第55話 ハッピーエンド?(2)
(1)
激動――そう形容して良いほど、ここ数日間のイェルドは多忙を極めていた。光魔法分子の持つ「浄化」の効果を以って、レッドキャッスル帝国上層部に取り付けられた副脳を、一人ずつ治療(解除)して回るという何とも気の遠くなるような作業である。
気が付けば、エリオとの戦いが終わって、もう4日経っていた。
エリオのチカラを殺ぐ為に暫く封印していた『風』と『大地』の封印の件はずっと気になっていたのだが、「どうせ暇だから」という何の変哲も無い理由で、ランと凍馬が封印の解放を買って出てくれた。
ちなみに、レッドキャッスルから禁じられた区域(フォビドゥンエリア)まで、どんなに急いでも片道半日以上である。
「(このまま此処に留まっていられたら……)」
つい、そう思ってしまいそうになり、イェルドは慌ててベッドに体を投げる。
「(まだ全てが解決してはいない)」
何とかそう自分を戒め、何とか仰向けになったところ、イェルドはこの部屋にあるべくも無いものを見てしまったのだ。
自分を覗き込む黒髪の女の首!
「……イオナさん、貴女は、本っ当に心臓に悪い!」
イェルドは大きく息をついた。
「アラ、誰のお陰でホテルのスイートルームを貸切れていると思って?」
いつものように突然来訪していたイオナは、いつものようにニンマリ笑って見せた。
イェルド達がエリオと戦っている間、ビルフォードと共にレッドキャッスル帝国国内の沈静化を助けていたイオナは、すっかり帝国上層部に顔が利くようになっていた。
「(だからと言って部屋に忍び込む権利は無いと思うが)」
とは言わずに、イェルドは体を起こす。構わず、イオナが茶の香を立てた。
「きっと部屋にくたびれて帰ってくるんじゃないかと思って、お茶の仕度をしに参りましてよ」
何時だったか、同じように彼女がお茶を淹れに来てくれたことがあったような気がする。あまり思い出せないまま、イェルドは運ばれてきたティーカップを手に取った。
「……ランちゃんの言う通りね」
イオナは、ティーカップの中の水平線を見つめたまま動かなくなってしまった彼を見兼ね、ふと呟いた。
「貴方はまるで、自分の幸せには興味が無いみたい」
イェルドは視線をイオナに移した。
「そう見えますか?」
そこまで自分を殺しているつもりは無いが、とイェルドは苦笑した。唇がカラカラに乾いていたコトに、彼は今、気が付いた。
「ねえ、」と切り出したイオナは、一度、カーテンを閉める為にカップをテーブルに置いた。彼女のその一連の所作は乾いた音となって部屋に響き、彼女の言い泥んだ言葉の間は重苦しい沈黙となってイェルドの心臓を敲く。
「“終幕”って、なあに?」
闇を遮るカーテンの脆弱な白がイェルドの視界を横切り、部屋の南側をそっと包んだ。掌が包んでいる暖かい器は、今は波紋を抱え込んでいる。
「真実を語る事全てが正義だとは思わない。知らずに済むなら知らない方が良いことなど、世界には沢山ある。アタシも、少なからずそう思っている方だけれど……」
イオナはベッドの縁に座る。丁度、イェルドの真横に並んだ。
「その“金のブレスレット”を着けた時から、貴方のココロは少し、浮き足立っていたわ」
今は少し和らいだようだけれど、とイオナはイェルドの右腕の金のブレスレットにそっと触れてみた。
バチッと白く閃光が光り、イオナの指を軽く弾いた。驚いて顔を上げたのはイェルドの方で、当のイオナは淡々と指を撫でてやおら立ち上がっただけである。
――ドウカ、触レナイデ。
「イオナさん、私は……」
言い訳など通じないことは分かっているが、この“患い”を誰かと分かつ事ほど残酷なことはないだろう、とイェルドは思っている。
