第9話『開戦! 人間軍VS竜軍団』
「――来たぞ! ドラゴンアーミー襲来!」
「各員! 対空戦闘用意!」
「よし! 対空魔導砲は、何時でも打てる! 来いよ! トカゲ野郎! 一発かましてやるぞ!」
「……ん? な、なんだあの虹色の輝きは! 竜なのか!? まさか
竜軍団の襲来は、住民の避難が終わるか終わらないかぐらいのタイミングで起った。
それでもドラゴンアーミーに対して沈滞戦術による足止めは、準備をされていた。
「大丈夫だ! この魔導都市国家連合の魔法使い達が鍛えた魔導砲『ハリネズミ』なら例えドラゴンロードを倒せなくても時間は稼げる! 訓練通りにいくのだ! 砲撃用意!」
その準備の一つが、砦に所狭しと配備した対空魔導砲『ハリネズミ』である。
唯の砲と違い、命中率の高い魔法の砲弾を放てる優れモノの魔導都市国家連合製の高級輸入品である。
レベル200~300あたりのドラゴンなら十分打ち取れる代物であり、それ以上のレベルのドラゴンでも多少の時間稼ぎぐらいは、できる代物であった。
「よし! 有効範囲内に入ったぞ! 対空部隊! 打てえええええええ!!!」
砦の司令官が合図すると、魔法の通信によって各部隊に伝達され魔導砲が轟いた!
魔導砲から放たれた魔力をエンチャントされた砲弾は、まるで目があるように目標である前衛のワイバーン部隊に命中する。
「guiiiiiiiaaa!」
「gaaaaaaa!」
「gyaaaaaaaaaaaa!!!」
ワイバーン種をつるべ撃ちに仕留めていく魔導砲部隊。
「やったぜ! ざまあみろやトカゲ!」
「流石最新型の魔導砲! 高級輸入品は違うぜ!」
「時間稼ぎじゃなくて、このままドラゴンアーミーを殲滅できそうじゃないか?」
自分たちが生み出した戦火に酔いしれる砦の兵士たち。
――しかしそれは、花火のように儚いものであった。
「ホう! 人間種め! 少し見ない間に芸を覚えたらしいな! ならば返礼だ!」
そう言いながら、虹色の光を纏う竜王は、ワイバーンが撃破されたキルゾーンに恐れも無く突き進んだ!
「な! 大きい! ドラゴンロードか!」
「構わん! 射程圏内に十分入った! やっちまえ!」
砦の兵士たちは、100メートル以上の巨体を持つ、虹のドラゴンロードに驚きつつも訓練通り最適化した砲撃術をぶつける。
多数の魔導砲が轟き、虹を消し去ろうと砲弾が殺到する。
着弾。
見事といえる手本のような砲弾のコントロール。
光と衝撃の芸術が生み出された。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます