S9 アイリスオンラインⅢ 2月20日

――照葉市 寂れた雑貨ビル1F:星を見る――


衣笠「あーーーー?それは、うーーーーん」

衣笠「七歌、アイツいるかもよ」


七歌「ほんと!?えっと、本当……?」

勇聖「わかった!今日は人探しだね!」


衣笠「チッチッチッ。残念ながら違うんだよな~~~。こいつの探し人は割と目の前にいるんだわ」


平「まさか………!!俺?」


衣笠「いやいやwまさかwww七歌には恋人がいるんだわ」

衣笠「クソ生意気なクールぶった劣化折木みたいなやつだったけど、あれでも案外頼りになったのよ」


平「へー!初耳だぜ!ななっちもお年頃の乙女だったかー!」

恋塚「やっと帰って来れましたのでぶれんどぷりーず……?」

平「おっす!イッチー!遅いご帰還だったな!久しぶり!」


衣笠「金が戻ってきたわね。――それはともかくあいつね、雑魚な癖に私らの身代わりで化物に連れ去られちゃったわけ。そいつを見つけるためにこんなことしてんのよ」

七歌「苦節3年……やっと見つけた手がかりだから……!」

衣笠「ま、それはいいのよ。今日はちょっと招集を急にかけるわよ。通信障害でメンテしてる今がチャンスだから」


勇聖「いっつも招集なんて急じゃん」


――30分後


樟穫「うぅ……さむい……。今日もまた何かするんですか……?」


衣笠「いつもは明日来てねって呼び出すんだけど、今日は急だから悪いわね。まず、これを見てもらえる?」


▶衣笠はタブレットを見せますね。通信障害が関東で発生してる、原因不明と書かれているサイトページですね。どこも真っ赤になってます


葦名 「私登場の時間だオラァ!!!!!!!!」


▶後ろに控えている執事さんが口でバァン!!と言いながら静かに葦名が入ってきます。執事さんはそのまま店に入ることなく扉を閉めます


葦名「ごきげんよう皆様方。今日遅れたのにはほんの少しインターネットと格闘していただけですわ。配信終わり際の最後の挨拶してましたところ急に回線がえんがちょしたからクssッソキレてただけなんてことはないんですわよ!!!」


衣笠「うるせぇ!!通信障害が起きてるんだけど、今度はこっち見てみて」


葦名「はい」

恋塚「情緒さんがゆらゆらしておりま?」


▶タブレットをスワイプして、ENOKIのVtuberの配信ページを見せてきます。 【驚愕】柏木ヒナ、謎のデートプラン【ドン引き】 という生放送タイトルのようですね


衣笠「こないだあのロリコンの神主から、実質ENOKIは味方みたいな情報聞いてね。半信半疑だったんだけど、ここ見て」

平「なんだー?どれだー?」


▶生放送のアーカイヴをシークさせます。

『最近、彼氏とバレンタインでねプレゼントはわ・た・しってしたの。じゃあちょっと引かれちゃったんだけど、リスナーの人には評判よくって。あーそうそう、AO3でフルダイブしてねー!!16日にライブするからー!!!』


衣笠「この、フルダイブってやつ。適合させる時に使うゲームなのよね。スマホでやってるからやったことないんだけど、ゲームを起点にして適合させるって冷静に考えておかしくない?って思って」

衣笠「でね、今何処も謎の通信障害でメンテしてるでしょ?ほら、これ」


▶衣笠がアイリスオンラインⅢを起動させると、画面が光っておりセカイが出ているようですね


恋塚 「ぴこぴこがぴかぴかですが?」

衣笠「ほら、腕入る」


▶衣笠はスマホの小さい画面に腕を出し入れしています


葉生「こういう合成映像見たことあるけどなあ、まさか合成じゃなかったとは」

樟穫 「ほえー……。なんだかこわいですね……」

勇聖「今まで何も知らないでそれ使ってたの?」


七歌「蓮が教えてくれただけで、なんで出来るかってのはちょっと……」

衣笠「そういうのは知らないんだけど、日頃はこの裂け目出てこないのよ。流石に出たら気付く。メンテで通信障害起きてる今だけ何故か入れるの」


恋塚「つうしんしょーがい、……それのせいだったり?」


衣笠「……一応、氷取沢の野郎とかロリコンに聞くことも出来るけど、聞きに行く?正直私らだけじゃ何もわからん」


勇聖「召集はなに、これに入るの?だったらもうちょっとなんか知りたいけどー」

平「聞くだけならいいんじゃないか?美篶のおっさんが実質知り合いみたいなもんだろうしいいんじゃないかな?」

七歌「そう……。でも、どっちもあんまり信用できないし……」

平「ななっちこの前の階段転げ落ちたこと根に持ってるのか……」

葦名「私的に言えば、ですが……。話を聞くならロリk……美篶さんではないでしょうか。勝手ながら親近感覚えていますので。それにもう一人の方はまた転ばされかねませんし、車椅子を起こすのにも一苦労しますわ」

