第十話『エリザベートは、不快なゴミを……淑女らしく……』
――殺戮への疾走。
第一使徒エリザベート・ブラットムーンは、本気でレティシア殺害を実行しようとする。
――しかし。
「――やめろ吸血鬼。お父様の邪魔をするな」
「っう!!!」
――そんな吸血鬼姫の殺戮ショーを止めたのは、氷の様に冷たい声。
普段の妖艶さと天然さは完全になりを潜め、殺気だった蝙蝠を阻んだのは第十一使徒。輝夜・スターシステム。
「もう一度だけいってやる吸血鬼。これ以上お父様を煩わせるな」
いつの間にか第一使徒エリザベート・ブラットムーンの後ろに回り警告を行う輝夜。
「……わかったわ。ごめんなさい」
そして、エリザベートは素直に謝罪する。
状況を改めて把握した結果、コレが最適確の行動だと考えたのだろう。
怖いほど素早く場を落ち着かせた。
「――うふふ。いいわ。お父様の楽しみの邪魔にならなければ」
そう言いながら、輝夜はエリザベートの後ろを取ることを止めて父親であるゴールドの所へと向かった。
「……少し落ち着きが足りなかったわ」
そんな輝夜を目で追いながらエリザベートは声を出す。
「……余りにもあのレティシアとかいう下等種が目に余ってしまったから我を忘れてしまったわ」
そして彼女も愛しい主人のもとへと足を向ける。
今度は視界に不快なゴミが入ろうとも淑女らしく落ち着こうと思いながら――。
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