第116話 このビキニは変身をあと二回も残している

●キャラ振り返り8 三又茉美(みつまたまつみ) 

 本作のヒロイン。

 勝気で強気な古き良き暴力系ツンデレヒロイン。

 外傷や一部の病気を治療できる【ヒーリング】の使い手。

 回復系能力者なので超能力を原因にいじめられることはなかったが、本人の性格と総合格闘技の中学チャンピオンという経験から周囲からは恐れられていた。

 男子に厳しく性犯罪者は死ねという苛烈な性格の一方で女子を守るヒーロー系男子には好意的に接する。むしろ頭をなでまわしたりかわいがる。

 エッチなことが苦手で育雄が欲情するたび怒るが、これは恥ずかしいのを誤魔化すため。将来、昼間は強気でも【このあと滅茶苦茶セ●クスした】になる。

 (全ヒロイン中、ベッドの中で一番かわいいのは茉美。そして翌朝「昨日のアレは違うんだからね!」とか顔を真っ赤にして否定してくる。酒に酔うとエロくなる)

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 二時間後。


 海を満喫した俺らは、観光地である首里城へ行くために、一度シャワーを浴びることにした。


 髪や体をタオルで拭いてから、あらかじめチェックインしておいたホテルの部屋にテレポートする。


「じゃあハニー、ボクらシャワー浴びてくるけど、ハニーも一緒に入る?」

「俺はテレポート洗浄でいいよ。俺の体表から海水を風呂場にテレポートっと」


 能力の発動と同時に、俺の体と髪が渇いた。

 海パンも、乾燥した証拠に色が戻る。


 美稲が感心したように喉を鳴らした。


「ハニー君のテレポートってそんなこともできるんだ」

「みんなもこれでいいならやるけど……」


 俺が言い淀んだ通り、美稲たちは手の平を横に振った。


「私はいいかな。やっぱりお湯を浴びたほうが気分がいいし」

「だよな。桐葉も全然使わないし、俺も普段は風呂に入っているからな」


 シャワーやお風呂は、体を綺麗にするだけではない。

 お湯を浴びるリラックス効果もある。


 仮にボタンひとつで眠気と疲労を消したり、空腹感と栄養不足を補える道具があっても、ベッドで眠りたいし食事はしたい。


 それと同じだ。


「じゃ、ボクらはシャワー浴びてくるけど、みんなもいるから覗いちゃだめだよ」

「の、のぞかねぇよ」


 笑顔でウィンクを飛ばしてくる桐葉に、俺はくちびるを尖らせた。


「なぁんだつまんない」


 と言って、桐葉はその場でビキニを脱いだ。


「ッッ!?」


 俺の頭に激震が走り、脊髄反射で前のめりになってしまう。


 けれど、ビキニの下から出てきたのは、さらに小さなビキニであり、裸は拝めなかった。

 目を丸くして凝視する俺に、桐葉はニヤニヤが止まらなかった。


「残念でした。インナービキニを着ているんだよ」


 茉美がジト目になる。


「のぞかない、ねぇ……」

「い、今のは不可抗力だし!」


 必死に言い訳をするも、あまり残念じゃなかった。


 桐葉の極小ビキニは、彼女の豊麗なおっぱいとお尻に食い込んで、裸とは別ベクトルでエロかった。


 裸の下位互換ではなく、桐葉の裸体を飾り立てる最高のアクセントになっている。


「もうハニーってば、せっかくからかおうと思ったのに、裸じゃなくても満足しちゃうんだ」

「いや、だって、でも凄いな」

「流石に外じゃこんなの着れないからね。これは部屋用だよ」

「え? でもさっきは誰もいなかったぞ?」

「今が何年だと思っているの? 今どき違法改造した望遠録画機能付きのドローンだって珍しくないんだから」

「もしそうなら胸を晒したあたしはアウトなんだけど!」


 茉美が実感のこもった声で抗議した。


「ていうかみんなもデパートで凄い水着買っていたのよね?」


 ――何!?


