⑤ ももロックの快挙はほんとうでした
「すごい! すごいよももロック!」
わたしはペンを投げ出して、ぱちぱちと手をたたくのをやめられなかった。
「ももロック初の快挙だね!」
「ふふん」
ももロックは終始、得意げな表情だ。
「この調子で、次は二人の力をあわせて、事件を解決に導こうじゃないの、わが優秀な助手、夢ソン」
「ねぇ、これ、本にしよう! 有名推理小説になるよ! ぜったい!」
「あぁ、それなら」
平然と、ももロックはランドセルの中から一枚のチラシを取り出して。
「ギムナジウムの校内新聞に載った見出しのことにも、きみの記録のなかで触れといてもらえる?」
そこには、こう書かれていた。
“絵画コンクールにホームズもまっさおの美人探偵、現る!”
あははは……。ももロック、何気にそこにはやっぱり自信あるのね。
半ば祝福し、半ば呆れつつ記事に目を通していくと、最後の読者からの自由投稿欄に、こんなコメントがあった。
『あんな小賢しい美人、もうこりごりだ――ハンドルネーム・C』
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