恋塚「ではおっさんさんにごあんないー?」

葦名「腕に自信のある平さんとか頑張ってくれるなら、転ばされるだけならいいかもしれませんけど!!!」


衣笠「じゃあロリコンの方ね。階段きついのよね……」


――照葉市 朱鷺森狐火宮神社――


▶最近めちゃくちゃ寒いのもあって、ヘットヘトになりながら神社を登ってきます。ヘアピン的に早風がタックルしようとしますが、前を見て反省したのか、衣笠に歩いて優しく抱きついてきます


早風「いらっしゃい」

衣笠「はぁ~~~~~~……。すごい腹筋に力いれたわ今」


勇聖「勢いが足りない」

平「おっすおっす!偉いぞ!ちゃんとやさしく歓迎できたな!」

樟穫「階段は平気だけど……寒さがつらい……。ぶるぶる……」


美篶「やあ、いらっしゃい。今日はたくさんわらわらといるけど、なにかお困りごとかい?」


葦名「えぇありますわ。一人うちの屋敷にアルバイトを出しませんこと?先日誘拐に失敗してから諦めきれなくt…」

七歌「あの、アイリスオンラインⅢのこと……教えてほしくて」


美篶「廃棄品を譲るほど商売の根本は忘れてないよ。それにしてもアイリスオンラインⅢね……」


▶美篶は少し渋い顔をします


美篶「――ああ、もしかしてコレで戦えてるのか?そうか、あの施策も少しは役に立ってるのか」


恋塚「なにかごぞんじな?」


美篶「専門外だけどね。これはね、人間を奴隷のように使う為の装置だよ」


葦名「!」

(あっ。でも奴隷ですか……。いりませんわね。ただいうことを聞くだけなんてモノと変わりませんわ)

勇聖「あーあみんなかわいそうに……」

平「やっぱり知ってる口だな!なにぃ!?人間を奴隷のように!?一生労働かぁ……」


美篶「その、セカイで確かにお金は稼げるだろうけどそれを毎日、20時間近く巡り続けろって言われるようなものだよ。いくら命があっても足りないとは思わないかい?」

美篶「功績を上げたものに役職と資金と、形だけの名声を与えて死ぬまで働かせ続ける……。日本の悪しき文明のオンパレードだね。ものはともかく、性能は保証するよ。バグなどはないだろうから安心するといい」


