第七話『トライアーツ』

 「間髪入れずに来る。徒手空拳では、少し攻め難いか」


 (天使剣のバフによって、ドラゴンバルキリーの機動力はレベル900相当だな)


 吹き飛ばしたドラゴンバルキリーに、虹の竜姫が近づくのを見ながらある決断をする。


 「そうだな。いい機会だ」


 するとゴールドは、左手をかざした。


 「――抜剣。必要悪の天使剣ソード・オブ・マスティマ


 ――先ほどまで何も無かった左手に握られていたのは、レティシアから譲られた天使剣の一振りであった。刀身は、血の様に紅かった。 


 「ッ武装を!?」


 それを見た虹の竜姫が、警戒を露わにする。

 無理もない。ゴールドは、この戦いで初めて武器を手にしたのだから。


 「必要悪の天使剣ソード・オブ・マスティマ武装権能ウエポンアシスト

                         

 『ソード・オブ・マスティマ。ウエポンアシスト。スタートアップ』

 

 電子音声が剣から鳴り響く。

 

 『抜剣。悪特効剣』

 

 その電子音声が言い終わると同時に、血のオーラが剣に纏わりつく。

 勿論。これだけでゴールドは終わらせない。

 



 ――攻勢に出るのだ。だかこそ相応しい戦準備をしていく。 

 

「AAAランク魔法マギア三重化トライアーツ

 

高位飛翔ハイマットエアー」「光速化グリントステップ」「時間支配クロノス

 

 三つの魔法詠唱。それらの同時発動。


 「ナんだと!?」


 されども敵対者たる虹の竜姫は看過できるものでは無かった。


 (マほうの同時発動!? それも全てAAAランク魔法マギアだと!?)

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