「……そうかしら」
彼が言いかけて止めた言の葉を捉えたイオナは、少しだけ困った表情を見せた。彼が隠し通すつもりなら、彼女に探り当てる気は無いが、それが正解かどうかということまでは、彼女には解り得ないのだ。
茶器を片付け始める音が涼しげな音を立てて、やりきれない沈黙を埋めていく。いや、ふとイオナが笑った。
「フフ……貴方が思っているほど、
一体何が可笑しかったのだろう、イェルドはよく分からないまま顔を上げた。
「アタシは、今日、皆を代表して此処へ来ただけ」
「え?」
小首を傾げて困惑の表情を浮かべるイェルドを見たイオナは、「少しは気付いても良さそうなのに」などと言って吹き出し笑いをして見せた。
「独りで悩んでいた貴方を心配していたのよ。ランちゃんも、トーマも、ビルフォードも、勿論アタシも、ね」
黙々と独り「憂鬱」を抱え込んでいても、伝わる者には伝わってしまうのだ。勿論彼だって、なるべく焦燥感は隠すように気を配っていたのだが。
「そう、だったんですね」
申し訳ないと思いつつも、彼は今更この仲間たちに頼もしさを感じた。
「気付いたんです。終幕論はさておき、“勇者”であろうと無かろうと、私が為すべき事は、ただの1つでした」
只、愛すべき者達を守る為に死力を尽くすのみ――イェルドは観念したように大きく溜息をつくと、一気に紅茶を飲み干した。
「到底“勇者”にはなりきれないと自覚した途端、大分気持ちは楽になりました」
そして多分、誰もが“勇者”にはなり得なくて、誰もが誰かの“勇者”であるのだろう。決意や気付きと呼ぶには陳腐で脆弱だろうが、これなら、例え『神』が世界から民を否定したとしても同時に成立できる<アンチテーゼ>というべきものなのではないだろうか。
ならば、とイェルドは思うのだ。
「(“終幕”を避けられないにしても、せめて、その絶望感からは仲間を救いたい)」
だからこそ、これからもこの件については沈黙を貫き通すつもりである。しかし、はっきりとそうイェルドが切り出す前に、「アタシじゃダメみたいね」とイオナが降参した。
「何時かは頼って頂戴ね。アタシじゃなくても、ランちゃんでも、トーマでも」
――貴方のシアワセを祈っている存在(ヒト)が居るってコトも忘れないで。
カラリ、と茶器が鳴った。「そんなに慌てて飲まなくても良いのに」と笑って、空の器に2杯目を注ぎ足した彼女ほどの余裕があれば、とイェルドは思ったが、それは少し違うようだった。
「じゃあ今は、喫緊の未来の話をしましょうか」
そこでイオナの口調が突然変わったのだ。
イオナの様子の変化もこの言葉の意味もすぐに解ったイェルドは、実に「現実的」な彼女を見習って、次に来るであろう台詞を繋げた。
「ええ。まだ、問題が解決した訳ではありません」
即ち。
何故ヴェラッシェンド帝国が封印し続けてきた副脳の技術がペリシア帝国に漏れてしまっていたのか。
何故ヴェラッシェンド帝国が国宝として保管していた“四大元素”のルーンが秘密裏にエリオの手に渡っていたのか。
「かなり高い確率で、ヴェラッシェンド上層部にペリシアの内通者がいます」
一刻も早く、ヴェラッシェンドに戻らなければならないのだ。
「アラ、」
イオナが笑った。
「イェルドさんも読心術(マインドリーデング)お上手なのね」
「ええ、貴女ほどではありませんが」
何処の世界の覇権争いはともかく、為に民が苦しむのならば本末転倒である。まして、今回のように秩序ある光の民の世界を巻き込む事など、二度とあってはならない。
しかし、見通しの良い彼等をしても、この翌日にもその思いを一層強めることになろうとなど、想像していなかった。
(2)