樟穫「ひええ……」

恋塚 「うえー、発想がひとでなしでは……?」

衣笠「なるほどね……。開発は何処なの?」


美篶「榎プライアンスだよ。ゲーム喫茶の紅葉とか、同人誌のデータ販売してるからオタクならだいたいお世話になってるかもね」


衣笠「紅葉かぁ……。ま、そうでしょうね」

七歌「えと、お世話になりました」

葦名「助かりましたわ。また来ますわぁ」


――照葉市 空き家――


▶売家の表札が出てる家で、堂々と骨董品を扱ったお店をしていますね。時折、宅配の人が品物を取りに来ていますがほとんどお客さんはいないようです


氷取沢「いやぁ……うちの店になにか用かな?それとも売却かい?ちょうど売れそうなのがそこそこいるようだからねえ」


平「うちの店、なぁ……。この家も売り物かぁ?」

衣笠「相変わらず胡散臭いわね……。後その黒い手でセクハラしてくるのやめてくれない?」


▶黒い手が勝手にうねうねと一行の肩とか頭を触っていますね。衣笠にはたき落とされてます


氷取沢「勝手に吸い寄せられてるんだよ。僕が悪いわけではないさ、気に入られてるんだろうね」


勇聖「ん?操ってるわけじゃないんだ。仲良くしようね」

葦名「自分で扱うものすら制御できないなんて、身の丈に合わないもののようですし、売ったほうがいいのでは?」


氷取沢「いやいや、コレは僕のものじゃなくて契約してるだけだからねえ。商人は身を守れないと世の中怖いんだ」


七歌「アイリスオンラインⅢって、知ってますか……?」


氷取沢「ああ、それはもちろん。資本主義の象徴だよ。金さえ渡せば働く人畜を使った回し車のデバイスさ」

氷取沢「回し車を回すのをやめれば即刻処刑されて土の下だ。悪いことは言わないが関わるのはやめておくといい」


平「なるほどな、働かなくなったらゴミと一緒ってわけか。恐ろしいなぁ……!」


氷取沢「こないだ、紅葉の跡地に行っただろう?あそこは、本来前線基地だったんだ。まあ、実際は責任も取らずに撤退したから今この光景なんだよ」

氷取沢「アイリスオンラインⅢはね、リトマス試験紙なんだ。適性がない人間からは資金を吸い取り、ある人間は回し車に乗せて一生搾取し、死んでも扱き使うのさ。手駒がいなくなれば維持もできなくなって捨てて逃げる、そんなところだよ」

氷取沢「流通の寡占もしていてね、僕たちからしたら商売上がったりだよ。人材は大切に使わないとねえ」


樟穫「えげつなさすぎる……」

衣笠「ありがと。じゃあその、またくるわ。精算しにね」


氷取沢「今後ともご贔屓に」


――照葉市 寂れた雑貨ビル1F:星を見る――


衣笠「会社そのものはやばそうね。ブラック企業の極みというか……。でも、チャンスは今しかないから順次入ってって頂戴」

七歌「頑張る……!」


平「おう!がんばろうぜ!」

葉生「ここもブラック企業だったか」

葦名「そんなブラック企業の作ったものに入って、ミイラ取りがミイラに……みたいなことにはならないのか少し心配ですわ」


衣笠「携帯はそこに置いてね。危なそうならすぐ帰ってきて。私はここで出口をキープしてるから」


葦名「せめて私たちだけでも、ボランティア活動にならないようにしなくては……」

樟穫「充分に気をつけなくちゃ……」

勇聖「頑張ればお金が稼げるらしいからがんばろー」


――アイリスオンラインⅢ――


▶気づけば、どっかで見たことのある建物の入り口に立っています。分かる人にはわかりますが、どう見ても京都駅ですね。

京都駅のプレートの部分に、『アルカディア』と仰々しく書かれています。その中心で2Lのペットボトルほどの、小さいうさみみをした金髪の少女がふよふよと浮いています


ウサメリ「こんにちは!アイリスオンラインⅢの世界へようこそ!私はナビゲーターのウサメリ!これから、悪の帝国により崩壊した世界を建て直す長い旅への行き先案内人をするわ!よろしくね!」


