テキーラ・ウルフが死んだ。

作者 宮塚恵一

182

66人が評価しました

★で称える

レビューを書く

★★★ Excellent!!!

 異能や超能力が一般的になった現代日本が舞台。主人公は最強のヴィランであるテキーラ・ウルフが死んだと聞かされる。主人公は実家が裏家業に通じていたために、家を抜け出し、「蝙蝠」として生きていた。
 そんな主人公のもとに、美女が訪れる。喪服に身を包んだテキーラ・ウルフの孫娘である。孫娘は主人公に、テキーラ・ウルフは何者かに殺されたと断言し、主人公に犯人探しを依頼する。
 確かに、最強のヴィランが亡くなったことで、今まで抑え込まれてきたヴィランたちが表に出てくるという懸念もあった。では、誰がその秩序を壊したのか?
 主人公は自らの能力で、その犯人を突き止めるのだが……。

 果たして、主人公の能力とは?
 そして、意外な犯人とは?

 「蝙蝠」として生きる主人公や、美しい女性でありながらクールな孫娘など、多彩な登場人物たちが魅力的でした。

 是非、御一読下さい。

★★★ Excellent!!!

公式からのレビューおめでとうございます。
本当はずーっと前から気になっていたんですけど。もっと早く読めばよかった。

蝙蝠野郎はいい。設定的に都合がいい。
この現実世界とそう変わらない架空のクソみたいな、秩序を詭弁で塗り固めたこの世界を闊歩できる。ヒーロー側でもヴィラン側でも。

蝙蝠野郎は蝙蝠野郎なんだろうから、ヒーローでもヴィランもない。しかし、完全な中央の中立ではない。どっちかというと、立ち位置は随分アウトサイダー寄りである。紅ヤマトに憧れて形だけヒーローコミュニティに籍は置いているが、かなりヴィラン側に寄った中立。そもそもこの男、出自が出自である。分家の絹河家の出とはいえ、あの綾蔵家の流れをくむ男がヒーローコミュニティに所属しているなど。悪い冗談だ。まぁ、#10以降はもっとこの世界の糞っぷりを見せつけられるわけだが。
だからといって蝙蝠野郎はそこまで動じない。もう次の仕事に向かって歩みを進める。

なんで蝙蝠野郎にヒーローからもヴィランからも殺しの仕事が舞い込むのか。異能のおかげなのか? なんでヒーローがこんな綾蔵家の蝙蝠野郎に殺しの依頼をする? 倫理観のない退廃的なハードボイルドな世界観が心地よく魅力にあふれている。読者に非日常の刺激をもたらす。

#1~#8までは作者様が世界観を楽しみたくって書いていると言っても過言ではないだろう。#9から急ピッチで物語が動く。蝙蝠野郎の異能もようやくここで説明される。読み切りの少年漫画のようだ。

ウルフレディはヒロインなのか?
こんな怖いヒロインが存在していいのか?

蝙蝠野郎はウルフレディに特別扱いしてもらっている。普通だったら彼女が探偵や殺し屋を雇う時は身内を人質に取ったり拷問をしてでも従わせるとの事。裏切り者は魚の餌。よくもまあ綾蔵家の蝙蝠野郎はそんな女に特別扱いしてもらえるものだ。異能のおかげなのか? それとも?
続きを読む

★★★ Excellent!!!

舞台となるのは超能力が実在し、現実にスーパーヒーローやヴィランが現れた世界。主人公のマナヒコはそんな世の中で誰からの依頼でも受け付ける殺し屋稼業を営んでいた。そして今回彼が依頼されたのは、日本有数の大物ヴィラン〝テキーラ・ウルフ〟を殺した犯人を見つけ出して殺すことだった。

殺し屋が殺人犯を捜そうとするシチュエーションに、ヒーローでもヴィランでもないというマナヒコの独特の立ち位置が面白い。周りから蝙蝠野郎と呼ばれながらもヒーロー組織のトップやマフィアのボスと面会を取り次ぎ、飄々と情報を入手していく姿が実に小気味よく、殺し屋というよりはハードボイルドの探偵のようなおもむきがある。ミステリー的な要素としては犯人捜しだけではなく、終盤まで明かされないマナヒコの能力の秘密も読者を牽引する要因となっている。能力者ばかりが存在する世界で殺し屋としてやっていくのに必要な能力は何なのか? 明かされてみればなるほど納得のいくものだ。

本作はこれ一作で完結しているものの、マナヒコだけではなく、それぞれ独自の能力と価値観を持ったキャラクターたちは善玉も悪玉も大変魅力的で、是非彼らがもっと活躍する続編を読んでみたくなる。


(新作紹介 カクヨム金のたまご/文=柿崎 憲)

★★★ Excellent!!!

ヒーロー、ヴィラン、マフィアが乱立する世界に、いかなる組織にも組せず中立の立場を貫く殺し屋がいる。その中立性ゆえに彼はどこからの依頼であろうと臆せず引き受け、受けた仕事は必ずや成し遂げるのだ。
今回の依頼はヴィランの大物が殺害されたことに端を発した復讐劇。
故人テキーラ・ウルフを殺した犯人はいったいどこの勢力に潜んでいるのか?

今の時代にはなかなか珍しい美学をもった一匹狼が、私の心を鷲掴みにしました。
主人公は一応異能を持っているのですが、あまり戦闘向けとはいえず、力任せで正面衝突はいどます情報収集と頭脳で勝負する探偵タイプであることも、好印象です。ヒーローものとミステリーは意外にも相性がよいことは、元ネタであろうバットマンが既に証明しているのですのから。

華やかなヒーローバトルのみならず、推理とアウトローの空気を楽しみたいのならば読んでおくべき作品です。
DCコミックスがお好きであれば、是非!

★★★ Excellent!!!

スーパーヒーローが活躍する時代の物語。
広域指定暴力団銀狼組組長テキーラ・ウルフが死んだ。主人公マナヒコは、ウルフの孫娘ウルフガールから犯人特定と暗殺を依頼される。
男より逞しそうなウルフガール、軽妙なやりとりの中に野性味をぷんぷん臭わせる主人公マナヒコ。
これから、どのようなハードボイルドの風を吹かせるのか、期待十分。
お薦め作品です。