み ランク2

 魔術

  水属性 ランク1

  風属性 ランク1

  木属性 ランク1  


 種族特性

  体内収納(小)  

  変形


モドキなんだ

やっぱりモドキなんだ

魔術師モドキ


魔力と魔法攻撃力が微増してる。

それより気になるのは


魔術『木属性』 ランク1


何これ?


「やりましたね。狙いは『雷属性』でご主人様の悔しがる顔を見る事だったんですが、まあ被りの無い属性取れたので良しとしましょう」


みみっくちゃんはニンマリ笑う。

ドヤ顔だ。




ドロップコインも確認する。

全てみみっくちゃんに飲み込んで貰っていた。

小銭多いのだ。

ジャマじゃん。

驚くなかれ。

金貨が21枚も有った。

さらに銀貨、銅貨が数えきれない。


えーと、えーと

金貨だけで210000G。

日本円換算で、2100万円。

さらに銀貨、銅貨で20000Gくらい?

日本円で2300万円?!


ここまでくるとショウマには現実感が無い。

だって16歳なのだ。

とりあえず老後は安心な金額?

それくらいしか思い浮かばない。

この世界ではまともにお金使ってこなかった。

先日、防具でおよそ200万使ったのが人生で最も大きな買い物だ。


落ち着いて、考えると色々必要な物は多い。

魔道具欲しいのだ。

冷蔵庫大きいの買い替えたい。

ハチ子、ハチ美が増え食材も増えるだろう。

お風呂はお湯を注ぐタイプのだ。

追い炊き出来ない。

3人だったらそれでもいいけど、5人は厳しいだろう。

エアコンも欲しい。

居間には暖炉が有る。

魔道暖炉はまだ使ってない。

今は秋だ。

もう少し寒くなったら試すつもりである。

夏場になったら冷房が必要。

必要ったら必要だ。

これはでもけっこう先の話だ。


武器屋街、デパートみたいな大きい商店では見かけなかった。

珍しいのかな。

そうすると値段も張るかも。



お次はドロップ品


『魂のローブ』

『石巨人の魔道核』

『石像の魔道核』×2

『ハチの針』×9

『アリの外骨殻』×8

『アリのキバ』×36

『汚れた剣』×3

『汚れた槍』×1

『汚れた弓』×1



気になるのは魔道核だ。

欲しいなと思ってる魔道具。

これには触って魔力を込める水晶みたいな部分が付いてる。

それの材料なんじゃないの。

ショウマが見るとそんな気がする。

魔道核はゴツゴツした岩みたいなの。

その中心にキラリとしたキレイなトコロが見える。


魔道具は帝国の技術。

帝国以外ではあまり手に入らないらしい。

帝国に行かないと分からないのかな。

メンドクさいな。


ハチとかアリのはたくさんある。

今度組合行ったら売ってしまおう。

『魂のローブ』

装備品だろう。

『迷う霊魂』が残していった物。

ケロ子の手甲みたく、特殊効果有るかも。

しかし幽霊みたいなのが持ってたヤツだ。

着て呪われるとか有ったら嫌だな。

ちょっと置いておこう。

しばらくみみっくちゃんに持っててもらえばいーや。



「はー、

 疲れた。

 今日は頑張った」


ステータス見るだけでいっぱいいっぱい

今日は昼寝でもしようかな

そんな気分のショウマだ。


「ショウマさまっ 街には何時出かけますかっ」

「えー、

 出かけるの?」


「迷宮に行くのと街に行くと一日交替ですると

 ショウマさま言ってましたっ」


うーん

ハチ子、ハチ美のルームウェアも必要だな

冒険者組合に『毒消し』の材料も渡さなきゃ

組合か

ハチ子、ハチ美の登録もするべき?

うわー

めんどくさいな

ケロ子とみみっくちゃんに任せて全部やってもらう?

いや

ハチ子、ハチ美の服選びは行きたい

組合も材料渡すだけならいいけど

クラスアップの交渉も要る

ハチ子、ハチ美もクラスアップしたい

そう言ったらアヤメは絶対ダメと言い出す

キキョウ主任に言うのが早そう


「しょうがない。行くか」





ケロ子は歩いてる。

湖から街への道。

もう何度も歩いてる道。

でもなんか違う。


明るい。

よく考えたらショウマさまが『明かり』を使ってない。

なのに歩けてる。


ショウマさまを振り返る。

ケロ子は前列だ。

ケロ子とハチ子ちゃんが前列。

真ん中にみみっくちゃん。

後列がショウマさまとハチ美ちゃん。

戦闘の事を考えた、正しい隊列。


だけど……


ショウマさまとハチ美ちゃん。

距離が近くない?


ショウマは歩く。

何度も歩いてる道だ。

相変わらず道が悪い。

岩場がコケで湿ってる。

滑るのだ。


サンダルから革靴に替えて少しマシになった。

けど滑りそうになる。


「王。危ない」


バランスを崩したショウマをハチ美が支える。


「ショウマ王。足元が悪いようです。

 私が抱えて飛翔しましょうか?」


「ありがと、ありがと。

 抱えてもらうのはいいよ。

 本当に通れない道ではよろしくね」


昨日はさんざん抱えてもらって移動したショウマ。

いつも通ってる道で抱えてもらうのはやり過ぎ?

1階では他の冒険者に出くわす可能性も高い。

女性に抱えられて移動する様を知らない人に見られる。

さすがに避けたいシチュエーションである。


ケロ子はムムムと後ろを気にしながら歩く。

そんなこんなで進んでいく一行だ。



「キィ キュイ キィ」


「おっ。経験値」


「王よ、あれは野生の蝙蝠だな」

「野生の蝙蝠です」


「魔獣じゃないの?」


「はい。天然の普通の蝙蝠だ」

「天然の普通の蝙蝠です」


「?」


今まで“吸血蝙蝠”だけだと思ってたけど。

実は中に普通のコオモリも混じってた?


「ハチ子、ハチ美

 魔獣の気配は?」


「一切無いな」

「全くしません」


「?」


【次回予告】

『名も無き兵団』。

地下迷宮で最大規模を誇る冒険者チーム。1000人近い構成員を誇る。普通冒険者だけではこの規模の組織運営をこなすことが出来ない。だがそれをやってのけるリーダーが『名も無き兵団』には居るのだ。その名はサラ。女冒険者サラだ。

「地下7階ってどうやって行くんだ? 5階でイキドマリだろ。何か行き方あるんだろ?」

「知らねぇって言ってんだろ!」

次回、アヤメは怒ってる。 

(ボイスイメージ:銀河万丈(神)でお読みください)

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