葦名 「あれは……私!?」


ウサメリ「あなたの職業を選んでね!」


▶ウサメリはステータスオープンとつぶやいて、スクリーンを投射します。どうやら戦士、魔法使い、僧侶の3つから職業を選べるようです


平「職業?選ぶだー?」

葦名「忍も侍もない。クソわよ」

勇聖「今時のゲームで職業の選択肢が三つって!?」


ウサメリ「これからあなた達には長い長い帝国との対決の為、モンスターの襲来に備えて貰う必要があるの!サイコロを振ってどんどん新しい地方を旅していきましょう!」


▶そう言って、ウサメリは自分の身体と変わらないほどのサイコロを渡してきます


恋塚「あー?よくわかんねえがやるっきゃねえか?……アタシは戦士にするかな」

葉生 「んじゃあ戦士やるかあ」

樟穫「私は……魔法使い……かなぁ」

七歌「じゃあ、魔法使いで」

平「俺もどちらかと言うと魔法使いかな!」

勇聖「僕も魔法使いたい!」

葦名「私僧侶~」


ウサメリ「道のりはこの宝具が導いてくれるわ。あなたに星の夢のご加護がありますように」


――メンテナンス中です。タイトルに戻ってください――


▶京都駅もどきだった景色が見る間に真っ暗になっていきます。テロップが上に表示され、ヌルヌル動いていたウサメリも停止します


七歌「なるほど、今のうちに進む感じね。待ってて……蓮……!」


勇聖「タイトルはどっちだ、右か?左か??」


▶サイコロを転がすと、風景がどんどん入れ代わっていきます


――魔の飛行艇――


▶入れ替わりが落ち着き、周りを見渡すと、どうやら飛行艇のようですね。古い形式で気球のようなもので浮いているようです。かなり広く、小部屋がたくさんあるようです


葦名「はえー。最近のゲームすっごい」

平「もしかしたら目的の奴がいるかもしれねぇしな!」


七歌「どうだろう……」


▶恋塚 運転

 成功

▶平 聞き耳

 成功

▶飛行艇を調査していると、ところどころに人がいます。ですが、完全に停止しているのか人形のように動きません。触れようとしてもすり抜けてしまいますね


▶葦名 目利き

 成功

▶勇聖 文化知識

 失敗


平「メンテ中って言ってたしこんな感じになるのか?ユーザーかこいつら?NPCかな?」

葦名「うーん。ナイスグラフィック」


▶どうやらこの飛行艇は砲撃を受けているようですね。飛行艇が炎上し、流れ弾を受けます

 28ダメージ


恋塚「いてててて!なんだってんだコイツは!」

平「んげぇ!?撃たれたぞ!?メンテ中だってんなら止まってろよ!?うかうか散歩してられねぇな!!」

葦名「バグの恐ろしさを味わっている気がしますわー」


▶葉生 火薬知識で判定 早歌[総角、総角]

 成功

▶平 ブルーキャンドル[裂帛、気魄、柳浪、絵姿、レタブリスマン、シズフラット、リヤトレイン]

 45回復

▶葦名 回復薬G

▶飛行艇を調べているといくつかわかりました。この飛行艇はフォンターナ2号店というアルカディア王国の所有する敵艦のようです


葉生「れっさーいらーいさーい、ふーふふふふふふん」

平「ホホッポ」

『とりあえずだ!あんまり頼りにするなよ』


――アイリスオンラインⅢ 紅葉チェーン――


▶サイコロを回し、風景が切り替わっていきます。ここは、紅葉の廃墟探索したときとほとんど同じ内装の喫茶店ですね。ゲーム内でほぼ完璧に再現されているようです


勇聖「どこかで見た感じだぁ、何もここまでそっくりにしなくても」


▶勇聖 観察力

 成功

▶葦名 読唇術

 成功

▶葉生 経理

 失敗

▶どこからか刀で斬りつけられます。何も見えませんが、傷と刀を振ったような音と風だけを感じました

 30ダメージ


葉生 「いっっった。乙女の肌に傷なんて付いたらどう責任取るつもりなん」

葦名「雑魚乙」


▶紅葉の中央から幽霊のようにユラリと表れる、髪の長い人影がいます。刀を差していますが、刀は持っておらず鞘に入ったままですね。女性の声で、入った目的について尋ねられます


女性「どうしてここへ?」


葦名「うちの使用人をさがしn……」

平「ホ」

『ちょっとした探し物だ。あんたはここの従業員か?』

葦名「あらあら。何言ってるかわかりませんわよ。鳩さん。ポップコーンでもどうぞ」


女性「そう。不審者なら斬っちゃおうかなって思ってたけど、まあいいか」


平「ポホッホ」

『不審者には見えなかったようでなによりだ』


▶平がポップコーンを啄ばんでいると、女性の姿が揺らめく陽炎のように明滅します。気づくと、葦名の手元に帳簿が手渡されていますね


葦名 「ちょっ、今はポップコーンで手いっぱいなんですが……。あっ、そんな、マフラーに差し込まれると、帳簿が冷たいですわ……!」


女性「行き先はその本の通りに」


▶そう言い残し、女性は薄れていき消えていきました


勇聖「親切な人だったね?」

葉生「親切なら斬りかかる前に声かけない?」

恋塚「親切かは疑問が残るな……」

平「ポ」

『手には持ってなかったし、あの人が斬ったわけじゃないんだろ?』

葦名「帳簿にちょっと油が滲んじゃいましたけど読めないことはありませんわね。何が書いてあるんでしょうか……?よくあるパターンとしては翻訳不能言語で読めないとかありますけど、どれどれ」


▶見た目は帳簿のようですが、中を開くと普通のノートのようですね。どうやら、紅葉のアンドロイド製造企画について書かれているようです


葦名「やっべ。これ持って帰ってもいいかな」

平「ホウホ」

『返す相手もいねぇしな。いいんじゃないか?』

恋塚「ふーん。面白みの無い話だな。さっさと奥行って恋人とやらをぶっ殺……あれ、殺すで良かったか?」


七歌「は?お前から先に殺す」


▶七歌は杖を恋塚に向け、詠唱を始めます


葉生「ちょちょ、それこっちにも被害くるから。せめて離れてからにして」

葦名「よくみれば製造企画だけで設計情報とかの作るための情報ないじゃありませんか。――不要ですわね。これがあってもメイドロイドなんて作れるわけありませんし、やっぱり人間ですわね。人間」