サルラ山地のかの基地をどうも放っても置けず、凍馬は殆ど毎日のようにエリオとネハネを訪ねていた。
この日になって漸く、ヴェラッシェンド帝国国宝である“四大元素”のルーンの引き渡しが済んでいなかったことを思い出した彼は、イチかバチか、「そういえば」と切り出してみたところ、最早用無しのそれを、ネハネはすぐに引き渡してくれた。
「長年ずっと気になっていたことがあったんだが、」
凍馬はエリオの顔を覗き込みながら、ネハネに問うた。今日は眠っているのだろうか、彼の目は硬く閉じられたまま、時折瞼が震えるように動くだけである。口が利けないので分かったものではないが、あまり、気分が良さそうな風には見えなかった。
「
サルラ山脈にまだ僅かに残る異世界への入り口が完全に閉じれば、光と闇は、また完全に空間を分けて共存することになる。
「あまりエリオ様の前で話したくは無いのだが、」
断るつもりでそう前置きしたのだが、アユミが兄と慕っていた凍馬には話しておいた方が良いのかも知れないと思い直し、ネハネは続けた。
「――『汝ノ弟ハ 破壊ノ神ニ加担シ 終幕ヲ呼ブ者デアル』」
「は?」
古代語など解らぬ凍馬は、突如出た『神言』の一説に眉をしかめる事しかできなかった。
「エリオ様が公にした最後の御神託だ」
加えて、ペリシア帝国では「終幕ヲ呼ブ者」とはヴェラッシェンド帝国の王家を指す、と国教上教えられているのだとネハネは補足した。
「要するに、
そこまで言って凍馬はハッとした。
「その預言、的中じゃねえか!」
エリオとの初対決時に瀕死だったラン達を救ったのは、他でもないアユミである。
「結果は、そうだ」
ネハネもそれは認めた。
「だが、ペリシア帝国は、我々はおろか『神』をも戦争に利用する……例えば、アユミは「破壊ノ神ニ加担シ」たワケでもないし、「終幕ヲ呼」んだワケでもない。そんな抽象的でどうにでも解釈できそうなものの正当性なんて、痴れているじゃないか」
何だかイェルドと気が合いそうな台詞だ、と凍馬は思った。ならば、次に聞こえてきそうな言葉はさしずめ“犠牲者”か。
「アユミは、ペリシアの帝国主義の“犠牲者”だ」
聞こえてきた“案の定”に小さく「ビンゴ!」と呟いた凍馬は、あたかも眠っているかのようなエリオの高い鼻を思い切りつまんでやった。とっさに、ネハネが止めに入る。
「貴様、殺す気か!?」
「悪ィ、オレ達の間じゃ仲間を起こす時にゃこの手を使うもんだから」
残念ながら、エリオは瞼を硬く閉じたままであった。「起きやしねぇ」と暢気に笑っている凍馬を見たネハネは、思わず大きく溜息をついてしまったのだが、同時に、彼女はアユミの笑顔を思い出していた。
「“アユミ”はやはり、お前に近い」
それを認めてしまうのは癪だったが、ネハネは餞代わりに言ってやった。
「……“犠牲者”だなんて、失礼な話だったな」
差し出された耐魔法性の袋の中には、拳ほどの大きさの石が3つ、入っていた。勿論、これらはヴェラッシェンド帝国から盗取された“ルーン”である。
「売っ払えば数百年食うに困らんな」
とニンマリしてみた凍馬と、これに対して、
「誰が買い取るものか」
と返してくるネハネとは、出逢い方さえ違っていたら気の合う友人になれたかもしれない。
もう、会うことも無いかもしれないとは思っていたものの、ただ「じゃあな」と簡単に別れの挨拶を交わし、努めて淡々と、凍馬が治療室を後にしようとしたその時だった。
「トーマ、……」
自分を呼ぶ男の声に、凍馬は先ず己の聴覚を疑ってしまった。しかし、耳をすましたところに飛び込んできたのはネハネの悲鳴に近い声である。
「エリオ様、お目覚めですか!?」
思わず、凍馬もベッドへ駆け寄り、エリオの容態を確認する。
