　「我ながら随分と壊した」

　その巨大なクレータを眺めながら先程の戦いで傷ついた大地を一望する。

　――すると声がかかる。　

　「うふふ。ゴールドお父様ぁ。お疲れ様ぁ」

　その声に振り返るとＮＰＣの輝夜が、微笑みながら手を軽く振っていた。

　「輝夜か。レティシアはどうした？」

　「うふふ。置いてきたわぁ」

　「置いてきた？　護衛は？」

　「うふふ。だって、お父様ぁ直ぐ片が付くって言ったのに、遅いのですもの」

　「仕様がない奴だ。まあいい。遅かったのは相手の虹の竜姫が強くてな」

　「うふふ。お父様ぁが本気出さないから梃子摺ったの間違いでしょ」

　「どうだろうな」

　そんな自身のＮＰＣと会話を続けていると新たに声が聞こえてきました。

　「……ゴールド様！」　

　『ん？』と思いながら呼ばれた方向に顔を向けると。

　そこにはＮＰＣエリザベートがいた。

　少し服がボロボロに成ってはいたが、健在な様子で向かってきていた。

　「……申し訳ありませんゴールド様！　側仕えでありながらエリザは、その任を全うできず！　エリザの無能をお許しください！」

　ゴールドと合流して早々。エリザベートは深い謝罪を行った。

　よく見れば顔も青ざめ、体が震えていた。

　「いや。あの奇襲は、仕方ないだろう。私も感知出来なかった」

　「……しかし、エリザが」

　「くどい。問題は無かった」

　「……は！　寛大な処置ありがとうございます！」

　ゴールドは、ただ面倒くさいので話を早々に切り上げた。

　が、エリザベートは、主人の余りの寛大な御心にフルフルと体を震わせながら感動していた。

　（……ああ！　ゴールド様ぁ！　エリザは貴方様の物です！　貴方様だけのエリザです！　幸せです！　エリザは、ゴールド様だけを愛しております……）

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