平 「ポホホッホ」

『言葉のアヤってやつだろ、すすもうぜ!』


七歌「……次は、ないから」


▶七歌は日頃見たことないほど殺気立っていましたが、一応杖を降ろして後ろに歩き始めます


――砂漠――


▶サイコロを転がし、風景が切り替わると砂漠のようですね。スフィンクスが鎮座していますが、ピラミッドなどそれ以外のものは一切ありません


勇聖「来たぜ、エジプト……あれピラミッドは!?」

樟穫「なんか、いる……」

葉生「私は同行しない……」

葦名「わー!見てみて!!あれがエジプト猫ですわよ!鳥は猫の頭の上に乗って写真撮るものですわ!!」

平「ポフ」

『ただの建造物だろ、なにか入口とかあったりするのかもしれねぇな』

勇聖「わかった!口が開くんでしょ、スイッチを探そう」


クイズスフィンクス「やはろー。知恵の神ですわぞ。ほしい知識を対価と共に教えてしんぜよう。我が名はクイズスフィンクス」


樟穫「ひゃえっ……びっくりした……」

葦名 「あいつ喋ったわよ!!!ありえんキモ」

恋塚「パス!任せた!」

平「ポ」

『欲しい知識って何でも知ってるのか?人探しとかでも行けるのか?』

葦名「これは一人につき一つの願いを叶えてくれるタイプか、あるいは一つだけのパターンか。いいえ、言ってることだけで言えば対価を支払えば何回でも……?」


クイズスフィンクス「任せ給え。やあやあやあ。我が名はクイズスフィンクス。なぞかけをしよう。当然、正解すればご褒美があるぞ」

クイズスフィンクス「

た→?

ひ→さ

か→せ

わ→し


葉生「あー、『わ』?」


クイズスフィンクス「正解だ。これを持っていくがよい」


▶どこからともなく、空から金貨袋が落ちてきます


クイズスフィンクス「これは、四則演算と計算結果の名称を表している。引き算は差、掛け算は積になる。当然、足し算は和だな」


葉生「うわ、思わぬ収入。ありがと」

樟穫「葉生ちゃん、すごい……!さすが……!すばらしい……!」

平「ホウ」

『小学生で習ったやつだな!日常でなかなか使わないよなぁ』


クイズスフィンクス「欲しい情報も与えよう。君の恋人は木場蓮というそうだな。――ここにはいない。だが、木場蓮を拐った魔物についてはここに情報があるだろう。この場所から3の倍数のサイコロを出すと得られるであろう」

クイズスフィンクス「気をつけてまた会おうぞ」


▶そう言うと、地面に星型の魔法陣が現れ消えてしまいました


七歌「なんでも知ってるんだ……」

平「ホホウ」

『すげー有力な情報を得たぞ!蓮っていうのか!?ななっち!?』

七歌「別にいいでしょ……」

勇聖「でもほら、知らなかったら探せないよ」

恋塚「というか、そんなことも知らないままで探そうとしてたのかアタシ達」

葦名 「まぁ知らなくても七歌さんが同行してるのですし、まとまって行動しているなら問題はなかったでしょう?」

七歌「そうだよ。殺そうとした薄情者に言われたくない」


――研究所――


▶風景が切り替わると、古い病院のような場所ですね。薄暗く、廊下なのに少し薄ら寒さも感じます


▶葉生 早歌[総角、総角]

▶葦名 心理学

 成功

▶樟穫 闇目[人脈[傀逅]]

 成功

▶勇聖 視線

 成功

▶なにか視線のようなものを感じ、下を見ると勇聖の影から頭に謎のアンテナのようなものをつけた少女が頭だけ出します


少女「あったりー。おっさんから言われたから見に来たけど、意外と優秀じゃん」

少女「私はラン。お得意様は媚売って恩を売れなんだって。氷取沢のおっちゃんから呼ばれてきたよ」


平「ポ」

『氷取沢のおっさんとこの、従業員かなにか?影から出てきたな!』

樟穫 「氷取沢さんから……?敵ではない……、かな」

勇聖「当たりなの?じゃあなんか頂戴!」


ラン「はーい。ここはね、アンドロイド製造拠点なんだよ。潰しちゃう??」


葦名「潰しましょう。ゴミと命令を待つだけの機械には用がありませんわ。具体的に言うと、うちの使用人として不十分ですけど私が本能で反応してしまうので邪魔だから消しましょう」