「エリオ!?」
彼の瞼は開いている。その目は今、きちんと凍馬を捉えた。
「トーマ、姫に伝えろ! ペリシアは既に、ヴェラッシェンドに宣戦し、既に北部を制圧した、と」
それは、あまりに唐突で、あまりに衝撃的な情報だった。絶句したネハネの顔からは血の気が完全に引いてしまっていた。
「エリオ!? そいつは一体どういう事だ!? そもそもヴェラッシェンドとの戦いを有利に進める為に、此の世界を植民地化するっていう計画があったんじゃねぇのか?」
凍馬は青白いエリオの顔に詰め寄る。しかし、頼みのエリオの目からは完全に生気が無くなり、開きっぱなしの瞼が痙攣したように震えているだけであった。
「ダメだ。あさって見てやがる」
凍馬は冷静になるため、深呼吸をする。
「うわ言か」
ネハネの呟きは願望であった。が、それを認めるほど楽天的ではいられない。凍馬は首を横に振る。
「お前さんも望みを棄てちゃいけねえってコトだ」
あれはエリオからのメッセージである、何となくだがそう直感した凍馬は、振り返ることなく基地を後にした。
「望み、か」
ポツリと呟いたネハネの独り言は白と静寂に支配されたこの治療室ではよく響く。それにしても、とネハネは思った。
「……漸く、ご安心なさいましたか?」
本当に一度、意識が戻っていたのかもしれない――そう思わせる程、今のエリオの表情は、安らかだった。
(3)
その知らせはすぐにラン達に届けられた。勿論、意識の戻らないエリオのうわ言に過ぎないと告げたが、それでも動揺は大きかった。とりわけ、ランの――
「ヒトの留守宅に堂々と上がり込むとは、良い度胸してるじゃねえか!」
ランの強烈な殺気に呼応した周囲の炎魔法分子が、キャンドルライトを激しく揺らした。しかし、イェルドもイオナもそれをなだめる事ができずに頭を抱え込んでしまっていた。
「先手を打たれたわね」
イオナはイェルドに意見を求めた。この話が本当だとすると、ペリシアは少なくとも敵国ヴェラッシェンドの第一皇女が本国にいないことを把握している。宣戦はその隙を突いたのだろう。
「エリオ達がどの程度ペリシアに情報を渡していたのか気になりますね」
ヴェラッシェンド帝国の第一皇女・ランが失踪していることなど、何はさておいて国体の面子を最優先するヴェラッシェンド中枢からは、絶対に公表しないだろう。つまり、ランの失踪を知っている者がいるとすれば、城務従事者や権力の中枢に近い者だけであると考えて良い。
しかし、失踪しているという情報だけで、宣戦してくるとは考えにくい。
「少なくとも、ペリシアは私達がここにいるということは掴んでいるでしょうね」
即ち、ランが当分帝国に戻れないという確証がペリシアにはあった、とイオナは分析する。
「上等だ! 今すぐ城(パレス)に戻り敵軍を八つ裂きにしてくれるわ!」
ホテルが火事に見舞われそうなので、イェルドと凍馬がランを制する。
「上層部にペリシアの内通者がいるとなると、」
このまま普通に城に戻るのは危険かもしれない――イェルドがそう言いかけた時、
「だから、エリオが正気だったかどうかは疑わしいんだっての」
改めて凍馬が話の信憑性を問題にした。祖国の無い彼にとって、3人の動揺は想像できても、同調することは難しい。実際に彼の言葉を聞いた凍馬自身、エリオは一時回復していたのだろうと思っているのだが、何につけてもバランス感覚が優れている彼は、この場ではあえてエリオの回復を疑って見せたのだ。
「それもそうか」
ランはとりあえず凍馬の言葉に希望を見出し、気持ちを鎮めようとした。
「最悪の事態を想定しておくことは、必要よ」