 俺は光の速さで視線を巡らせた。


 すると、美稲がちょっと恥ずかしそうにワンピース水着の肩ひもを外し、あっさりと脱いでしまった。


 中に来ていたのは、かなり露出度の高いビキニだった。


「いや、一応、ね」


 美稲に続いて、詩冴、真理愛、麻弥も水着を脱いで、マイクロビキニ姿になった。


 服を脱ぐ光景も凄かったけれど、目の前で女の子たちが水着を脱いでいくという光景も、凄まじく刺激的だった。


 まさかと思って茉美へ首を回すと、彼女は耳まで赤くしながら、キッと睨んできた。

「わ、わかったよ。いいわよどうせ中身まで見られているし」


 ブラとショーツを脱ぎながら、茉美は眉を逆立てて怒り顔になる。


「言っておくけど、これはさっき蹴り飛ばしちゃったお詫びと、あと前に桐葉たちを守るためにがんばった、本当に特別なご褒美なんだからね! 感謝して拝みなさいよ!」


 茉美が着ていたのは、破廉恥嫌いの彼女らしからぬセクシーなビキニだった。


 確か、ブラジルのフィオデンタルという水着だったか。


 ブラもショーツも布地が申し訳程度にしかなく、本当に大事な部分しか隠せていない。


 茉美が腰をひねって見せてくれたお尻は、Tバックではないが縦布がかなり細くて、大きなヒップの大半が見えてしまっている。


 ――ま、まさか茉美が自らこんな水着を着てくれるなんて。


 普段の勝気で強気な表情を真っ赤に染めて、恥ずかしさを誤魔化すように無理に怒り顔を取り繕うギャップも相まって、最高にエロ可愛かった。


「本当に拝んでんじゃないわよ!」

「え? あ!? いつの間に!?」


 気が付けば、俺はその場で膝を折り両手を合わせていた。


「無意識か!」


 怒鳴る茉美の近くで、詩冴は鬼の形相で歯を食いしばりながら、左手で右手を抑えていた。

 きっと、みんなの水着のヒモを引っ張りたい衝動と戦っているのだろう。


 その気持ちは分かる。

 あのヒモを引っ張るだけで、みんなの絶対秘物が御開帳されると思うと、魔性の誘惑力がある。


 俺が文明人でなければ、脊髄反射で引っ張っていただろう。


「ハニーが喜んでくれていっぱい嬉しいな。ほら、舞恋も恥ずかしがらないで」

「ふゃっ!? わた、わたしはインナービキニ着ていな――」

「シサエにまかせるっす!」


 詩冴に文明など望むべくもなかった。


 詩冴は舞恋の言葉を遮り、猫のような俊敏性で舞恋の背後に回り込み、チューブトップブラとショーツを引き抜いた。


 反動で縦横無尽に暴れ回ったおっぱいが鮮やかな桃色の軌跡をふたつ描き、剥き卵のようにツルツルの素肌があらわになった。


 有体に言えば、舞恋はインナービキニなど着ていなかった。


 大きなおっぱいがコンプレックスで、巨乳の事実を隠し、常に胸を小さく見せる努力を欠かさない彼女のスベテが、無修正で御開帳されていた。


 ――す、すごい、舞恋は、そんなことになっていたのか!?


 鼻の奥に激痛が走り、俺の鼻から熱い液体が垂れた。


「み、見ないでぇえええええええええええ!」


 両手で胸と局部を隠しながら俺に背中を向けると、必然的にお尻を突き出す形になって、俺はさらに鼻血を流すことになった。


 直後、茉美が野獣のように吠えながらアメフトタックルをかましてきた。


「うぉおおおおお見るなばかぁあああああああああ!」

「むぐぉっ!?」


 衝撃で茉美のブラがズレて、ナマ乳で顔面を覆われてしまう。


 その感触、弾力、やわらかさと体温に、俺の中の邪心が怒張して暴れ回った。


 ――いんぎゃああああああ! すごいー! すごすぎるぅううううう!


 事故で、桐葉の豊乳を手で触ったことならある。


 けれど、顔面で味わう巨乳というものの快楽は底無しで、俺は理性を手放して体の主導権を本能に譲ってしまいそうになった。


 よくも考えてみればビキニ美少女7人詰めという緊急事態。


 これで文明人でいろと言うほうが無理がある。


 だから、俺は文明人の矜持を維持すべく、最終奥義を発動させた。


 ――俺の体内の血液を1リットル分消化器官内にテレポート。


 一瞬で意識が遠ざかり、俺は五感を失った。


 最後に、みんなの多種多様な悲鳴が聞こえていたのは、なんだったんだろう。



119話 戦闘系能力者は出入り禁止?

120話 詩冴にはジャーマンスープレックス

121話 不当な規制

122話 0と1の差

123話 オーディション

124話 貴美美方ふたたび

125話 自分中心他動説

126話 異能バトルスポーツを作りたい

です。

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 本作、【スクール下克上 ボッチが政府に呼び出されたらリア充になりました】を読んでくれてありがとうございます。

 みなさんのおかげで

 フォロワー11417人 294万8944PV ♥42291 ★5662

 達成です。重ねてありがとうございます。

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