平「ポホウ」

『いやまだだ、ここで得なきゃいけない情報があるんだ、その判断はそっからだな』


ラン「つまんないーの。じゃあちょっと手伝ってあげるね」


葦名「鳩さんが言うならそのままですわ……」


▶恋塚 剛力

 成功

▶研究所の壁を破壊します。部屋への道が開きます


恋塚「とりあえずぶっ壊しとくかァ、イラつくしなァ!」


ラン「へー、意外と脳筋なんだ。この死に損ない、私が壊しちゃってもいーい?」


平「ポ……」

『うーん……』


▶部屋の中には着物を着たロリが繋がれていますね。大量の電極が脳などに刺さっているのと、ロボ特有の白い耳のようなものがついており、アンドロイドなんだな、とひと目で分かるようになっています


七歌「ロボット……?」

勇聖「なんかいっぱい刺さってるけどこれ動くのかな」

葦名「あのぬっこは情報があると言っていましたわ。動くのであれば、このロボットが何か知っているかもしれませんわね」


▶葦名 交渉

 成功

▶平 質問

 成功

▶調べてみると、着物ロリはまだ稼働していないようですね。どうやら、このロリの名前は "神道夢想型宮前" という名前のようです


▶勇聖 観察力

 成功

▶葦名 捜査

 失敗

▶監視カメラの光熱レーザーに焼かれます

 14ダメージ

▶本棚にはアンドロイドの設計と、素材について書かれています。素材は孤児院で既に死亡した女児を使用しており、概念を補強するのに妖怪の送り狼の毛髪、サキュバスの角、雪女の髪などが使用されていると書かれています


樟穫「ひぇ……。あまりにも非人道的……」

勇聖 「これじゃアンドロイドっていうよりキメラじゃん」

ラン「死は救済じゃないんだねー」


七歌「この送り狼……こいつかも」

七歌「私がコケたのが、最後に見た蓮だったから……」


平「ホ」

『知ってるのかななっち!?』

葦名「…………?」


七歌「送り狼……送り犬でもいいんだけど、転んじゃうと襲われる妖怪なんだ。転ばないといい妖怪らしいんだけどね」


樟穫「あ……、聞いたことあるかも……。確か転ばない限りは帰り道を守ってくれるって……」


七歌「多分、蓮を拐ったのはこいつ……。それで、この子はどうするの?今、イライラしてるし私が殺してもいいよ」


平「ポ」

『殺すのか?どこに連れ去ったか聞き出すんじゃなくて?』

樟穫「二度、殺すというのは……でも、解放してあげる、という意味でなら……」


七歌「聞き出せるほど話が通じると思えないかなあ……。ロボットだし」


葦名「まー、こういうあくどい研究は、私的な理由ですけど私が葬り去りたいですわぁ。なぜって言われると、心が揺れ動かされるからですわ。ちょっとでも『アンドロイドでも可愛いからこれでいいかな……』なんて思ってしまう私が許せなくなりますから。そういう対象は私自身の手でバーニンばいばいしたいんですわ。私的な理由なのですから自分でやるのが普通というものでしょう?ロリとかショタならいっか。じゃないんですわ。生きてるか生きてないか、言うことを聞くにしても機械か人間かでは大きな違いがあるのです!!!所作ってやつがあるじゃありませんか……。素体が人間であろうと、一度命を落としてしまったらこの少女のように、ロボットになるんですの。一度命を落としてしまったら生き返るなんてことはこの世の摂理として絶対にありえませんわ。ゲームではよくHP0になったキャラがヒーリングされますが、『瀕死』の状態になっているだけですわ。それなら回復するだけでまだまだ元気になる要素はありますし、たとえ心がやられてしまったとしても生きているんですもの。どんな状態であろうと回復の」