ペリシア帝国の狡猾さをよく知っているイオナは、ランにそう忠告した。厳しいだろうが、ランは、国へ戻ればランはヴェラッシェンドという世界的大国の第一皇女である。彼女が舵取りを少し間違えただけで、何千何万もの民が滅ぶ――ネハネが懸念していたように、それが所謂『終幕』の惹起にもなりかねないのだ。
「でもさ、ペリシアがヴェラッシェンドに侵攻するなんて大事件を、エリオの側近だったネハネが知らなかったってのもおかしいんじゃないか?」
ランはイェルドに話を振った。
「それは……」
イェルドはあえて、言葉を濁した。言ったところで、ランが救われないことは知れているからだ。エリオは『神託能力』があるのだ。彼だけが知り得る情報――そんなものなど、いくらでもある。更に、ペリシアがヴェラッシェンドに侵攻した事など、彼がネハネに言えたわけが無い。
「そんなことネハネが知ったら、彼女は全力でエリオを止めに入ったでしょうね。じゃあ、最早世界大戦など意味が無いでしょう、って」
イェルドがきちんと言わなかった為、代わりにイオナが言ってやった。
「つまりエリオは、どうあっても、オレ等と一戦交えたかったってのか?」
オレにはその理由の方が解らねえよ、と凍馬が苦笑した。これにはイオナも唸るしかなかったが、
「あ……」
思い当たるフシがあり、イェルドが小さく声を上げたところ、他三人の注目を一斉に集めてしまった。
“命を懸けろ! 勝者が真理だ!”
最初から負けるつもりで猛毒を服して戦いに臨んでいたエリオが叫んだあのコトバの重さを、イェルドは今、改めて思い知らされたところだ。
「(彼が目指していた世界は、彼が望んだ世界ではなかったのか)」
それはそれは壮絶なジレンマを抱えていたことだろう、と彼はエリオを思う。
「(片や……)」
少なくとも今のイェルドは、ほんの身近に居てくれているヒトの優しさや強さが有り難く、終幕だろうが戦争だろうがそれらを失いたく無いから命に代えてでも守るしかないと思っているだけである。それも、救われてばかりである。
「イェールドちゃーん、戻っていらっしゃーい」
丁度今も、兄の手によって議題に引き戻されたところだ。
「ったく、もう! 少しは故郷に帰ってホッとさせろっつーの!」
ランは気が休まらない苛立ちを体ごとベッドにぶつけた――自分の不在によって故郷が危機に晒されている。しかも、上層部にはペリシアの手垢が付いている。それも、自分がヴェラッシェンドで父皇帝に反発していたずっと前からだ。
ランの動揺を察して余りあるイェルドは素早く決断した。
「ヴェラッシェンドに戻りましょう、一刻も早く」
実は、それはあまり賢明ではない。上層部の誰がペリシアの手先なのか全く情報がないまま戻るのは危険ではある。ただ、一つだけ、確かなことがある。
「貴女なら、帝国を救えます」
そう、闇の民の混沌を永年に渡って鎮めていた魔王(サタン)の血統を持つ唯一無二の存在である
「勿論。やってやるさ!」
ランは指を鳴らした。もう、守られて甘やかされているだけの「お姫様」ではいられなかった。
「アタシだって、こうなりゃ国家の象徴でも官僚のマリオネットでも何でも良いんだよ」
兎にも角にも矢面に立って、愛すべき国民・故郷を護りたい!――ランの決意は強く硬かった。
「目覚めたわね、ランちゃん!」
やっと王族の自覚が芽生えてきたランの強い意気込みを感じ取ったイオナは、喜びの余り背後からランを抱きしめる。「暑苦しいわ!」とのた打ち回るランに、「随分遅いお目覚めだなあ」と凍馬が野次を飛ばし、「いえ、大躍進です」と苦笑交じりでイェルドがなだめた。
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