第十七話『終末光』

 「――」 


 そんなゴールドの力が籠った返しに、何も言い返すことが出来ず、絶句してしまう虹の竜姫アマリリス。


 「さあ、挑んでもらうぞアマリリス。終末に……」


 ――今だ呆然としているアマリリスに宣告する。 

 ――宣告の名は終末――


 「終末の堕天使ラグナロック・フォーリンエンジェル! 究極魔法アルティメットマギア!」


 ――放つのは、今次大戦・最強の魔法。

 ――AAAランク魔法マギアすら超える【究極呪文】

 ――最早その魔法には級(ランク)が無い。付けられない。そんな『終』 




 「終末光ラグナロックレイ!」




 ――呪文詠唱が終わると同時に、終末が動き出す――

 ――終末の堕天使ラグナロック・フォーリンエンジェルの体が黄金の光に変質していく――


 「ァァ」 

 

 ――そして、それを見たアマリリスは悟った――


 ――避けられない絶対の敗北を――

 ――そんな思考が浮かんだ時。決した――

  

 ――呆然自失と化したアマリリスに向かって黄金の光の化身が飛翔――

 ――絶対に避けられない神速で虹の竜姫を瞬く間に飲み込んだ――

 ――そして彼女は終末と出会った――







 「――決着だな。終末の堕天使ラグナロック・フォーリンエンジェルの最大攻撃呪文。自身を犠牲にするサクリファイスアタック。対象となった存在のHPを全損させる」


 黄金の終末の光を眺めながら、淡々と事実を述べていくゴールド。

 それはまるで虹の竜姫との戦いの余韻を味わっているようだ。


 そうして、余韻を噛みしめているうちに黄金の終末光は消えていた。

 消えた後には、数百メートル以上の巨大なクレータが残っていた。

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