第3話 夜這いする少年
アメリッシュ様、おはようございます。
今回はポイントが少ないので、よくあるポイントを深堀りしてみました。
いまでも、あの時の刈り上げ頭の30歳くらいの貧相で茶色のジャンバーを着た男には腹がたつ。私のスカートに下半身を擦り寄せニヤニヤして、こちらを上目遣いに伺っていた。
⇒「あの時の刈り上げ頭の30歳くらいの貧相で」は助詞「の」が三回出てきます。
助詞「の」は連続して二回までに抑えないと、とたんに読みづらい文になってしまうのです。「茶色のジャンバー」は含みません。「貧相で」で連続がいったん切れていますので。
ではどう処理するべきかですが、まずこの文を修飾語なしにしてみます。
「貧相でジャンバーを着た男には腹がたつ。」こう見ると貧相にだけ助詞「の」の三連発でわかりにくさを生んでいますよね。
文語体を意識すると、語順は「ジャンバーを着た貧相な男には今でも腹が立つ。」が正しいのですが、この文章には「勢い」があるため、語順の並び替えをすると「勢い」を削いでしまいます。では元の文章をどういじるか。
読点を使います。
⇒いまでもあの時の、刈り上げ頭の30歳くらいの、貧相で茶色のジャンバーを着た男には腹がたつ。
こうすると「貧相」には明確な修飾語がなくなります。
⇒「上目遣いに窺っていた。」が正しいですね。
「伺う」「窺う」は間違えやすいので用例を挙げておきます。
「伺う」は尋ねる、訪問する意
「窺う」は密かに覗いて見る、様子を見て時機を待ち受ける意
です。ただし「窺う」は常用漢字ではないので、読みやすさを意識するならひらがな書きしましょう。ルビを振ってもかまいません。
この貧しいが掘っ立て小屋に金目の物はない。
⇒「掘っ建て小屋」ですね。あと「この貧しいが」は表現としておかしいはず。「この貧しい造りの掘っ建て小屋に金目の物はない。」「この掘っ建て小屋に金目の物はない。」あたりが適切です。しかしアメはいつ掘っ建て小屋に金目の物がないと知ったのか、が謎ですね。となれば言い切るよりも「金目の物はないだろう」のように表現したほうが自然ですね。
明日から兵にでるから、今日、行くって話がついとんやなかったんか」と、再び近づいてくる。
⇒「兵」に「いくさ」のルビを振りましょう。おそらく難読字です。
マサはみるからにシュンとして、それから、一回だけ物欲しげに振り返ると出て行った。
⇒「見るからに」は小学校の漢字なので漢字、「出ていった」は補助動詞なのでひらがなで表記しましょう。
今回はこんなところです。
今日中にもう一話くらい取りかかれればと考えています。
株式トレードがうまくいけばいいですね。
それでは次回の添削でお会いしましょう。
カイ.アルザードSSTMより
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