葉生「んーまあ、決まりきらないみたいだし、どっちみちやること変わらないんなら七歌っち頼んだ」

七歌「……わかった。願わくば、花の盛りに~」

ラン「あっ殺っちゃうの?じゃあ食べちゃうねー」


▶ランは着物ロリの首筋に噛み付き、血を啜ります。血を溢していますが満足そうですね


勇聖 「わぁ……雑食系女子?」


ラン「言ってなかった?私、吸血鬼なんだよ?――ああそうそう、後ろ……なにか来てるよ


葦名「何奴」


▶後ろを振り向くと、騎士の格好をした少女が剣を上に掲げています。そして、その瞬間に上の方にテキストウィンドウが開きます


――レイドボスイベント:ティアル=フェアリ――


葦名「あーーーー。これやば」

勇聖「メンテ中だろー?イベントなんてやってんじゃねぇよー」


ティアル「敵対ウイルスは破壊します」


樟穫「レイドボスの名を借りたセキュリティプログラムってことかな……」

平「ホホウ」

『そういう世界観なのかもしれないけどな!脅威ってことにはかわらねぇな!』


▶戦闘前行動 葉生 急に歌うよ[塩祓、塩祓、塩祓、昼目、昼目]


▶葦名 蟲呼び[刻印蟲]

▶平 ブルーキャンドル[裂帛、気魄、柳浪、絵姿、レタブリスマン、シズフラット、リヤトレイン]

剛招ビート[鋭招来]座禅の教え[フォルスルージュ]

折り鶴 

 51回復

[オカルトトランジスタ[塩祓、塩祓]]


葦名「実はこれラジコンのコントローラですのよ。この子達に頑張ってもらいますの」

平 「ポ」

『奮えよかもっち!景気づけだ!』

勇聖 「よっしゃあまかせろぅ!」

葉生「変わらないひーっびーに、ふふふんたーたらったった、……っと」


▶ティアル バックステップ(補助動作で1マス下がる)

流星のコメット(物理6d6。攻撃命中した対象を起点に10mの魔法5d8を追加発生。回避可)

疾風のヴィント(風。敵を起点に3d6魔法)

[檜扇]成功[団扇]成功


平「ポポッフ」

『あぶない!そこでインド人を右に!』

葉生「ナイスプレイくるっぽー」


▶葉生 大妖精[リリーホワイト、チルノ[精霊の加護]、チルノ[精霊の加護]]

 57ダメージ 96ダメージ

[神速のカミカゼ(この攻撃は敵と同じマスとして扱う。物理火8d8)]

▶恋塚 回避判定

 成功


▶勇聖 ゲームで判定

 通常攻撃[雷汞、洋銀]

 通常攻撃[雷汞、洋銀]

 成功 95ダメージ

 成功 105ダメージ

[幻影陣]

[ドラム打ち込み[早歌[塩祓、朝倉[精霊の加護]][囁き吐息の加工録音]

 51ダメージ

[蟲]28ダメージ

[蟲2]24ダメージ

[速水奏(被ダメージと同じダメージを1回だけ反射して物理ダメージとして与える)]

 105ダメージ[勇聖:回避珠]

[神速のカミカゼ]

▶恋塚 戦闘回避

 失敗 25ダメージ


葉生「急にアイスが食べたい真夏日……、って、こっちの魔法は歌わなくていいんだっけ?だめだ違いが全然わからん……」

勇聖 「くらえ!友情ぱーんち」


ティアル「現象反射します」


葉生「ちょ、うっわ。あんなされたらひとたまりもないって」

勇聖 「戻ってきたぁ!?ちょっとまっ、ギャー」


葦名「みて!このラジコンテク!こっちの界隈でもeお嬢様できちゃうかも!!」

葉生「このまま奪って、ふふんふ、忘れたーーい」

樟穫「葉生ちゃんの歌……。えへへ、こっそり録音しちゃえ」


▶樟穫 セージ サルビア 

囁き吐息の加工録音[早歌[塩祓、朝倉[精霊の加護]]]

C4

 53ダメージ 21ダメージ

[蟲]25ダメージ

[ドラム打ち込み[早歌[朝倉、朝倉]]

 攻撃不可

[神速のカミカゼ]

▶勇聖 戦闘回避

 成功

▶[セージ]リェチーチ[レタブリスマン、レフェクティオー、リストーロ]

樟穫葉生勇聖

 46回復

▶[サルビア]ぬこぬこ動画[裂帛、気魄、レタブリスマン、レフェクティオー、リストーロ]樟穫葉生勇聖平

 32回復


樟穫「みなさんももっと葉生ちゃんのかわいい歌を聞いてくださいね……!!!そして弾けろ手投げ爆弾、てやーっ」

葦名「ア"ッ"!こけた!」

葉生「うわ恥ず。そういう羞恥心煽るような事よくできるね、しかも実の妹の。いや今更言ってもこれまで一生治らなかった物が、他人に広める分より悪化させてる時点で、もう言っても無駄かもしれないけど」

恋塚「……なんつーか、仲良いよなァ、アンタら二人って」


▶恋塚 魔神剣[足刀蹴り、闃然、鏗鏘、砂錫、鉱滓]

魔神剣[足刀蹴り、闃然、鏗鏘、砂錫、鉱滓]

 成功 34ダメージ[追撃]34ダメージ 17ダメージ

[弧月斬[足刀蹴り、闃然、鏗鏘、砂錫、鉱滓]]

47ダメージ[追撃]27ダメージ 30ダメージ

 成功 54ダメージ 28ダメージ 33ダメージ

[弧月斬[足刀蹴り、闃然、鏗鏘、砂錫、鉱滓]]

70ダメージ[追撃]26ダメージ 28ダメージ

[蟲]11ダメージ

[蟲]13ダメージ

[蟲]14ダメージ


[エクスプロージョン]

 383ダメージ


恋塚「ヒハハハハハァッ!森・羅・万・象ッ!燃え尽きろォォォォッ!」

葦名「私のクラッシュギアが爆発に巻き込まれた……?」


▶セキュリティロボを破壊して、振り返るとランがいます。着物ロリはおらず、着物だけが残されていますね。七歌はそれをかなり怯えた目で見つめています


ラン「おつかれおつかれー。こっちも今終わったとこー」


恋塚「ゲフォッ……。ぐ、も、もう立てねえ……」

勇聖「いやー危なかった、反射なんて卑怯だよ卑怯」

葦名「先ほどは助かりましたわ。後ろから真っ二つ。なんてことになっていたかもしれなかったですわ」


ラン「ま、腐る前に美味しく食べないとね。おっさんによろしく言っておいて!空間崩れるから気をつけてねー」


▶血まみれの床に沈むようにランは消えていきました


七歌「はわわ……」

葦名「それでは一足お先に」


▶脱出判定

 勇聖 10失敗 計275ダメージ

[所有2回、オンリーイベントカタログ3個、例大祭カタログ2個、林檎の板]

[ドレミーのひつじ]

 恋塚 4失敗 計119ダメージ

[所有2回]

 葉生 3失敗 計99ダメージ


▶葉生 早歌[明星、明星]

[ドラム打ち込み[早歌[明星、明星]]

▶樟穫 ぬこぬこ動画[裂帛、気魄、レタブリスマン、レフェクティオー、リストーロ]

 39回復

▶樟穫 にゃーん[裂帛、気魄、レタブリスマン、レフェクティオー]

 29回復 27回復

▶樟穫 リェチーチ[レタブリスマン、レフェクティオー、リストーロ]

 43回復


――照葉市 寂れた雑貨ビル1F:星を見る――


▶大量の警備システムや警報、罠などから命からがら戻ってきます


七歌「死ぬ……死んじゃう……。レーザー多すぎ、地雷多すぎ……」

樟穫「ぜひゅー……ぜひゅー……。も……、むりぃ……。さいご……なんだか一気にギリギリまでちからを持ってかれたし……崩れ方も激しかったせいで回復唱え過ぎたりで……。かはっ……ばたり……」


衣笠「戻ってきたわね。どうだった?情報は取れた?」


恋塚「ぷぎゅー……けっこー非人道的だったり?」

勇聖「アンドロイドの作り方を学んできたよ!」

葦名「私としてはアンドロイドの設計図なんていらなかったんですけどね。むしろ焚書したかったくらいですけど、どうやら欲しい方もいたようですので」

七歌「一応……。アレ、送り犬の妖怪、なんだって」


衣笠「死屍累々じゃない……。ま、情報が取れたのなら収穫もあったわね。にしても送り犬、ねえ……。送り犬がダンプカーレベルに大きいイメージなんて、ないんだけど……」


葦名「それに設計図の結果、出来たものがあれではね……」

樟穫「そうだ……!葉生ちゃんの歌聞けば元気に…………、消えてる………。がくっ……」

葉生「いやそんなもん録音してるなし。はぁ……」


七歌「吸血鬼もいましたよ。確か、ランとか名乗ってた人が。氷取沢さんのお知り合いらしいです」


平「うーん、次に繋がったようなそうでもないような。そうそう、跡形もなく食ってたな!服だけ残して!」


衣笠「なんにせよ、お礼も兼ねて氷取沢のおっさんのとこに精算してくるわ。口座にちゃんと振り込んでおくから、ほら出して、立って!!」

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